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2004年、ドングリ運びを指導して下さった研究者の家を訪問  <植物編>

2004年、ドングリ運びを指導して下さった研究者のおひとりの家を久しぶりに訪れました。

<熊森はなぜ、ブナやミズナラなどのドングリは運ばなかったのか>

先生は、全国各地のブナを栽培

階段の所に、全国各地のブナが栽培されており、先生はその違いを熟知されています。「これはどこどこのブナ。ここが違うでしょう・・・」花、芽吹き時期、実・・・等いろいろ違うのですが、黄色に色づいたブナの葉だけでも、よく見ると違いが少しずつあるといわれます。説明を聞いていると、だんだん疲れてきました。そんなわずかな違いを教わっても、わたしたちには覚えられません。要するに、ブナは地域によってDNAが違うのです。

 

ブナは、年平均気温が6度~12.5度の範囲で生育可能です。

 

 

 

 

 

先生は各地のミズナラを栽培

 ミズナラはブナと違って、生育するための年平均気温の幅が大きく、ブナが育たないような暖かさや寒冷地であっても生育できます。垂直分布で見て行くと、ミズナラ、ブナ、ミズナラとなっていくそうです。このブナの上に位置する寒冷地型ミズナラは、秋になると何と葉が茶色ではなく赤に色づくのです。(写真)

このため、ブナより下で育つミズナラか、上で育つミズナラかは簡単に見分けられます。

 

 

 

 

 

<熊森はなぜ、クヌギやマテバシイなどのドングリを運んだのか>

 

先生は全国のドングリ類をすべて栽培し研究

熊森スタッフは、さすがに21種のドングリの名前ぐらいは覚えていますが、よく似たのもあり、ドングリの実だけ見せられても、葉や樹皮がないと、未だに判断に迷うドングリもあります。もちろん先生は、即判定されます。こんなことが出来る人は、他におられるのでしょうか。

 

 

 

 

 

 これは、育てておられる17年目のミズナラに、今年付いた約3000個のドングリです。先生はこうやって、実にいろいろなデータをとっておられます。

 

2004年に熊森が、「クマたちの捕殺を止めるため、どこよりも自然生態系を守りたい団体として、どうやってドングリを運べばいいですか」と、ドングリ運びの相談を持ちかけた時、ドングリ種の分布図や、全てのドングリの発芽温度と生育温度の一覧表などを先生は見せてくださいました。運んでも生態系が攪乱される心配がないドングリ種と、どんなところに運べば大丈夫かなど、こまごまと先生が指導して下さり、一緒に運んでくださったことを思い出しました。

 

あの時の、全てのドングリの発芽温度と生育温度の一覧表はどこで入手されたのか、思いだすと懐かしくなり、たずねてみました。なんと、全て、先生の気の遠くなるような実験データだったとわかりました。先生は、膨大なデータを持ちながら、どこにも発表されません。発表することに等、関心はないのです。自分が知りたいから調べておられるのであって、人に認められたいから調べておられるのではありません。

こんな研究者は、他におられるでしょうか。ドングリの話だけでも、無限に続きます。これまで私たちはドングリについても、実にいろいろ教わり自分達でも学んできました。

 

その後、地球温暖化が進んだためか、特別暖かい冬があり、熊森がここでは発芽しないと思って運んだドングリ種が一部発芽したことがありました。生育はしませんでしたが。そのたびに先生に相談しに行きました。自然界のことは元々人間にははかりしえない部分がほとんどです。しかも今、急速に自然界が人間活動により変化しており、予測できないことが次々と起こっています。

 

今や人間は、奥山の生態系まで、スギだけにしたり、果樹だけにしたり、韓国産のドングリ苗を植えたり、生態系の攪乱どころか、生態系を確実に完全破壊していっています。やりたい放題です。林道の横の崖に吹き付けた草は外来種のオンパレード。融雪剤などの化学物質もどんどん山に持ち込みます。せめて、奥山の生態系だけは手つかずにしておいていただきたいのですが、人々は無批判です。

 

 

 

 

 

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