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2010-10

10月30日~11月1日 若ぐま隊 新・紙芝居上演会 

若ぐま隊が、クマたちとの共存を決意した兵庫県の果樹園の方々の実話をもとに、長い月日をかけ作成したくまもり第2弾新作紙芝居の初上演会です。多くの人々に見ていただきたいです。ご家族お友達お誘い合わせのうえ、こぞってご参加ください。

京都市立芸術大学 芸術祭 10:00-20:00
「たけふじよしとも と 森の仲間たち展 」 内

紙芝居講演: ① 11:00~  ② 13:30~  ③ 15:00~
注)11月1日の公演は未定

京都市立芸術大学 中央棟3階
阪急桂駅(約20分) または JR京都駅(約45分)からバス
詳細:大学へのアクセス http://kcua.ac.jp/access/

安易に、大量の罠をかけ過ぎではないのか

あっちでもこっちでも、クマが罠にかかったという知らせ。本部スタッフ、支部スタッフ、現地に急行しました。このクマは子グマで、すでに、市役所に檻ごと連れてこられていました。

最初、子グマはショックのあまりか放心状態でした。

持って行ったドングリをあげると、我に返ったようで、食べ始めました。

「山の実りなしという異常年なので、人里に出てきたのを許してやってほしい」
命を救うための粘り強い交渉が、あっちでもこっちでも続きます。熊森のできることをすべて見せて、命を助けてやってほしいとお願いしましたが、うまくいきません。飼育檻を持たないので法的には違反ですが、子グマを見ていると、もう、抱いて家に連れて帰ってやりたくなります。くまもりスタッフたちの苦悩が続きます。

何か、おかしいぞ。そうだ!安易に罠をかけすぎなんだ。出てこないように食料を運ぶ。こちらに力を入れないとだめなんだ。

環境省野生生物課鳥獣保護業務室

くまもりはクマの大量捕獲や捕殺の暴走を、全力を挙げて止めようとしているのですが、残念ながら、歯止めがかかりません。きょうも、2頭の子グマを連れて山から決死の覚悟で出てきた母グマが、子グマと一緒にドラム缶の捕獲罠にかかりました。もうたまらなくなって、無駄だと知りつつも、環境省野生生物課鳥獣保護業務室のクマなどの大型野生動物担当者に電話をしてしまいました。03-5521-8282

くまもり「今年、山で大異変が起きています。なぜか、山の実りがまったくありません。地元行政が、田舎の方たちに、クマが来るからカキの木を切ってしまうように。実は絶対にやるな。取ってしまえと指導していますが、これは国の指導ですよね。しかし、これでは、森の動物たちは今年、生き残れません。このような異常年は、分かち合いの精神でもって、クマや森の動物たちに食料として、人間の食べないものは提供してやってほしいと思います」
環境省「クマの誘引物は、取り除くように言っています」

くまもり「全国でクマの捕獲・捕殺が暴走しています。何とか環境省から、歯止めをかけてもらえませんか。お願いしますよ。絶滅してしまいます」
環境省「各都道府県に任せていますので」

くまもり「イノシシのくくり罠や箱罠に誤捕獲されて殺されていくクマが大量です。兵庫県では、今年、9月末までに43頭ものクマが誤捕獲されています。クマがかかる恐れのあるところでは、かかったクマが逃げられるようなクマスルー檻しか使用してはいけないと指導していただけないでしょうか」
環境省「各都道府県に任せていますので」

くまもり「有害駆除したあとのクマの遺体ですが、有害駆除は狩猟ではないので、猟友会の方にあげないように指導していただけませんか。もらえるとなると、駆除する必要のないクマまでとってしまう人たちも出てきます」
環境省「各都道府県に任せていますので」

くまもり「2004年2006年の大凶作と大量駆除の嵐の中をどうにか生き残ったクマが、今年どんどん獲られています。こんなに大量に有害駆除したのですから、もう今年の11月15日から始まる3ヶ月間の狩猟期間は、クマ狩猟禁止とするように、各県を指導してもらえませんか。でないと、絶滅に結びつくところが、今年、各地で出ますよ」
環境省「各都道府県に任せていますので。秋田は確か自粛するといっていました」

