くまもりNews
⑫8月20日、大阪府から入った豊能のクマ殺処分決定の電話と熊森の対応<概要>
大阪府:豊能のクマですが、もらい手も放獣先も見つからなかったので、殺処分することに決まりました。
くまもり:そんな(絶句)、長期間、劣悪な環境に閉じ込めて動物虐待です。最後は殺処分ですか。あんまりです。もらい手も放獣先も見つからなかったのなら、大阪府が、終生保護飼育をしてください。野生のクマを生涯、檻に閉じ込めてしまうことは、このクマにとっては大変かわいそうなことですが、大阪府民にとっては、自然環境の保全について学ぶ貴重な場になりますよ。
大阪府:そのようなことはしません。
くまもり:どうしてですか。大阪府はお金がなくて飼えないのですか。
大阪府:飼えないのではなく、飼わないのです。
くまもり:なぜ飼わないのですか。
大阪府:飼わないと決めたからです。
くまもり:答えになっていません。とにかく殺すのをちょっと待って下さい。(思わず)くまもりが飼うので、殺処分を止めてください!
大阪府:どこでだれが飼うのですか。
くまもり:今思ったばかりですから、まだ決まっていません。
大阪府:熊森は飼えないんですね。では、殺処分します。
(熊森が、大変な思いをして移送檻を秋田から取り寄せて提供した時も、豊能のクマを放獣していただけるように近隣府県にお願いに回るなど必死で動いた時も、今回のように、一大決心をして、保護飼育すると申し出た時も、大阪府動物愛護畜産課は一言のお礼も言わないどころか、このような失礼な対応です。人として、信じられない思いです)
くまもり:ちょっと待って下さい。熊森は大阪府に土地を持っていません。とりあえず、大阪府として、保護施設を建設する土地を斡旋をしてくださいますか。
大阪府:大阪府は、一切の支援、協力をしません。
くまもり:大阪府は、このクマのもらい手を一生懸命探してきたと言われてきましたが、一切の支援、協力をしないという条件だったのですか。
大阪府:そうです。
くまもり:そんな大きな態度では、もらい手など見つからないでしょう。本当にもらってもらいたかったのなら、わずかであっても、大阪府はこういう支援・協力ならさせていただきますとして、頭を下げなければならないのではありませんか。命を大切に思うあまり、熊森が飼うと思わず言ってしまいましたが、個人見解です。この後、会議を開きます。
大阪府:飼うのなら、(どこでだれが飼うのか)具体的な話を出してください。期限は、8月25日(月)です。約束しましたよ。約束の期日は守ってくださいね。
くまもり:そんな(絶句)、あまりにも一方的です。日が足りません。とにかく早急に保護施設を建設する土地を探しに行きますので、殺処分は絶対にしないでくださいよ。
8月21日、熊森本部では緊急会議が持たれました。熊森はなんとしても、このクマの命を助けるということで意見がまとまりました。
もちろん、このクマ1頭の命はかけがえのない大切なもので、何一つ被害も出していないのですから、尊厳されなければなりません。
他にも、熊森をはじめ、多くの人たちが、この国にクマやクマの棲む森を保全しようとして、長年にわたり大変な苦労の上に築き上げてきた、「誤捕獲グマは即放獣する」という鉄則を、大阪府によってつぶされたくないという思いがあります。