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2011-08

生前の平井憲夫さんと行動を共にされていた方からの電話

25年前から、生前の平井憲夫さんと共に、原発の真実を国民に伝えんと全国を回っておられたジャーナリストの方がおられたそうです。この度、本人から熊森本部に電話がありました。今、平井さんのことなど、本にまとめられているそうです。出版されたら、是非読んでみたいですね。平井さんは、被爆して体がぼろぼろになっておられたそうです。

胸痛む札幌市旧定山渓熊牧場のヒグマの窮状

ハマノホテルズ(札幌)が閉園後も飼育を続けている定山渓熊牧場」(札幌市南区定山渓)のヒグマたち(1997年には100頭いたが、なぜか現在は雄4頭、雌9頭の計13頭)が、劣悪な環境で飼育されていると動物保護団体から指摘されていた件で、札幌市は8月25日午前、動物愛護法違反の恐れがあるとして、同牧場に立ち入り検査した。

このニュースがテレビで放映されると熊森会員たちから、何とかこのヒグマたちを助けてやれないかという問い合わせが相次いだ。動物保護団体によると、全国のクマ牧場はどこも多かれ少なかれ、クマたちにとっては地獄のような場所であるとのこと。ハマノホテルズの責任はもちろん追及されねばならないが、監督すべき行政庁は何をしていたのかと思う。

クマは「動物の愛護及び管理に関する法律」の特定動物に指定され、自治体は飼育の許可や飼育方法などの指導を行うことになっている。許可は5年ごとで、札幌市は07年に26頭の飼育を許可していた。今回の検査で以前から指摘されていた問題点が改善されていなかった場合は、札幌市は同牧場の管理者に対し、あらためて文書で改善指導を行う方針とのこと。

北海道には残念ながらまだ当協会の支部がないので、ただちに動ける状況ではないが、北海道会員のみなさんで行ける方は現地を見てきてほしい。ハマノホテルズ(札幌)や札幌市が今後どうしていくのか、全道民全国民で注視していきましょう。

それにしても、クマだけではなく生き物へのやさしさを日本人が失いつつある。恐ろしいことだ。このままでは、日本人がダメになってしまう。

太陽エネルギーを熱のまま利用する

連日の暑さである。当分日陰で息をひそめてやり過ごすしかない。3・11以降、熊森は自然保護団体として、エネルギー問題に対する考察を避けて通れなくなっている。
この地球に降り注ぐ膨大な量の太陽エネルギーこそ、自然エネルギーの筆頭である。兵庫県は、今国会で成立見通しの「再生エネルギー特別措置法案」も視野に入れて、来年度以降、県民出資による太陽光発電モデル事業に乗り出すそうだ。

それはそれでいいのだが、ここで、広瀬隆氏の興味深い指摘を、会員の皆さんにご紹介したい。まず、私たちは家庭で、電気エネルギーを何に使っているかである。以下のグラフは、資源エネルギー庁が2010年に発表した2008年のデータである。

なんと、家庭での年間電力消費の62%は、電気を熱エネルギーに変換しての利用だ。

エネルギーは、別のエネルギーに変換させるたびに膨大なロスが出る。(ちなみに、原発では、原子力で発生させた熱エネルギーの70%が海に捨てられ、残りが電気などになっているという事だ。)

家庭での電気利用を考えるとき、特に、給湯の30%だけでも、太陽熱を熱としてそのまま利用すれば、大節電になる。太陽熱⇒電気⇒熱よりも、太陽熱⇒お湯の方が、太陽エネルギーを数倍有効に使ったことになるそうである。価格もぐんと安くなる。

家庭用太陽光発電システム200万円⇔太陽熱温水器(屋根に水入れタンクを置いて太陽熱で直接温める)30万円

昔ながらの、屋根に黒塗りの水タンク。素朴なようでも、こういうのが一番安全ではなかろうか。東電福島原発事故後、注文が殺到しているという事で、うれしい。

66年前戦争に負けたことと54基の原発設置がどう関連するのか 船瀬俊介著「原発マフィア」が国民に教えてくれること


私たちは日本の森や森の動物たちを守ろうと悪戦苦闘してきた。一生懸命だった。しかし、3月11日以降、放射性物質という私たちの力ではどうしようもないもの、五感では感知できない得体のしれないものが私たちの守ろうとしていたものの上に降り注ぐようになった。

一説には、東日本はもちろん静岡あたりの山も、もう当分は危険だから入らないほうがいいという。万事休すだ。しかも、森や動物だけではなく、私たち人間の身体だってこの先どうなっていくのかわからないのだ。この前の台風で、福島原発からの放射性物質が全国に拡散されたという。