くまもり「さっきから聞いていると、金太郎飴みたいに同じことばかり言われていますが、環境省の野生生物課鳥獣保護業務室大型野生動物係りはクマの絶滅を止めるために何もしないんですね。一体この部署は、大型野生動物のどんな保護業務をするところなんですか」
環境省「・・・・・・・・(無言)」

担当者は個人的にはいい方なんですが、組織の一員としての答えとなると、ハンを押したようにこのような答えになります。日本の行政マンはこうです。私たちがこのような活動を始めて間もない頃、環境省(当時は環境庁)に期待した時期がありました。ほとんどの国民は、今も、以前の私たちのように、勘違いして環境省に期待していると思います。

読売新聞の最近のUSOニュースに、「環境省、ドングリの緊急輸入を決定」というのがありました。おもしろいと思いましたが、実際は、環境省はそんなこと、露も考えておりませんから、国民の皆さん、誤解なく。

国民ひとりひとりが勇気を出して声をあげ動く以外に、クマの捕殺を止めることはできません。同じ思いのみなさん、思っているだけでは、世の中何も変わりません。日本熊森協会の旗のもとに、どうか、お集まりください。

猟友会員からの電話通報

熊森には、仲間の不正を見かねた猟友会員たちからの電話通報が結構あります。多いのが、クマがどんどん有害駆除されているが、殺す必要のないいクマがほとんどだという通報です。クマが高く売れるために、獲る必要のないクマを有害だったと偽ってどんどん獲っている。クマが絶滅してしまう。くまもりなんとか止めてくれという電話です。

これまで何人もの良心的な猟友会員のみなさんに、会いたいといわれてお会いしてきました。驚くべき不正実態をいろいろと教わってきました。日本には鳥獣保護員という制度がありますが、多くの県で鳥獣保護員の実態はオールハンターです。これでは取り締まりが不十分になるのは避けられません。熊森は、このような不正行為をあばく団体ではないので、新聞記者や警察のみなさんにぜひ調査していただきたいです。
 
最近通報してくださった猟友会員の方に、近々、お会いしてこようと思います。

ドングリ運び批判について

連日、「くまもり何をしているんだ。またクマが殺されているじゃないか。助けてやれよ」というお叱りが、本部に入ってきます。実は、食料危機で生きられなくなっている森の動物たちのために、毎日、クリ、カキ、ドングリなどの食料が、くまもりによってクマの生息地にどんどん運び込まれています。調べられるだけ調べて、山の大凶作年に、自然生態系に配慮して進めてきた当協会のドングリ運び。

これまで、このような活動をあまり公表してこなかったのは、対案も示さずに「餌付けをやめろ」「生態系を撹乱させるな」などと、日本の山の生態系に対する無知ゆえに批判する無責任な方たちも一部おられるからです。

2004年に、ドングリ運びを批判された大学の先生がおられました。私達は、研究データを持ってお会いしに行き、数時間、とことん話し合いました。そのときの様子は記録してあります。この先生は、当協会がしっかりとした研究と裏付けに基づき活動している団体だったとは知らなかったと謝ってくださり、「熊森が、日本の森や動物を守りますね」と驚き感心しておられました。私達は、握手をして別れました。

私たちは、ドングリ運びを100点満点だと思っておりません。自然界のことは、わたしたち人間の浅知恵では、わからないことだらけです。もし、より良い方法があれば取組みます。ただ、日本の森の生態系の頂点に位置するクマを失うことは、取り返しの付かない損失であり、森のためにも、人のためにも、何があってもクマなどの大型野生動物を守り残したいと思っています。

批判するのは誰でもできる簡単な行為です。難題だからこそ、様々な立場の方や老若男女が集まって知恵を出し合い、よりよい国に、世界にしていくための努力をしていく必要があると考えます。まずは、当協会の活動に実際に参加してみてください。放置人工林と自然林の違いを肌身で感じてください。そこから、また新しい見解、活動が生まれると思います。

