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クマ狩猟終了 兵庫1頭、岡山0頭 これを見ても、まだクマ絶滅の危機に気づかない行政とは! 

今年の11月15日から1か月間、兵庫県と岡山県は、クマが爆発増加しているという若い研究者(=現在、野生動物捕獲会社社長)の言葉を信じて、狩猟を推奨しました。

 

岡山県:上限30頭 狩猟者は誰でもクマを撃って良い。 結果0頭

・・・・11か所でクマ狩猟講習会を開催

兵庫県:上限は100頭 クマ狩猟許可取得者154名   結果1頭

・・・・3か所でクマ狩猟講習会を開催

 

兵庫県は今年、ドングリの実りが良かったため、一部のクマが里から山に帰っていることが、熊森のクマ痕跡調査からわかりました。

この1か月間「山中にいるクマまでも殺さないでほしい」という思いでいっぱいでした。

熊森本部は、兵庫・岡山の両県行政にほぼ毎日電話して、クマの狩猟状況を聞いてきました。

11月26日に、兵庫県朝来市で1頭のクマが狩猟された時は、山の中に潜んでいただけなのに、絶滅が危惧されるのにと、胸が痛みました。

詳細は、兵庫県鳥獣対策課のHP参照

12月15日付の神戸新聞によると、このクマはシカやイノシシを追い込む狩猟中に出て来たために銃で撃たれたということです。

 

 

12月14日の兵庫県知事定例記者会見で、兵庫県井戸敏三知事は、クマ狩猟数1頭の結果に対して、次のように答えられました。

「率直な感想として、昨年発生したハンターの死亡事故が起きたことでちょっと慎重になりすぎたと思う。

だけど、1頭では困る。適正頭数よりも130-140頭オーバーしているはずなんで、さらにどういう対応をとるかというのも考えないといけませんね。」

 

 

2016年5月10日、熊森本部は井戸知事にお会いし「クマは爆発増加などしていません。山が大荒廃したので、餌を求めて生きるために里に出て来ただけです。狩猟再開ではなく、昔のように人間とクマの棲み分けができるよう、奥山の生息地復元に取り組んでください。」と、多くの資料をお持ちして説明しました。

その後も、全国から同様のメッセージを井戸知事へ何度も送りました。にも関わらず、知事からクマの生息地復元の話は全く出ず、出てきたのは「狩猟数をもっと増やすにはどうすればいいのか」というものでした。

兵庫県は、来年度以降も、クマ狩猟を継続する方針だそうです。

 

生息地を失った兵庫県や岡山県のクマが爆発増加しているのなら、その原因を聞きたいです。研究者の計算ミスであったことに、もういい加減に行政の皆さんも気づいてほしいです。

 

今こそ、「王様は裸だ」という、子供の登場が必要な、両県です。

 

なぜ、「クマは、もう山におらん」という、猟師たちの声を信じずに、有名大学出ではありますが、現場経験の少ない若い研究者のコンピューター計算の結果に、優秀な行政マンたちが引っかかってしまうのでしょうか。残念の一言です。

 

クリックしていただくとグラフが拡大します。

 

兵庫県が重用している若い研究者によると、1992年にクマが絶滅するとして、兵庫県猟友会が狩猟を自粛し、1996には兵庫県も正式に狩猟を禁止したため、60頭だった兵庫県のクマが爆発増加し始め、20年後の2016年には、約16倍の940頭にまで増えたそうです。

 

 

 

ならば、単純計算としても、狩猟自粛前の1991年の狩猟数である15頭の16倍にあたる240頭のクマが狩猟されねばなりません。現在は、昔と違って、クマ生息地の多くが下層植生が消えて遠くまで見渡せますから、以前よりはずっと狩猟しやすいはずです。

 

昨年、大阪から来たハンターが兵庫県で死亡事故を起こしましたが、兵庫県担当部署は、クマ狩猟とは関係のない事故だと言われました。関係あるのかないのかどちらなのでしょうか。

 

ちなみに、人里に出て来たからとして、今年兵庫県は有害駆除したクマ数は、32頭です。クマは本来の山に棲めない、集落周辺に潜んでいるという熊森の主張がこれからも確認されたはずですが・・・

 

熊森の見解は、兵庫のクマが現在仮に940頭いるのなら、昔はもっといたのではないかというものです。何頭いてもいいのです。山の中に棲んでいてくれたら。人間には、山中にいる野生動物の生息数を調整する権利も能力もありません。

人間がしなければならないのは、人間が破壊したクマたちの棲息地を復元してやり、かれらが山中に棲めるようにしてやることです。

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