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9月12日 貴重なブナ林が枯れている?ウエツキブナハムシ

岩手県の会員が岩手県に支部を作りたいと本部を訪問されたので、豊かな巨木の森を見ておいていただこうと、阪神間から一番近い岡山県の若杉天然林86ヘクタールをご案内しました。

人工林地帯にぽつんと残された原生的な奇蹟の森です。

 

森に入ってみてびっくり!

美しかったブナ林が、猛烈に奥まで枯れているのです!

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枯れたように見えるブナの巨木群 若杉天然林2016,9,12

 

葉が完全に落ちてしまっているのも、たくさんありました。

そういえば、3~4年前に、山形県支部長から、見渡す限り、ミズナラはナラ枯れ、ブナはブナ枯れ、もう今年の山には動物たちの餌が何もないと報告を受けていたのを思いだしました。

ここのブナは巨木で、葉が高い所にあり、何故枯れたのか全く見えません。

地面に落ちている今年のブナの実も皆無でした。

 

この森は消えてしまうのだろうか。

 

不安な思いで帰りかけると、下から西粟倉村の役場の方がNHKテレビのカメラマンと一緒に上がってこられました。

「ブナが大量に枯れていますよ」と訴えると、「ウエツキブナハムシです。枯れたように見えますが、ナラ枯れと違って、この虫は、葉だけ食べて葉脈は食べないので、木は枯れません」と教えてくださいました。これが噂に聞くウエツキブナハムシか。枯れないのだなと、一応ほっとしました。

どう見ても木ごと枯れているように見えますが、3年ぐらいでよみがえるそうです。兵庫県に広がれば困るなと思いましたが、まわりはスギの人工林ばかりですから、広がらないかもしれません。これからも観察していきます。

 

ちなみに、NHKはブナ枯れを撮影に来られたのかと思ったら、全然関係なくて、ふるさと納税の番組を作っているところだと言われていました。

 

この森には、ミズナラもたくさんありますが、ナラ枯れで死なないように、役場が毎年何百万円か使ってミズナラの木に1本1本薬剤を注入して、ナラ枯れを防いでおられるのだそうです。ここのミズナラは200年から300年たっていますから、その間起きなかったナラ枯れという異変が今起きていることがわかります。何という時代なんだ!

 

役場のみなさん、いろいろと教えてくださってありがとうございました。

 

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