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●猟友会員の内部告発から  長野県ではシカ捕獲用くくり罠12センチ規定を上限なしに規制緩和、実に多くのクマが次々とかかって秘密裏に処分されている

今年も各地の猟友会員から、見るに見かねた内部告発がいろいろと熊森に入ってきています。

そのなかのひとつ、見出しの件で、さっそく長野県庁野生鳥獣対策室に電話をしてみました。

 

熊森:環境省のくくり罠直径12センチ規定は、イノシシ罠やシカ罠にクマが誤捕獲されないように、私たち自然保護団体が、本当に苦労してやっと勝ち取った成果なのに、長野県では上限なしに規制緩和されているんですか。がっくりです。

 

長野県担当者:上限なしと言っても、罠の構造上最高は直径20センチまでですから、直径20センチまでの罠を認めたということです。足が罠にかかったら直径4センチまで締め付けた時点で、ストッパーがかかるようにしてあります。

 

熊森:直径4センチでストッパーがかかるということは、強力バネで締め上げますから、クマが誤捕獲された場合は、足が切れてしまうことも多いはずですね。先日お聞きした所、今年のクマが誤捕獲された例は153頭(8月末現在)ということでしたが、何と言っても、日本一ツキノワグマが多いのは長野県と言われていますから、12センチ規定を外せば、誤捕獲例はもっともっと多くなっているんじゃないですか。規制緩和は、ある地域で、ですか。長野県全域ですか。

 

長野県担当者:県全域です。シカをたくさん取らねばならないので、仕方がありません。

 

熊森:電話をしてこられた猟友会員の方が、シカは直径12センチで十分獲れるし、他県では12センチでいくらでも獲っていると言われていますが。多数のクマが、誤捕獲されて、次々と闇から闇に殺されているという内部告発が届いているのですが。

 

長野県担当者:こちらにはそういう話は来ていません。現在、長野県を4地域に分けており、誤捕獲されたクマは、「連絡を頂けると無料で放獣させていただきます」と猟友会のみなさんに言ってありますし、ちゃんと放獣担当者も付けていますから、誤捕獲されたクマが、闇から闇に処分されているというようなことは、ありえないと思います。以前、お盆から1か月間、直径12センチ規定を守ってくださいという通達を出した年があります。

 

熊森:今年、山の実りが悪いので、クマがどんどん人里に降りて来て誤捕獲されているということです。今年も通達を出してください。

 

長野県担当者:うーん。多数のクマが誤捕獲されているなんて話は、こちらに来ていないしね。

 

熊森:来ていなくても、このような情報があったのですから、一度真偽をたしかめていただけませんか。情報をくださった猟友会員の方は、名前も電話も明かされているし、いろいろとお話を聞かせていただきましたが、いい加減な情報を流してきたとは思えませんでした。県庁に情報が入っていなくても、そのようのことが起きていないか、この際、調べてみてくださいませんか。くくり罠は、とにかく、無差別にどの動物にもかかるので、せめて囲い罠とか、誤捕獲した動物が逃がせる罠に、変えてください。

数年前、国がクマが誤捕獲されないようにくくり罠の直径に規制をかけた時、12センチ以下にしないとクマがかかってしまうということで、12センチになったのであって、12センチは意味のある数字です。12センチ以下でも、子グマや成獣グマの指がかかって、結構各地でクマが誤捕獲されています。環境省に電話をさせていただいたら、都道府県に権限委譲しているので、問題があれば、全て、都道府県に言ってほしいと言われました。

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