 「森の動物たちに緊急食料援助を!」      10月27日 名古屋市 COP10会場

「森の動物たちに食糧援助を!」「クマと人間共存できる」「水はクマの棲む森から」「2000頭も殺された」「森の動物たちを救え」・・・・

名古屋国際会議場で朝10時から始まる会議に出席する人々に訴えようと、くまもりは初のパレードを実施。みんなで元気一杯、声をはりあげました。読売新聞や日本テレビが取材に来てくださり、さっそく、お昼のニュースでも放映されました。「殺すだけの行政のクマ対応に、日本人であることをやめたくなっていたのですが、声をあげた団体があることを知って、もう、感動です!」本部事務所の電話に、テレビを見た方たちからのうれしい声が、次々と入ってきます。みんな同じことを思っていたんだ。

平日、早朝、思い立ってからの準備期間2日間。人集めまでは全く手がまわらなかったのですが、それでも「ネットを見ました」と、埼玉から駆けつけてくださった方もいて、とにかく日本で初の「クマ救え!」の声をあげることに成功しました。

海外の方たちには、「クマを絶滅から救うための緊急声明」の英語版を配布。NGOの動きがほとんど見えない日本でのCOP10で、日本でも声を上げる勇気あるNGOがいた!みなさん、大変好意的でした。

しかし、一方、今、クマたちが出てきている集落の中には、これまでクマなど見たことない。怖い!と、夜も眠れないほどおびえている人たちがいるのも事実です。どうしたら両者を救えるのか。今年のように山に食料ゼロという大異変が起きたときは、クマたちへの正しい対処の仕方を人々に伝えると同時に、クマたちが集落に出てこないようにするには食料を提供することが必要です。どうしてこんな簡単な子供でもわかることに、行政の方々が気づかれないのか、ふしぎでなりません。

10月26日(火)くまもりラジオ出演

ラジオ関西  午後4時:30~4:45 「時間です!林編集長」
         出演 白川勝也 (日本熊森協会調査研究部)

毎日放送ラジオ 午後9:30~10:00 「たね蒔きジャーナル」
           出演 清野和彦 (日本熊森協会調査研究部)    

10月27日午前9時「クマを救え!緊急集会」ー 名古屋市白鳥公園くまもりブース前に集まろう ー

連日、全国でクマの大量捕殺が暴走しています。
国民は胸を痛めながらも、どうしていいのかわからずにいます。
これではいけない。
殺さない解決法があるのですから、勇気を出して、
みんなでNO!の声を上げようではありませんか。

くまもりとして、こんなことは初めてなのですが、
屋外集会を緊急に企画しました。道行く人たちに、
「森の動物たちに、緊急食料援助を!」と呼びかけます。

このままクマたちを見殺しにしておけない人は、
マスコミが取材して、日本中に私たちの声を伝えて
くださるように、各自、工夫してお集まり下さい。

集合:10月27日(水) 午前9:00 
場所:名古屋国際会議場南 堀川沿いに南下下さい
    COP10生物多様性交流フェア内くまもりブース前 
(愛知県名古屋市熱田区熱田西町 白鳥公園
地下鉄名城線「西高蔵」駅2番出口より 徒歩5分
   地下鉄名港線「日比野」駅1番出口より 徒歩5分)
   アクセス→http://www.cop10.jp/fair/access.html

10/25 あと4頭?愛知県のクマが、イノシシ罠に、また誤ってかかる 

残り推定6頭の愛知県のクマが、イノシシ檻に次々と誤ってかかっていきます。写真は6月7日に、人工林率81%の愛知県設楽町で、イノシシ檻に誤ってかかった愛知県のクマです。熊森は、誤捕獲ですから、規定どおり、その場ですぐに放獣してやってくれるように地元行政にお願いしました。現場は民家から1キロ離れたところで、放獣場所にぴったりの良いところです。しかし、設楽町の鳥獣担当者は、射殺を主張します。

熊森は、本部からの数名に愛知県会員らが加わって、現地に駆けつけ、数時間に及ぶ交渉を行いました。しかし、鳥獣担当者は、主張を変えません。一刻を争う命の問題です。私たちは環境省に訴えました。

