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人類のせいで「動植物100万種が絶滅危機」IPBES

熊森は、以下の報告書を地球上の全人類が、何度も何度もかみしめて読まねばならないと思います。

全世界の学校で、この報告書を授業に用いなければならないと思います。

地球環境保全のためではありますが、とりもなおさず、人類が生き残るためでもあるのです。

 

BBCニュース5月7日より

 

人類のせいで「動植物100万種が絶滅危機」IPBES

 

国連環境計画(UNEP)主催の政府間会合は6日、人類が陸海空で自然環境と生物多様性に壊滅的な打撃を与えていると警告した。

 

世界132カ国の政府が参加する「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム」(IPBES)は、人類の活動によって約100万種の動植物が絶滅危機にさらされていると警告する、報告書を発表した。

 

自然環境は地球上のあらゆる場所でかつてない速度で衰退しており、その最大の原因は人類の食糧とエネルギー需要が拡大し続けているからだという。

IPBESは、この衰退の動きは食い止めることができるものの、それには人類の自然の関わり方が全面的かつ「抜本的に変化」する必要があると結論している。

 

1800ページに及ぶIPBES報告書は、1万5000点の資料を3年間にわたり研究調査したものの集大成。私たちの農作物を受粉するハチ、土壌に水を蓄え洪水を防ぐ森林など、人間の活動が自分たちの社会を支える自然環境そのものを破壊している様子を、報告書は明らかにしている。

「政策決定者のため」として、パリ会合で発表された40ページの要約は、この地球しか住む場所のない人類がいかに地球を荒廃させてきたか、かつてないほど強力に糾弾している。

確かに歴史上、人類は常に地球環境に影響を与えてきたものの、かつてはかすり傷に過ぎなかったものが、過去50年の人間活動によって地球環境が負った傷は極めて重傷で深刻だと要約は指摘している。

1970年以来、世界人口は倍増し、世界経済の規模は4倍に成長し、国際貿易の量は10倍に増えた。この膨れ上がる人類に十分な食料と衣類とエネルギーを与えるため、各地で森林が驚くほどのペースで切り倒されてきた。特に熱帯地域の森林が、とてつもないペースで減少している。

 

1980年から2000年の間に失われた熱帯林の面積は、1億ヘクタールに及ぶ。南米での牧畜と東南アジアのパーム油生産が、その主な原因だ。

森林よりさらに破壊の度合いがひどいのが湿地帯で、1700年にあった湿地帯のうち2000年にも残っていたのは13%に過ぎない。

各国で都市部は急速に拡大し、都市地域の面積は1992年から倍増した。

人類のこうした活動によって、かつてないほど大量の生物種が死滅している。

 

報告書によると、動植物の25%の種が絶滅の危機にさらされている。

昆虫への地球規模の影響は分かっていないが、地域によって昆虫が急速に激減している様子は詳しく記録されている。

様々な現象を総合して、IPBESは約100万種の動植物が数十年のうちに絶滅すると警告。この絶滅のペースは過去1000万年の平均より10倍から100倍速いという。

報告書の統括執筆責任者の1人、米ミネソタ大学のケイト・ブラウマン博士は、「生物多様性と自然が本当にかつてないほど衰退している様子を記録した。衰退のペースや脅威の規模という意味で、人類史上このような現象はまったく前例がない」と指摘する。

 

「すべてを並べてみたとき、生物種の衰退があまりにひどくて、自然環境が人間に与える恩恵がどれほど失われるかを見て、衝撃を受けた」と博士は言う。

報告によると、地球上の土壌もかつてないほど劣化しているため、地表の生産性は23%も後退しているという。

人類の飽食によって巨大なゴミの山が積みあがっている。プラスチック公害は1980年から10倍に増え、私たちは毎年、3億~4億トンのもの重金属や溶剤、有毒ヘドロなどの廃棄物を地球の海や河川に投棄している。

 

この危機の背景は

報告書によると、これほど多くの生物を絶滅の危機にさらしている要因は複数あるが、土地利用の変化が主要因だという。

要するに、草原を集約農業の耕作地に切り替えたり、原生林を農園に変更したり、耕作のために森林を伐採したりする活動を意味する。こうした土地利用の変化は世界各地で、特に熱帯地域でさかんに行われている。

1980年以来、農業生産拡大の半分以上は原生林の破壊によって実現した。

 

熊森から

日本における多くの生物の絶滅の危機の最大原因は、林野庁が行った戦後の拡大造林政策によって、680万ヘクタールにも及ぶ広大な原生林が皆伐され、林業でもうけるためにスギやヒノキの人工林に造林されて放置されたこと、人口の爆発増加、国民の食事の肉食化などによってもたらされたと思われます。

しかし、何と言っても最大の原因は、国民の自然環境保全への無関心と他生物への共感の欠如、声を挙げる勇気のなさでしょう。

若いみなさんに期待したいです。

ひとりではむずかしい。若いみなさん、熊森協会に入会して、みんなで声を挙げましょう!

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