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8月22日 クマの保護飼育を決めるには、時間がかかる

朝早くから、兵庫県のクマ生息地に向かいました。あちこちで過疎化高齢化が進んでおり、廃校が次々と出てきています。

廃校になった小学校を宿泊ができるように改造して、ボランティアとして管理しておられる元校長先生が、施設を案内して下さいました。

この方が、「ここのすばらしさは、静けさです」と教えてくださいました。そういわれてみたら、真昼間なのに、本当に静かです。思索するのに持って来いの場所だと思いました。

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ここの集落では、もめごとなど何も起きない。みんなで助け合って生きているということでした。すばらしい社会です。

 

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「クマが出ていますか」とたずねると、「今年は、この前から、何度か集落に来ていますよ」ということでした。

ここでは、クマを殺してくれという人など、ひとりもいないそうです。

この町では、以前、町がクマを飼っていました。(26歳で天寿を全う)。

「クマの飼育が、クマという動物を町民が理解するのに役立ったと思われますか」とたずねると、「それは、あるかもしれません」というお答えでした。

 

お話を伺っていると、このあたりの人々の自然観や感性は、まるで熊森だなと感じました。

自然や大型野生動物と共存する、おおらかで他者を思いやるやさしい文化が、このような奥地にまだ残っているのを知って、うれしくなりました。

 

「若いクマの研究者たちが、兵庫県のクマ数が激増したと言っていますが、どう思われますか」と、たずねると、「クマが増えているなど、ありえません」と一笑に付されました。そこに住んで日々クマに接している人たちの感覚は大切です。最先端の科学技術を駆使してクマの生息数を計算した大学の先生たちの研究結果が、もし、真実と大きくかけ離れたものになっているとしたら、今後、考え物です。

 

ご自宅のお庭の大きな木のテーブルの上で、昼ご飯を食べました。ここでの人々の過去の暮らしなど、興味深いお話をたくさん聞かせていただきました。本にまとめて、民族の知恵として、後世に残すべきだと思いました。

 

昼食後、集落の近くの山を案内してくださいました。

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下草ゼロの、ヒノキの放置人工林が延々と続いていました。兵庫県は、人工林の間伐がどんどんと進められ、すでに1周が終わり2周目に入っていると聞いていましたが、実際の山に入ってみると、この辺は、間伐された山などほとんどないことがわかってきました。

地元に行く。地元の人とつながる。現場を見る。全国のくまもり支部地区でも、この活動を進めてください。

<地元とつながらなくては、熊森ではない>

 

別れ際に、「豊能のクマさんが、行き場をなくして殺処分されそうになっています」と言って、クマの写真を見せると、「わあ、かわいい。さっきの元学校で飼いたいなあ」と言ってくださいました。しかし、地元では、みんなが集まって、心が一つになるまで、ゆっくりゆっくり議論しながら事が進みます。

わたしたちは、今回の間にあわないと思いました。そこで、次の訪問場所に向かいました。

 

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