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中檻を外し、プールも解禁 大阪府元野生グマ「とよ」しばらく両後肢の様子を見ていきます

昨年夏、突如、原因不明で両後肢マヒとなったとよ。

一時は再起不能かと思われるほど大変でしたが、お世話隊の熱い介護を受けて、1か月後、再び四つ足で立てるようになりました。

しかし、足取りはおぼつかなく、獣医さんからは、運動制限のアドバイスをいただきました。そこで、獣舎内に中檻を設置して、鉄格子に登ったり、プールに入ったりできないようにしてきました。

 

今年の冬ごもり明けから、毎週お世話日に来てくださるボランティアさんたちや日々エサやりに行ってくださるパートさんたちと皆でとよの後ろ足の動きを観察してきました。おかげさまで、まだ完全ではありませんが、ふだん両後肢を使って歩けるようになっています。

 

プールの中に階段を造る、スロープを付けるなど、とよの足に合わせたプールの改造計画を、これまで何パターンも考えてきましたが、わざわざ改造しなくても、今の足ではもう自力でプールに出入りできるのではないかという結論となりました。

一刻も早く大好きなプールに入れてあげたい。

 

その機会を、ずっと考えてきました。5月31日、小雨の中、ついに狭い中檻を外してやり、10か月ぶりに大好きなプールも入ることができるようになりました。プールの内側にあく抜きブロックを積んで階段を造っただけで無改造です。

 

 

 

 

 

 

 

 

中檻外し、作業開始

 

中檻を外し終わる

 

広くなった獣舎にとよを出しました。

とよがどんなに喜び感激するだろうかと思い、みんなでその瞬間を撮ろうと、カメラとビデオを構えました。

しかし、寝室から出てきたとよは、ミズを食べることに夢中で、獣舎が広くなったことや、プールにきれいな水が張られていることを見ようともしません。「あれえっ」。一同期待外れでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

ミズを食べるのに夢中のとよ

 

とよが、プールを見ないようにして避けているのが、ありありと伝わってきます。

昨年、両後肢が悪かった時、大好きなプールに入ったものの上がることができなくなって、もがき続けた怖い経験を思い出したのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

お世話隊のボランティアたちに、自ら顔を近づけて嬉しそうに寄っていくとよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お世話隊の皆さん、いつもありがとうございます。

 

とうとうこの日は、とよは広くなった運動場を見てクンクンにおいをかいでまわっただけで、プールにも入らず、獣舎の鉄格子にも登りませんでした。

帰り際に、副住職さんに報告すると、「なに、今日は気温が低いからねえ。気温が上がってきたら入るよ」と、全く気にされていない感じでした。お世話隊の私たちは心配し過ぎなのかもしれません。しばらくは、この環境でのとよの足の様子を見ていきたいと思います。(完)

 

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