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⑨小さな檻に閉じ込められて60日間 宙に浮いたままの大阪府豊能町誤捕獲グマ 一刻も早く山に返してやって 大阪府庁に熊森が提案と要望書を提出

6月19日、兵庫県・大阪府・京都府の2府1県が接する大阪府豊能町で、山林に仕掛けられたイノシシ罠に、1頭のツキノワグマが誤ってかかってから2か月が経過します。4歳のオスグマと推定されていますが、最初の13日間は密閉されたドラム缶に突っ込まれたまま、その後は狭い移送用檻に入れられたままで、今日を迎えます。

 

誤捕獲された場所から目と鼻の先にある京都府内又は兵庫県内での出来事であったなら、鳥獣保護法にのっとって、兵庫県や京都府で作成されたルールに従い、即、同一市町内の山に放してもらえました。しかし、たまたま、クマが生息しないと言われてきた大阪府内での初誤捕獲であったため、兵庫県も京都府も引き取り放獣を拒否。大阪府にはクマ対応ルールがなく、このクマは、行き場を失い、宙に浮いてしまったのです。

 

8月6日、熊森は、本部から4名、大阪北地区長、大阪南地区会員2名の計7名で、大阪府庁の本庁を訪れ、担当部署である動物愛護畜産課の課長さん達に面会しました。そして、このクマが体力的にも精神的にも弱り切って野生で生きることができなくなる前に、一刻も早く山に返してやってほしいという要望書を提出。日本で最大のクマ保護団体として、2時間にわたり、当協会ができる最大限の提案や協力を申し入れました。

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 大阪府動物愛護課の担当者たちに申し入れる熊森メンバー(於:大阪府庁本庁舎)

大阪府としては、飼育してくれるところを探しているが、まだ見つからないということでした。熊森は、いったん野で大人になってしまったクマを飼育することのむずかしさを、幾つかの実例を挙げて訴え、このクマを不幸なクマにしないためにも、野のものは野に返すことを、強く要望しました。また、熊森は、このクマを絶対に殺処分しないことを、改めて申し入れました。相手はモノではなく生き物です。スピード感を持って対応して下さるように、改めてお願いしてきました。

 

要望書は検討していただけるということでしたが、あれから2週間、今の所、大阪府庁からの返答はありません。巨大な組織をもち、優秀な人材を多く揃えておられる、大阪府、京都府、兵庫県の行政のみなさんです。関西広域連合の出番として、力を合わせ、生き物の命を大切にする解決法を国民にお示しくださるようにお願い申し上げます。子どもたちも、大人たちがどうするか見ていますよ。

 

尚、熊森はこの件で、環境省にも何度も、クマに初めて対応する大阪府に対して、国が支援に乗り出してくださるようにお願いの電話をかけています。国の担当者としては、心配して下さっているようですが、今の所、具体的な動きは見られません。

 

 

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