このところ、全くもって不可解なのは、「フクシマ」を忘れたマスコミ報道である。国・企業・御用学者たちのいう「原発安全神話」を国民に垂れ流してきた反省はないのか。また今、同じ国・企業・御用学者たちのいうことを垂れ流しているだけの報道ではないか。何の危機感もない。どうしようもない事態を生み出しておいて、「がんばろう福島」なんてなぜ言えるのかわからない。本当は、海にも、地下水にも、土にも、牛だけではなく全ての生物にも、大変なことが起きているはずである。福島県の小学生の1割が県外に転出したそうだが、大変なことだ。

さらに理解できないのは、あれだけ国民をだましてきた新聞やテレビの報道に、また国民が今も疑いもなく耳を傾けて安心していることである。

もっと理解できないのは、原発事故を見事予測していた一部の良心的な学者たちが、「本当は原発なんていらない。日本の電力は足りている」と言っているのに、原発利権に群がってきた電力会社たちが流す「原発を推進しなければ日本の産業が壊滅する」という言葉を信じて、「原発やむおえなし」といまだに唱える人たちがいることだ。自然保護団体の中でも、原発問題に口をつぐんでいる所が多い。明日にでも大地震が起きるかもしれない。新たな原発が事故を起こしたら、どうするのだ。放射性物質が降り注いで来たら、どうやって自然など守れるのか。この問題には一刻の猶予もない筈だ。

こんな中、左でも右でもないリベラリスト船瀬俊介氏が書かれた「原発マフィア」を読んだ。そうだったのか。謎が次々と解明されてきた。日本は66年前、戦争に負けてアメリカに占領されたのは知っていたが、今も属国だったのだ。そういえば、独立記念日はいまだにない。世の中の問題は日本だけで考えていてはわからないが、アメリカとの関係で見ればわかってくる。

私たちは、自然保護団体なので、森や動物のことは全力を挙げて調べているが、他の分野のことはそこまで調べる余裕も力もない。よく調べておられる人たちの本をいろいろ読んでみることだ。「原発マフィア」全国民必読の書として推薦したい。

2010年ヨーロッパが風力発電から撤退を始めた  武田恵世著「風力発電の不都合な真実」

2011年3月20日に㈱アットワークスから出版されたこの本を、風力発電はエコと信じておられる方々にぜひ一読して頂きたいと思います。

三重県伊賀市で歯科医を開業されてる著者武田博士は、ナチュラリストです。初め、風力発電はCO2を排出しない環境に優しい自然エネルギーだと信じて、出資まで考えられたほどの風力発電推進派だったのです。しかし、色々と調べていくうち、実態は全く違うことが分かって来られました。

世に出回っている情報はウソだらけだったのです。例えば、尾根に建てられた鉄の塊、風車は雷の格好の餌食です。(なるほどねー) 落雷が相次ぎ、現在つぶれている風車がたくさんあるそうです。でも、業者は直そうとしません。建設時の補助金が欲しかっただけで、発電能力など誰も期待していないからです。

風力発電と言えばヨーロッパ、デンマーク・・・しかし、風力発電は自然を破壊し、様々な公害を生むだけで、CO2の排出抑制もできないことがわかってきました。ヨーロッパが風力発電から撤退を始めたという情報は注目に値します。

真実を知りたくない人もいるでしょうが、知らないことは罪と思える1冊です。 

尾根への風力発電は大自然破壊 静岡県竜頭山風力発電風車41基事業計画の中止を求める

わたしたちは静岡県浜松市天竜川東の佐久間町に294ヘクタールの奥山トラスト地を持っています。この山は、以前静岡テレビの社長さんが持っておられた山を買い取ったものです。

この山の尾根から始まって、北の竜頭山一帯の尾根に風力発電用41基(地図上黒丸印)の風車を設置する計画が立てられました。2008年に㈱電源開発から、地権者として建設に同意してもらいたいという要望を受けました。

山の命である尾根をつぶして、100m×100mのコンクリートの風車土台を41基造れば、山は万里の長城のように永久に破壊されて取り返しのつかないことになってしまいます。騒音公害などで、森の生き物たちも生きられなくなってしまいます。尾根での風力発電はエコなんかではなく、大自然破壊なのです。

しかも、色々と調べていくうち、風力発電には、実際に発表されている発電能力などほとんどなくオモチャのようなもので、41基そろって初めて少しだけ電気が得られるというものにしかすぎず、企業の本音は「建設時に出る国からの補助金が欲しいだけ」であることがわかりました。

わたしたちが建設を断ったことにより、この計画はとん挫したものと思い込んでいました。今、国会で、「再生エネルギー法案」が可決されようとしてしています。不安になって、㈱電源開発の東京本社に問い合わせたところ、この計画は中止になっておらず、まだ生きているという事でした。

原子力発電と同じく風力発電も、調べれば調べるほど、世に出ている情報はウソだらけです。わたしたちはいくらお金を積まれても、この計画を阻止する決意です。
全国の皆さん、静岡の皆さん、浜松の皆さん、応援して下さい。

