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マゲシカ生存に国民が意見を届ける最後のチャンス 6月2日締切 多数の意見が必要

防衛省は4月20日、鹿児島県西之表市馬毛島基地化(米軍+自衛隊)をめぐる環境アセスメントの第3段階である「準備書」を発表しました。

基地化が進む馬毛島

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マゲシカ

 

それによりますと、事業実施区域は718ヘクタールで従来通りですが、フェンスで囲む基地面積が415ヘクタールに縮小されていました。「マゲシカの生息環境確保のため」、訓練区域を基地のフェンス外に設定することにしたのだそうです。まず第一弾、良かったです。

 

防衛省によると、工事期間中は資材置き場や仮設プラントを造るため、島の6割に当たる497ヘクタールをアスファルトで覆うなどし、完成後は基地敷地の415ヘクタールをフェンスで囲い、外側の82ヘクタールはマゲシカが生息できるよう芝を張るとしています。ウーン、この間マゲシカは生き残れるだろうか。

 

【図】馬毛島基地(仮称)のイメージ。アセス方法書と準備書との違い

 

シカは草原の動物ですが、正確に言うと林縁の動物です。暑い日差しや嵐から身を守る森林も一部必要です。島中央の小高い森や、豊富な湧水の部分の保全は必須です。

 

どの部分を残せばマゲシカが生き残れるかは、長年マゲシカを研究してきた研究者でないとわからないと思います。熊森は今回、防衛省に、北大の立澤史郎先生に20年ぶりに入島許可を出していただき、まず現在の馬毛島の調査をとお願いしたのですが、残念ながら、許可がおりませんでした。理由がわかりません。

 

尚、今回の準備書によると、マゲシカは遺伝子的に馬毛島固有のシカではないという初記述があります。大昔は種子島のシカと同じものであったとしても、長い年月孤立している間に、馬毛島と種子島のシカに違いが生じた場合、それを固有種とするかしないかは、学者の見解が分かれるところだと思います。そういう問題は学者のみなさんにお任せすることにして、自然保護団体である熊森としては、今いる個体群をなんとしても存続させることをめざしていきたいと思います。

 

大規模な開発を行う時に義務付けられている日本の環境アセスメントは、配慮書、方法書、準備書、評価書の4段階あり、委託された業者が実施します。

国民が意見を届けられるのは今回の準備書が最終です。

前回の「方法書」の時を上回る500通以上の意見が寄せられる必要があります。

 

5月10日に西之表市で実施された地元説明会では、参加した約100名の市民から、騒音や生態系への影響予測についての懸念や不信の声が相次いだそうです。絶滅危惧種のマゲシカへの影響を心配する声も多く出たとのことです。

 

一人でも多くの国民の声を届けることが必要です。ぜひ、みなさんに、基地設計には立澤先生と防衛省の協議が必要との意見を出していただきたいです。草地造成にあたっては外来種を入れないこと、森や湧水の部分を最大限残すことを要望してほしいです。よろしくお願いします。

 

◆意見書の 提 出 先:〒862-0901熊本市東区東町1-1-11
熊本防衛支局 建設計画官様
TEL:096-368-2173 FAX:096-368-6970(平日午前9時から午後5時まで)
電子メール (ks-km-tyoutatsu@kyushu.rdb.mod.go.jp)
◆提出期限:令和4年6月2日(木)まで
◆意見書の提出に必要な事項:
1.氏名及び住所
2.意見書名:馬毛島基地(仮称)建設事業に係る環境影響評価準備書について
3.準備書についての環境の保全の見地からの意見(理由を記載すること)

3000ページに及ぶ準備書の中で、マゲシカに関するページは以下です。
クリックで大きく鮮明になります。ご参考に。

 

 

 

 

P.S
当協会は自然保護団体なので、基地化についての意見は控えさせていただきます。
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