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8月3日、宇都宮大学会場前で、熊森栃木県会員たちと環境省イベントに抗議活動

「すごいアウトドア」として、一般人にハンターになろうと呼びかける、「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」に対して、会場前で抗議活動を行いました。

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栃木県の会員たちも駆けつけてくれました。会場前で、

 

「野生動物の命を奪うことが、すごいアウトドアだなんて、わたしたちは認めない。シカ・イノシシによる被害問題は深刻だが、解決に向けて、環境省は、防除柵設置や、動物たちが帰れる森づくりに税金を使ってほしい。人間中心の現代社会だが、環境省だけは、自然や野生生物の側に立つべきだ」

 

と、みんなでチラシを配ったり、声を張り上げたり、総勢10名で、抗議活動を行いました。会員の皆さんは、本当に勇気を出してよくがんばってくださったと思います。

 

このイベントは、200席会場に275人が詰めかけるという盛況ぶりでした。さすが、市民団体と違って、環境省(=国)の力はすごいです。

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狩猟学の専門家と、銃と射撃の月刊誌のライターの方が、「狩猟のイロハ」という題で、対談されました。

この後、ワークショップがあって、参加者は、銃を持たせてもらったり、罠の実演を見たり、野生鳥獣肉を食べたりしていました。

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この時、このフォーラム開催とは関係のない問題なのですが、長野県など一部の県に引き続いて、山梨県が、環境省が決めたくくり罠の12センチ規制を緩和しようとしていることを思い出して、くくり罠の実演をしておられた栃木県の猟友会の方に、「シカやイノシシを獲るには、くくり罠の12センチ規制を緩和する必要がありますか」と尋ねると、「必要ないよ。12センチで十分獲れるよ」と、即答されました。

 

わたしたちは狩猟を全面否定しているわけではありませんが、レジャーやスポーツとして野生動物を殺すことには絶対に反対です。

 

人間がシカやイノシシを殺し続けない限り、かれらは増え続けるという理論が、このフォーラムの根底にあるわけですが、この理論が正しいかどうか、学問的には、誰にも証明されていません。

 

人間が、戦後、捕食者としてのヤマイヌを殺し尽くしたり、犬をつないで飼うように決めたことには、問題はなかったのでしょうか。

 

戦後、人間が、野生鳥獣の生息地であった広大な奥山に入り込んで開発したり、奥山原生林を東北六県分の面積皆伐して、いったん広大な草原にし、その後、1000万ヘクタールの山林(全国山林面積の42%)を針葉樹だけの人工林にして放置し、広大な奥山を荒廃させてしまったこと、化石燃料を燃やし続けて大気を汚染し、酸性雨や地球温暖化を招いて、今も自然生態系のバランスを狂わせている等々、人間側の反省点も多いはずです。

 

しかし、このフォーラムには、自然破壊や、第一次産業を軽視して、環境破壊、生態系破壊をし続けてきた人間側の反省は全くなく、「シカ、イノシシの数が増えた、みんなで殺してくれ」というだけで、人間として悲しくなりました。

しかも現在、狩猟対象となっている多くの野生鳥獣は、激減しています。環境省は、ハンターになった人たちに、カワウ・シカ・イノシシだけを獲れと指示するのでしょうか。

 

もっともっと大きな観点から、戦後、人間が自然界にしてきたことを総点検し、クマ・サル・シカ・イノシシ等大型野生動物問題の解決に向けて、第一次産業の重視も含め、国民的議論を呼び起こすべきだと思います。

野生鳥獣被害に困るようになったから、野生鳥獣を殺しておけという考え方は、あまりにも一方的です。

フォ―ラムに参加して、このような考え方では、野生鳥獣と共存する国など、とても望めないと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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