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環境省特定鳥獣保護・管理計画(クマ類編)ガイドライン に対する熊森の主な見解パブコメ その2

人間に把握不可能な生息推定数にこだわり過ぎないこと

p13-9 生息数が回復・増加した県が多く→必ずしも、そうとは言えない。

人工林の放置、ナラ枯れや下層植生の消失による自然林の劣化、進む奥山道路開発などによって、クマ本来の生息地の環境は悪化する一方である。

兵庫県のように、クマが食料を求めて生息域を過疎化高齢化した集落に移動させてきた場合、目撃数や捕獲数が飛躍的に増加して、一見クマ数が爆発増加したように見える。しかし、実際の生息数が増えたかどうかは別である。集落近くに集まり潜むクマは有害捕殺対象となりやすく、安定した生息とは言えない。

 

 

棲み分け(ゾーニング管理)の義務化

p13-27棲み分け(ゾーニング管理)が重要である→◎まさに、この通りである。

隣接市町村担当部署や学校をはじめ、農林・河川・土木など各部署が連絡を取り合って、祖先がしていたような棲み分け共存を取り戻さねばならない。クマ対応は、これに尽きる。

今回のガイドラインが絵に描いた餅にならないように、環境省は都道府県に、都道府県は市町村に、ゾーニング地図を作成して提出するよう義務付けるべきである。またこのゾーニング地図は、広く人々にも広報して周知徹底させなければならない。クマに対しては、都道府県や民間の支援を得て、電気柵や、草刈、犬などによる追い払いでゾーニングを認知させる必要がある。

 

他生物の生命も尊重すべき、はじめに捕殺ありきはおかしい

p19-11ツキノワグマの自然増加率→自然増減率とすべき。人間以外に増加し続ける一方の動物など存在しない。個体数が減少に転じた場合は捕獲上限割合を下げるとあるが、捕獲をやめるべきである。

p28-月別捕獲実績→捕獲か捕殺かはっきりさせること。捕殺なら、実績ではなく実数と表現すべき。クマなどの野生鳥獣は水源の森に必要であり、有害視する言葉は使わないこと。

p30-24狩猟・個体数調整により出没の抑制を図る→人間活動を優先する地域の周辺においても可能な限り、「保護捕獲して山奥へ放獣」すべきである。捕殺してしまえば、ゾーニングを学び身に付けたクマを誕生させることができない。

 

生息地の保護整備に数値目標を掲げること

p31-2生息地管理は重要→掛け声だけに終わらないよう、人工林率を下げるためなど、数値目標が必要。また、コア生息地は、奥山を中心としながらも海に至るまでの幅を持った地域が必要で、可能な限り人間が入り込めないような措置を取るべきである。

p54-18・19コア生息地においてクマ類の密度が十分に担保されているか→賛同。棲み分けを成功させるには、コア生息地がクマの生存を保証できる状態でなければならない。

p59-10堅果類の豊凶データ→春の山菜、夏の昆虫、臆病なクマが身を隠せる下層植生の有無、冬の冬ごもり用穴など、生息に必要な様々なデータが必要である。クマは秋の堅果類だけでは生き残れない。

 

主な点は、以上です。

環境省募集(パブリックコメント)

特定鳥獣保護・管理計画作成のためのガイドライン(クマ類)改訂案

平成 28 年2月 環境省主催  クマ類保護及び管理に関する検討会 議事概要

 意見募集要項

 

パブリックコメントの締め切りは1月25日です。

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