環境省担当者の返答——–クマの駆除許可権限は、都道府県におろしてありますから、愛知県に言ってください。

愛知県担当者の返答——-クマの駆除許可権限は、市町村におろしてありますから、設楽町に言ってください。

設楽町担当者の返答——   何があっても町内での放獣は認めません。(個人的には、放獣してやりたいというやさしい気持ちがあっても、組織の一員としては、上部の指示には逆らえない。つぶれそうになるほど担当者は苦しまれていました)

わたしたちは、放獣場所を必死で探しました。

設楽町段戸裏谷原生林(国有林)の管理責任者の返答—ここは、子供達の森林学習の場でキャンプ場になっていますから、絶対にクマの放獣は認めません。

こうして、このクマはとうとう放獣してもらえませんでした。

日本は、野生鳥獣の保護体制など無きに等しい、信じられないような国です。国民は、まさか、こんな国とは思いもしていないでしょう。環境省があるから大丈夫。県庁の自然保護課が、きっと自然を守ってくれている。みんな、以前のわたしたちのように、善意の勘違いをしています。国民が守らなければ、クマ1頭だって守れない国なのです。

10月中旬、愛知県豊田市で、また、イノシシの箱檻にクマがかかり、即、射殺されました。

10月25日、愛知県豊田市で、また、イノシシの箱罠にクマがかかりました。熊森本部は、今度こそは自然界に戻してやろうと、朝から総力をあげて動きましたが、クマが暴れて檻が壊れる恐れがあるとして、射殺されました。檻が壊れたら壊れたでいいではないですか。熊森が弁償します。命の方が大切です。

ほとんどの国民は、動物たちの命を助けてやりたいのに、現実は次々と殺されていくだけなのです。これが、日本の実態です。これで、愛知県のクマ推定生息数は、あと3頭となりました。愛知県では、絶滅危惧種のクマをいまだに狩猟対象獣にしたままです。子どもたちが、この国の現状を知れば、あきれ果てることでしょう。

国も県も町も守らない。このままでは愛知県からクマが消える。県民の皆さんが声を上げる以外に、守れない。熊森は次回から、ある決意をしました。県民の皆さんにも、応援していただきたいと思っています。第一、イノシシですが、人間が、動物たちの棲めないスギだけの山にしておきながら、里に出てきたイノシシに対しての対応は殺すだけというのも、人間として、どう考えてもおかしいと思うのです。

後日談:このブログを読まれて、設楽町に電話された方に、担当者は、イノシシ罠への錯誤捕獲ではなく、クマの有害駆除だったと、事実ではないことを伝えたそうです。このようなごまかし手口は、本当にいけません。

追記:このクマは飼育を申し出た方にひきとられました。

10/25 くまもり緊急記者会見兵庫県庁記者クラブ

兵庫県は、日本熊森協会の本部がある県です。マスコミの協力を得て、なんとか、兵庫県から、くまもりが、クマ捕殺一辺倒で荒れ狂っている今の全国の行政、地元を、祖先が行ってきた本来のクマと共存する国にもどしていかねばならない。そうすることは、クマをはじめとする動物たちのためでもありますが、動物たちが造る豊かな森から清らかな水を得て暮らしている、わたしたち人間のためでもあるのです。

森山会長は、集まってくださった記者の皆さんに、必死で訴えました。

絶滅危惧種が連日殺されていくという大変なことが起きているのに、どうして兵庫県ではクマ問題が記事にならないのか。以前、クマが出たという記事は絶えず出ていたが、熊森が新聞を見ては現地に飛んでいくようになってから、記事が出なくなった。行政からの圧力があったのか。クマ問題は、日本に森が残せるかどうかの、とても大切な問題なので、ぜひ、書いてほしい。

他県のマスコミを見ていると、柿の木に登ってカキを食べているクマを撃ち殺したり、クマを追い掛け回したりするような残酷で刺激的な報道がほとんどだ。このようなものばかりだと、そのような対応が普通になっていく。日本人が狂ってしまう。マスコミの責任がとても大きい。こんな山の大凶作年でも、クマたちを殺すことなく、食料を提供して分かち合い、共存していこうと努力しているあたたかい集落が、日本中に兵庫県にもたくさんある。こちらこそ報道すべきだ。

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