近代科学の盲点

以下、新潟大学大学院医学部安保徹教授著:「免疫革命」より

医学も科学も今、分析的な研究が主流になっています。医学の最先端と言えば、ゲノム、分子の研究です。わたしの見るところ、研究者たちは、どんどん微細な方向へと分析を進めていけば、いつか全体像が明らかになってくるのではないかという希望的観測を胸に、分析的研究に熱中しているのではないかと思います。

ところが、現実はといえば、分析を続ければ続けるほど、さらにもっと細かい分析が必要な研究に進むばかりで、全体が見えるということがありません。つまり、そこが、近代科学の盲点だったのだとも思えるのです。

医学も含めた科学の進歩は、常に微細なものを求めて進んできました。組織が細胞になり、細胞が分子になり、分子から原子や電子となり、さらには原子を構成している素粒子に移って行ったわけですが、だんだん全体像とかけ離れていくばかりです。

野生動物に手を付ける学術研究はやめるべき

日本熊森協会を結成してから14年。善意の方々から「日本の森や動物をめぐる状況は、少しは良くなってきましたか」ときかれるのがつらい。良くなるどころか年々悪化していく。今、人類の向かっている方向が、自然を守る方向と正反対であるからだ。わたしたち熊森の活動は、状況悪化のスピードを、かすかにほんの少し遅らせているだけにすぎないというのが実感である。

そんな中、当初からずっと感じていたことがある。野生動物に手を付ける学術研究が、野生動物の絶滅に拍車をかけるということだ。人間の、知りたいというあくなき欲望は、とどまるところを知らない。しかし、研究対象が野生動物であった場合、研究には一定の歯止めがかけられるべきである。すなわち、研究対象物に手をかけてはならないということである。捕獲して麻酔薬を注入し、論文のデータ用にと1本であっても歯を抜き、発信器を付けて苦しめ、追いかけ回すなどの負担をかけてはならない。相手は人間と同じように、命も感情もある生き物である。そっと見守り、彼らの生息環境を改善してやるしか、絶滅を止める方法はないと考える。

人体実験なら許されないことでも、相手が野生動物なら許されるという最近の若い研究者たちの発想の裏には、野生動物達への蔑視がある。このような考えがある限り、共存になど成功しないだろう。

2007年成立「鳥獣被害防止特措法」の広葉樹林育成条文への予算は毎年ゼロだった

「鳥獣被害防止特措法」第十八条
国及び地方公共団体は、人と鳥獣の共存に配慮し、鳥獣の良好な生息環境の整備及び保全に資するため、地域の特性に応じ、間伐の推進、広葉樹林の育成その他の必要な措置を講ずるもとのする。

上の一条は当時、国家としてまるで日本の野生鳥獣のホロコーストやジェノサイドをめざすつもりかというような狂気の法案「有害鳥獣特措法」(元の法案名)に対して、「この法案はあまりにも非人間的である。鳥獣による農作物被害問題の解決は人間が壊した彼らの生息地を復元してやるという根治療法が入らなければ解決しない」として、当協会の主張に理解を示してくださる国会議員の皆さんの協力を得て、やっとのことで入れてもらったものです。

この度、農林水産省、林野庁に、「これまでいったいこの条文に依る森の再生に予算がどれくらい使われたのか」確認すると、ゼロであることが分かりました。ゼロ?!なんとか条文に人間としての良心を一部入れ込むことが出来たとしてほっとしていた私たちですが、これでは全く意味がなかったわけです。これが、人事権を握られている為、表向きは政治家に頭を下げて従っているように見える日本の官僚の抵抗方法ですね。国民が選んだ政治家の決めたことに従う気などなしという事は、国民を尊重などしていないという事です。

教訓:法律の条文と実施するとは違う。条文通り施行されているかどうか、どこまでもチエックし続けなければならない。

鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律

兵庫県トラスト地の人工林部分の強度間伐開始

8月10日、兵庫県戸倉トラスト地120ヘクタールの入り口にあるクリの木に、青い実が沢山ついていました。

このトラスト地はほとんどが天然林ですが、山の下の方に10ヘクタールほどスギ人工林の部分があります。公的補助金で森林組合に間伐をしてもらおうと、行政に願い出ておりましたが、いったんは受け付けてもらえたものの、結果的にはできないと断られました。

うれしいことに、今年、本部職員に林業経験者が入ったので、人工林を天然林にもどすための6割間伐がチェンソーを使って少しずつ進みだしました。

当協会の会員の中には、森林組合に勤務されているなどで他にもチェンソーを使える方々がおられます。これから皆さん方にも手伝ってもらって、熊森の力で、トラスト地の人工林部分の広葉樹林化を進め、全トラスト地を動物たちの生息地にもどしてしまおうと思います。
みなさん応援して下さい。

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