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秋田県、早急に立ち入り禁止措置「やれることは全部やっています」田沢湖死亡事故

2017年5月27日、秋田県仙北市田沢湖玉川で、ネマガリダケをとりに笹薮へ入られた女性が、クマと思われる動物にかまれたり引掻かれたりして亡くなるという事故が発生しました。土曜日であったため、県や市とは連絡が取れず、熊森本部はすぐに警察に状況を聞き取りました。

 

〇警察担当者のお話

女性は、本日早朝から、お連れ様(女性)とネマガリダケをとりに山へ入られていた。笹薮の中でお互いにはぐれ、お連れ様は近くにいた他の山菜取り客に捜索を手伝ってもらった。しかし、女性が血を流して倒れているのを発見され、病院に搬送された。女性はニュースでは重体と言われているが、亡くなられている。

 

6月2日、熊森本部は秋田県庁・仙北市へ電話し、詳しくお話を伺いました。

 

〇仙北市の担当者のお話

事件現場は、田沢湖から北へ20km離れた場所で、鹿角市との境界近く。標高1000m前後で、国道341号線から近い場所にあり、国道の東側の焼山山系に属する。

この現場は、毎年多くの方がタケノコ取りに来るスポットで、去年の鹿角市での事故が相次いでいるときも、多くの方々が山へ入られていた。

しかし、これまで、この現場付近でタケノコ取りに入った方がクマに襲われるということはなかった。近くには玉川温泉郷などの観光地もある。

 

〇秋田県庁の担当者のお話

亡くなられた女性は、頭や左腕に深い引っかき傷と、かまれた跡があったようで、警察は失血死だとみている。警察の報告では、傷の状況からクマによるものと考え、県もクマによる人身事故として対応していく。女性の身体は、クマに食害された跡はない。

今後の現場対応としては、事件現場付近の笹薮への立ち入り禁止措置をとっている。事件現場は国有林で、国道から現場付近へ向かう林道を封鎖して、毎日朝4時から昼まで8人の警察官がパトカー4台で見回りし、現場へ入ろうとする人がいないか監視している。やれることはすべてやっている。

 

(熊森本部から)

この度の事件で、亡くなられた方とご遺族の方々にご冥福をお祈りします。

 

昨年の鹿角市での死亡人身事故を受け、秋田県は今年4月からの新しいツキノワグマ管理計画で、

「死亡事故が発生した場合の入山禁止、道路閉鎖等を関係機関と協力して迅速に実施する。」という方針を示しています。

 

今回の事故現場は、秋田県や関係機関によって早急に立ち入り禁止措置をとられました。このような対応は、今後さらなる人身被害を防ぐために必要だと思います。

しかし、立ち入り制限を行っても、現場を柵で取り囲んでいるわけではないので、どうしても入山される方がおられるそうです。

 

見通しの悪い森林内では、常にクマと人間が遭遇しやすい状況です。

これから事件現場へ山菜取りへ行こうと思っておられる方は、さらなる人身被害を防ぐため、入山をお控えいただきたいと思います。

 

 

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