くまもりHOMEへ

くまもりNews

8月9日兵庫県環境審議会鳥獣部会 傍聴報告⑦ 

兵庫県農政環境部の暴挙、審議する前にクマ狩猟再開が決まっていた こうして社会は狂っていく

 

この日、兵庫県民会館303号室で、平成28 年度兵庫県環境審議会鳥獣部会が開催されました。

熊森は傍聴に出かけました。

審議会冒頭、鳥獣対策課の担当者が、「平成27年度当初の県内ツキノワグマ生息推定数は940頭です。兵庫県ツキノワグマ保護計画」では生息推定数が800頭以上になれば狩猟禁止の制限的な解除を行うことになっています。本日は、狩猟期間1か月、一人当たり捕獲できる数1頭についてご審議賜りたいと考えています」と言われ、熊森はずっこけました。

秋山環境部長も井戸知事も土井森林動物研究センター次長も、「狩猟を再開するかどうかは、審議会で審議してから決めます」と、これまで私たちに言われてきました。しかし、審議会に行ってみると、狩猟再開は審議する前からもう決まっていたのです!茶番もいいところです。

DSC06364

審議会風景

傍聴してわかったことは、兵庫県としては、兵庫県森林動物研究センター研究員がコンピューターで計算した推定生息数940頭というどこまで本当かもわからない数字にこだわっていて、狩猟により今秋140頭殺して800頭にしたいと考えているということでした。生き物を数でしか見ていません。まるで殺生が数字遊びになっていると感じました。940頭も800頭も、みんな人間が勝手に決めた数字です。(人間、いったい何様なんだ。クマたちの生息地を大破壊しておきながら、クマが食料を求めて里に出て行けば有害駆除で殺す。山にそっと潜んでいたら、今度はハンターが追い掛け回して狩猟だと遊びで殺す。人間の倫理観は一体どうなっているんだ。)

兵庫県のハンター歴40年の猟友会委員は、クマを狩猟したいと言っている兵庫県の猟友会員を自分は知らないと正直に言われていましたが、京都から来ている委員は、京都にはクマを狩猟したいと言っているハンターがたくさんいるから、今秋、一斉に兵庫県に狩猟しに入って来るだろうと言われていました。

兵庫県立大学の先生たちが、クマを大量に殺さねばならないと思わせる恣意的な資料を、パワーポイントで次々と出していました。傍聴席にいた何人かのマスコミ関係者に狩猟再開が正当と思わせるためでしょう。(発表内容の不公平さやごまかしの多さには驚かされました。研究者の良心を捨てたのか、魂を売ったのか、そこまでして、行政に媚び入りたいのかと、これらの若い研究者たちの生き方を残念に思いました。いつか、天が罰することでしょう)

野生動物は、豊かな餌場と、安心して繁殖できる生息地を失うことによって、絶滅するのです。にもかかわらず、生息地についてふれた発表は、ゼロでした。(こんなごまかし審議会をやっていることを知事が知られたら、激怒されるのではないでしょうか)

<審議会を傍聴して>

生命の尊厳や自然への畏敬の念がなく、狩猟やジビエ料理が好きなごく一部の研究者たちが、専門性や科学性という言葉を前面に出して、よくわからない行政マンにうまく取り入り、祖先が保ってきた輪廻の思想や、生きとし生けるものの命は皆同じという優しくすばらしい共存社会を、狂わせようとしていると感じました。

兵庫県によると、兵庫県庁には、狩猟再開に反対する声が5日間で120件入っているそうです。また地元役場の方には、狩猟賛成の声が多数届いているそうです。

地元の人達に、山中で潜んでいるクマを狩猟で追い掛け回すことは地元のためにならないこと、被害防除と森の復元や再生でクマ問題を解決していかないと、クマを初めとする野生動物たちを絶滅させ、水源の森を失い、人類も破滅することを知っていただきたいです。

p.s 部会長の江崎保男兵庫県立大学教授は、審議会途中に、突然思い出したように、「みなさん、制限的な狩猟禁止解除に同意していただけたということでいいですね」と、全く審議もしていないのに、委員たちに同意を求めました。誰も異議を唱えませんでした。同意見の者しか集めない行政の審議会の在り方は、大変嘆かわしく危険です。ちなみに、20年以上クマ問題に取り組んできた熊森の副会長が、審議会委員に応募したら、見事落とされた経緯があります。

フィード

Return to page top