くまもりNews
第7回ストップ・リニア!訴訟口頭弁論 訴訟が各地で起き、反対の声が増大していく必要あり
11月24日、東京地裁傍聴100席の抽選に、143名が並びました。熊森会員も6名参加。
陳述1 川本正彦氏(愛知県の原告。「春日井リニアを問う会」事務局長。以前、リニア市民ネット・大阪の勉強会で講師として招聘。)
(要旨)主に家庭用燃料として使用していた亜炭の採掘は昭和40年ごろまで名古屋でも行われていた。その後、鉱山は閉鎖された。しかし、一部柱を残す形で地下の亜炭層を採掘したため、空洞になっている場所が多く、昭和50年代ごろから亜炭鉱跡地で陥没が起きるようになった。亜炭鉱跡地にトンネルを掘ることは危険。坑道の中に地下水が充満していることで安定を保っている場所もあり、リニアトンネルの掘削によってその地下水が抜けて陥没が発生することも予想される。
(くまもりから)公園に出来た直径5m、深さ2mほどの陥没写真を見ました。住民の不安は相当のものだと思います。
陳述2 大沼淳一氏(元愛知県職員 愛知県公害調査センターで、長年水質汚染について調査研究)
(要旨)飛騨外縁帯と領家帯との間に分布する美濃帯を掘り起こしたことで、過去に水質汚染が何度も起きている。
リニアの話を聞いた時に、「またか!」と思うとともに、「再び、水質汚染を起こしてなるものか!」と思った。
美濃帯を掘り起したことから発生した公害事件
①<愛知県犬山市でカドミウム汚染米が発生>採石された岩石中に存在する黄鉄鉱が、水と空気に反応して硫酸を生成し、採石場からの溶出水が強酸性をおび、カドミウムや鉛などの重金属類を溶かした。
②東海環状自動車道(愛知県豊田市-岐阜県-三重県四日市市をつなぐ幹線道路)建設残土ストックヤードで、2003年にその下流で放流されたマス、アマゴ1000匹が死んだ。
住民が知らない間に、安心して生活できる環境が壊されようとしている。このような水質汚染問題は、沿線各地で起こる可能性がある。
リニア中央新幹線建設事業の環境影響評価が大変ずさんであることは毎回、口頭弁論の傍聴に行くたびに感じてきた。ここまで沿線住民の生活を危険にさらし、日本の自然環境を大きく破壊してまで作らなければならないものなのか、国民のみなさんに考えてもらいたい。
(夢の超特急リニアは、土建国家日本の大手建設会社にとって、国土を壊滅破壊すれば巨額の利潤が得られる夢のプロジェクトです。
それ以外の人や生物にとっては、取り返しのつかない環境破壊を引き起こされるだけの悪夢のプロジェクトです。)
(くまもりから)
口頭弁論終了後、シンポジウム「リニア新幹線隠された真実」が衆議院第一議員会館で行われました。
リニアの採算性や経済効果の予測が過剰であることや、トンネルを掘るために本来しなくてはいけない調査がなされていないことなどそれぞれの専門家の方々よりお話を頂きました。
会場から、「実際に測量が始まり、工事が始まって、既成事実がつくられようとしている。どうすればいいのか」という質問がでました。
弁護団の山下弁護士は、「各地で起きる様々な現象に対して、各地の権利を侵害される人たちが各地で個別に訴えを起こしてくれるよう期待している」と答えられました。
ストップ・リニア!訴訟だけでは、リニアは止まりません。
リニア事業に対する訴訟が各地で起き、リニア反対の声が市民の間でどんどん大きくなっていかねばなりません。
次回以降の口頭弁論は、
2018年 1月19日 第8回口頭弁論 品川・川崎からの陳述
2018年 3月23日 第9回口頭弁論 町田・相模原からの陳述
です。どうぞご予定ください。