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年末にあたって 

年末にあたって、人類初、4基もの原発が同時事故を起こしたという福島原発大事故で被災し、いまだに救われていない人々、ペット、家畜、野生動植物、自然界に思いを馳せています。

 

「原発を稼働させないと、日本経済は持たなーい」

「福島より、もっと安全な最新式原発を造るので、原発新設を認めてくださーい」

新聞やテレビなどの大手メディアが、いまだ福島原発事故処理のめども立っていないのに、連日、原発の必要性を説く人たちの声を無批判で報道し続けています。すると、どうでしょう。善良な、日本国民は、

「そうなのかな。やむを得ないのかな。新式だと安全度も高いだろうから、いいかもしれない」

と、一部の人たちが、もう、ゆらぎはじめてきたように見えます。

 

ちょっと待ってください。3・11から約2年。この間、どこまで深くどんな方法で原発問題を自分のこととして勉強してきたか。それによって、脱原発派であっても、各自、ゆらぎ方に違いが出て来ると思われます。

 

わたしたち熊森は、日本の森や野生動物を守る自然保護団体として、原発事故で大打撃を受け、必死で勉強して来ました。現在、関東以北は、山の線量が高くて、わたしたちは山に入れません。しかも、山の線量は横ばいで、減る兆しがありません。線量を下げる方法は全くないということです。

 

この度、74号会報で、お知らせさせていただきましたが、熊森は、福島県国見町のみなさんと、動物の棲める森復元広葉樹植樹会を、2009年2010年と、宮城県で行ってきましたが、現在、現地の山は線量が高くて、一般人立ち入り禁止となっています。広葉樹植樹会再開のめどは全く立っていません。野生動物たちの被曝量も高くて、妊娠中の動物もいます。どんな影響がでるのか、不安でいっぱいですが、予測もつきません。これでは、わたしたちは自然保護活動が出来ません。

 

事故が起きない原発ならいいでしょうと言われても、人間のすることには、必ずミスがあります。しかも、万々一、事故が起きなくても、原発を動かすたびに出て来る膨大な放射性廃棄物の処理方法が全くないのです。10万年~100万年間も保管しなければならない危険な核のゴミですでにいっぱいで、捨てる所が無くて困っているのが日本の現状です。あらゆる処理法を検討した結果、地中に埋めるしかないそうですが、地殻変動が起きることを考えると、あまりにも未来に対して無責任です。

 

熊森は自然保護団体であるゆえに、最大の自然破壊となる戦争という紛争の解決方法と、処理法のない放射性廃棄物を次々と生み出す核エネルギーの使用を認めないことを再確認して、2012年度のブログを終えたいと思います。

 

 

 

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