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地下水脈を各所で分断するリニアモーターカーは、取り返しのつかない国土大破壊 

3・11東日本大震災以来、すっかりリニアモーターカーのことを聞かなくなっていました。さすがに、震災復興でそれどころではなくなったのだろう。人々の価値観も、3・11以降すっかり変わっただろうから、このような国土大破壊計画は立ち消えになったにちがいないと、日本の森と動物を守ろうと真剣に活動し続けている自然保護団体としては、うれしく思っていました。ところが、最近、リニア中央新幹線という名前で、JR東日本が建設を進めると聞いて、危機感でいっぱいになりました。

 

リニアモーターカーは、東京ー大阪間のほとんどをトンネルにして走らせるということですから、地下水脈が各所でぶち切られ、日本国始まって以来の取り返しのつかない国土大破壊になります。すでに実験区間の山梨県では、川の水が干上がったり、井戸が枯れたりという情報もあります。私たちは調査に行ったことはありませんが、ちょっと頭で考えてみただけでも、そうなることが簡単に予測されます。JR東日本は、大スポンサーなので、マスコミはこのような事実を報道できないのだそうです。

 

これから日本は、間違いなく縮小社会に進みます。明治以降一気に4倍にも爆発増加した人口は、この狭い国土で養うことのできる適正人口に収束していくことでしょう。その先は、自然と共存する持続可能な社会の実現です。そうなったとき、建造物はどんどん劣化しますから、すでに造られた新幹線や高速道路などのメンテナンスだけでも、次世代の人たちにとっては大変な負担になると思います。これ以上の巨大な建造物は、自然環境保全のためにも、次世代を苦しめないためにも、造るべきではありません。

 

リニアモーターカーの予定コースに当たる山々は、人間だけのものではなく、クマを初め、たくさんの生き物たちの掛け替えのない命の土地です。彼らに、リニアモーターカーを造ってもいいかきいてみなければなりません。水脈を切り刻んで、強力な磁場を出現させてもいいか、相談して下さい。きっと、やめてほしいと泣いて訴えることでしょう。

 

戦後、わたしたちはもう十二分に、破壊し過ぎるまで国土を破壊し尽くしました。これ以上地球を傷つけることはやめましょう。東京大阪間を1時間で移動したければ、飛行機に乗ればいいのです。3・11を体験した日本人は、今こそ、この国にとって何が今大切なのか、価値観の転換が求められると思います。大切なのは、使えばすぐ消えてしまうお金ではなく、一度破壊したら二度と元に戻らない地球環境の保全です。人間も含めたすべての生き物たちの命です。リニアモーターカーを走らせるには、大量の電気が必要で、原発を再稼働させなければならなくなります。JR東日本は、リニアモーターカーを造るような巨額のお金があるなら、福島原発事故の処理に提供してほしいと思います。

 

ちなみに、ドイツは、リニアモーターカーの建設から撤退。中国のリニアモーターカーは、上海浦東国際空港と龍陽路駅の間約30キロを7分間で走る 観光リニア。

日本では、山梨リニア実験区が今年完成するそうです。どうかそこで終了してくださるようお願いします。今後は、巨大プロジェクトや科学技術の暴走を止めていかないと、近い将来、人間までもが生きていけなくなると思います。

 

 

 

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