くまもりNews
審議会翌朝の朝刊に決定記事 出来レース?⑧
- 2016-08-15 (月)
- くまもりNEWS
<兵庫県のクマ狩猟再開問題>
8月9日夕方に終わった兵庫県環境審議会鳥獣部会。
この後、審議会の審議を受けての知事判断があると聞いていたので、最終決定はいつになるのかと思っていたところ、びっくりもびっくり、何と翌朝の新聞朝刊に、もう、決定記事が掲載されていました。速いなあ。
審議会を受けて知事が最終決断をすると聞いていましたが、審議会後、本当に知事に審議内容の報告が行ったのでしょうか。それを受けて、知事がどうするか考える時間はあったのでしょうか。
審議会開催以前にすでに結論は出ていて、報道記事もできていて、審議会開催は単なる「審議しました」というパフォーマンスに過ぎないのではないかと思えてきました。皆さんはどう思われますか?
それにしても、記者さん。県庁側からの発表だけを一方的に大本営発表記事にしておられますが、この問題に対する各方面からの声を、なぜ載せようとしないのでしょうか。記者のこの姿勢はメディアの自殺行為であると共に、国民から考える力や考える機会を奪い、一部の権力者の思い通りに社会を狂わせていく犯罪的行為なのです。本当に残念です。
<以下神戸新聞、8月10日朝刊記事>
兵庫県が、ツキノワグマの狩猟を今冬に20年ぶりに解禁する方針を決めた。絶滅の危険性があるとして全面禁止してきたが、生息個体数が増え、集落への出没が目立つようになっための措置。11月15日から1カ月間、狩猟者一人1頭に制限して認める。
9日に開いた有識者らによる県環境審議会鳥獣部会で、県の方針が認められた。
ツキノワグマは生息個体数が減ったため、1992年度に県の要請を受け、県猟友会が狩猟を自粛。県内で100頭以下になったとして96年度には県が全面禁止した。
2003年度には県版レッドデータブックで、絶滅の危険度が最も高いAランクに指定。集落に現れた場合は、爆音やスプレーなどで追い払ってきた。
保護が奏功し、生息個体数は徐々に増加。県森林動物研究センター(丹波市)の調査では、05年以降、毎年平均約2割ずつ増えていると推定され、11年度にはレッドデータブックでBランクに下がった。
15年には、推定生息数が約940頭に上った。県の第3期ツキノワグマ保護管理計画(12~16年度)では、800頭以上になれば狩猟禁止を解除することを盛り込んでいた。
一方で、20年間、ツキノワグマの狩猟についてデータがなく、捕獲頭数の見込みが分からないことから、大量捕獲を防ぐため一人1頭の限定的な解禁とする方針。親子グマについては認めない。
環境省によると、絶滅したとされる九州を含め、22都府県でツキノワグマの狩猟が禁止されている。県鳥獣対策課は「捕獲されすぎると、再び絶滅の危険性が高まる可能性もある。解禁後の実際の捕獲頭数を見て、来年度以降の方針に生かしたい」としている。(斉藤正志)
ツキノワグマ 本州、四国の主に落葉広葉樹林の森林に生息。体長1・1~1・5メートル、体重80~120キロ。時速40キロで走り、木登りや泳ぎも得意。環境省は、下北半島、紀伊半島、東中国、西中国、四国山地の個体群を「絶滅のおそれのある地域個体群」に指定している。
(熊森から)
記事になったことで、たった一人の学者ハンターが推定しただけの推定生息数940頭が独り歩きし始めました。怖いことです。くまもりは兵庫県庁に、940頭推定が過大過ぎるとして推定の間違いを指摘する論文を発表している学者がいることを伝えてありますが、兵庫県庁はその学者の声を聞こうともしません。なぜなのか、ミステリーです。
兵庫県秋山環境部長に電話で、兵庫県ツキノワグマのレッドデータブックBランク指定は今後どうなるのかお尋ねしたところ、そのまま置いておくということでした。
それでは、兵庫県は、他府県からハンターを呼び寄せて、当県の絶滅の恐れのあるツキノワグマを差し出しますので狩猟を楽しんで下さいと言っていることになり、支離滅裂だと思います。誰が聞いてもおかしいと思うのですが。
こうなったら優秀な井戸知事に声を届けるしかないと思います。