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クマ狩猟を実施している岐阜県のクマ生息林調査

熊森本部は、10月16日、研究者にもご参加いただいて、総勢9名で岐阜県のクマ生息林を兵庫県の山と比較しながら調査しました。

初めに調査した山は奥飛騨にある山で、70年程前に1度伐採されています。そのため、先駆種のカバノキ科やシデ類が多い林でした。下層植生はオタカラコウにそっくりのメタカラコウや、オオイタドリ、アカソ、アキノキリンソウ、カメバヒキオコシ、マルバユキザサ、マルバフユイチゴなどです。

 

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奥飛騨のクマ生息林

この山の向かいにある国有林は、森林遷移の最終である極相状態の非常に豊かな山です。天然のブナやミズナラと、クロベ、チョウセンゴヨウ、サワラ、シラビソ、オオシラビソ、トウヒなどの針葉樹が生えています。将来的には、このあたりの山は、伐採後放置すると、この国有林のような針広混交林に遷移していくと思われます。

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国有林

国有林内はササが繁茂していました。ここには、20年前の兵庫県の山の姿が残っていました。クマ狩猟を認める訳ではありませんが、こんな林なら隠れ場があり、そう簡単にはクマも狩猟されないだろうと感じました。

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部分的にササが一斉開花しているところがありました。

 

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チマキザサ?チシマザサ?この時期の判別はむずかしい。

 

この辺りの地質はとても崩れやすく、あちこちで崩れていました。山が崩れることも自然なので、人家に影響がない限り、放置しておけばいいと思います。

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ところどころ、巨大な堰堤が造られていますが、それにヒビが入っていました。

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この日は、この下流の宿に宿泊しました。この堰堤が崩れたら集落が影響を受けると言われて、そういう場所では何とかしなければならないと思いました。

宿舎で、御主人からイヌワシやクマの話を聞きました。

地元の人達にとって、クマがいるのは当たり前だそうです。庭のクリの木にもクマが来るそうです。クマを見かけて通報するのは観光客だと言われていました。

クマの存在を許容している人々は、このような奥地に行くと今でも全国どこでも普通におられます。クマは本来、平和愛好家で、人と共存できる動物なのです。兵庫のクマの専門家と呼ばれる研究者のみなさんに、この真実を知っていただきたいです。

 

次の日、10月17日は飛騨高地にある白川郷の近くの山を見に行きました。

このあたりは自然林がとても多くて、動物が棲めそうな山がたくさんありました。

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カモシカの角研ぎの跡がありました。

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チョウセンゴヨウマツについたカモシカの角研ぎ

 

古いクマの爪痕も見つけました。

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ウワミズザクラについたクマの爪痕

 

林道を1時間ほど車で走っていると、突然、車の10メートルほど前を、黒い大きな動物が一瞬横切りました。クマかカモシカでしょう。

樹齢120年ほどのブナ林や、遷移段階の白樺林、その上には樹齢200年ほどのブナ帯など非常に豊かな植生でした。また極相状態の針広混交林も残っており、動物にとってはいろいろな種類の自然林が点在する本当にいい場所だと感じました。

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岐阜県の人工林率は、県平均44%で、林業県として有名です。しかし、奥地にはまだ豊かな自然林がたくさん残っていることがわかり、ほっとしました。地方や県によって、山のようすが随分違います。

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ここは道路を作ったからでしょうか。山が恐ろしく崩れていました。

山も野生動物も、人間が手を付けると、取り返しのつかないことになっていきます。

今回、日本にまだ残っていた動物の棲める森に入っていろいろと勉強することができ、幸せでした。わたしたち人間の心身まで豊かになりました。(但し、お年寄りは、山の樹木の葉の量や実りの量が昔と比べて激減していると嘆かれます。昔を知らない私たちには、本来の自然がわかりません)

 

 

 

 

 

 

 

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