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絶滅危惧種、神奈川県丹沢山地のクマ、なぜ今年すでに殺処分2頭目なのか

以下、報道記事(カナロコ、6月30日)より

 

大山では6月19日から、大山ケーブル駅周辺や女坂などでクマの目撃情報が相次いでいた。県と市が合同で花火で驚かすなどして追い払ったが、そのたびにクマは戻ってきた。神奈川県と伊勢原市は大山の大山寺近くの山中に箱わなを仕掛け、かかった若い雄のツキノワグマ1頭(体長123センチ、体重47.5キロ)を、6月29日、住民や登山客を襲う恐れがあるとして殺処分した。

 

丹沢では5月14日にも秦野市名古木の弘法山周辺のハイキングコース近くで、くくり罠に誤捕獲されていた雄のツキノワグマ1頭を殺処分している。丹沢のツキノワグマは2013年の調査で40頭前後と推計されており、県から絶滅危惧種に指定されている。

 

熊森本部は神奈川県行政担当者に電話で聞き取りを行いました。

 

熊森:絶滅危惧種をなぜ殺処分したんですか。

 

担当者:追い払いをしても、逃げなかったクマだからです。

 

熊森:どんな追い払いを、何回くらい行ったんですか。クマがいたのはどんな場所ですか。

 

担当者:県と市と猟友会の総勢5名で、花火を使って2度追い払いました。場所は丹沢山の麓~中腹の山の中の道路脇です。クマは昼間から出て来ており、観光地ですから危険な状況でした。このクマは人間への警戒心が非常に少なく、職員が5mくらいの距離まで近づいても、クマは無反応でした。

 

熊森:クマは、その時、何をしていたんですか。

 

担当者草のようなものを食べていました。

 

熊森:丹沢山のクマの生息地は、スギやヒノキの人工林でいっぱいじゃないですか。やっと見つけた物を食べているクマは、周りが見えないくらい夢中になっているんです。

 

担当者それは知らなかったです。

 

熊森:こういう時は、専門家の方を呼んでください。クマの習性を知っておられるので、もっと効果的な対応を取られ、駆除対象にはしなかったと思います。人間が近づいても逃げなかったクマは、捕獲して殺処分して良いなど、むちゃくちゃです。

 

担当者:専門業者は、錯誤捕獲のクマを放獣するときだけ来てもらっています。

 

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熊森:丹沢山地のクマは、なぜ、絶滅危惧種になったのか。山に十分な餌がないから、増えられないんです。今回のクマは、そうした中で、わずかに残っている餌場を探し当てて、必死で食べていたんです!観光客を立ち入り禁止にして、このクマが草を食べ終わるまで、なぜ見守ってやれなかったんですか。クマは草を食べながらも、耳を立てて行政の皆さんがおられる方向を警戒していたはずです。

神奈川県の前任者は、クマを殺さないと宣言して、色々な対策をとられていました。担当者が変わると、急に対応が変わるのですか?

 

担当者:変わっていませんよ。今年、養蜂箱がクマに荒らされる事態がありましたが、捕獲せずに、電気柵を設置して対応しましたよ。電気柵は効果がありました。

 

熊森:どうか、生き物を簡単に捕殺しない神奈川県であってください。

 

熊森から

神奈川県は、放獣業者にクマの放獣を委託したり、被害防除対策にも精力的に取り組むなど、これまでクマ保護先進県でした。

しかし、すでに今年に入ってすでに2頭も殺処分しています。これ以上殺処分しないように、生息地を復元するように、声を届ける必要があります。

神奈川県環境農政局自然環境保全課 野生生物グループ
電話:045-210-4319
FAX:045-210-8848

自然環境保全課へのお問い合わせフォームリンク

 

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