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3月24日 和歌山県の太郎と花子、いとおしさで胸がいっぱいに まだの方はぜひ会いに来て 

久し振りに和歌山県有田川町生石(おいし)高原の太郎と花子に会いに行きました。

西宮からはこんなに遠かったのかと思うほど、遠かったです。

毎月1回~2回ですが、本部から生石までお世話に行ってくださっているボランティアさんたちのご苦労を思いました。

 

コンクリートの上で暮らす動物園のクマは、爪がこすれて伸びられません。

狭い獣舎の土の上で暮らすクマは、爪が伸び過ぎて巻きづめとなり、掌に食い込んで皮膚を突き破ります。

人間が飼うといろいろとクマも大変です。

 

実は前日、太郎は獣医さんに全身麻酔を掛けてもらい、両手足の爪をニッパの大きいような道具で、切ってもらったのです。

前日の夕方時点の山田さんの電話では、皮膚に食い込んでいた左前足の第4爪を抜いて切った後、血がなかなか止まらなかったのでみんなで心配したということでした。

やっと血が止まり、獣医さんの処置も終わって、夕方には麻酔も切れ、太郎が目を動かし始めたということでした。

高齢ゆえ、全身麻酔は大丈夫だっただろうか。いろいろと、心配になります。

いっそのこと見て来ようということになりました。

 

天気は快晴。獣舎横のニオイコブシの花のつぼみが大きく膨らんで来ています。

そばで太郎と対面しました。

じいっと目と目でしばらく見つめ合いました。(デジカメでは、クマの表情がわかるような写真が撮れなくて残念)

昨日怖かったよと言っているように感じました。

指の包帯がまだ痛々しかったです。

左前足第4爪の包帯が痛々しい太郎

 

山田さん一家も心配で、昨日の夜中は懐中電灯を持って、今朝は早朝に、太郎が大丈夫か心配で獣舎に見に行ったと言われていました。

太郎はまだ包帯を巻いた部分が痛いらしく、時々ぶるぶるっと手を震わしていましたが、食欲は旺盛で、頂いたものを次々と平らげていました。

良かった。大丈夫だ。

爪が肉に食い込んで痛そうなのでどうしたものかと案じていたが、こんなのならもっと早く獣医さんに来てもらったらよかったと山田さんの弁。

傷口が治ったら、また普通に歩けるようになるから、それまで包帯をとったらだめだよ。

私も太郎に話しかけました。太郎はじいっと聞いている感じでした。

故東山省三先生を母のように慕っていた太郎。いろいろなことが思い出されて、本当にいとおしさでいっぱいになりました。

 

花子の方は、まだ爪切りの必要はありません。

お世話隊のみなさんに背中を書いてもらって、大喜びです。

うれしくてたまらないとき、クマは大きな口をあけて笑います。

この日は、花子もいとおしくてたまらないと思わせる表情でした。

熊手で背中を書いてもらう花子

 

ずっとお世話に通ってくださっている人に聞くと、この季節、クマは上機嫌だそうですが、そうではない季節もあるそうです。

良い時に訪れました。

 

お世話隊の方が、寝室の床に開けられたコンクリートの穴に手を突っ込んで何かしておられたので訳を聞くと、排水穴に詰まった糞尿を取ってきれいにしてあげているということでした。

獣舎の床に開けられた排水穴

 

遠くからおいしいものを送ってくださる方も含めて、みんなの愛情に包まれて、太郎と花子、病気一つせずそれぞれ28歳27歳まで来ました。

元気なうちに、まだの人はぜひ会いに来てやってください。ここは、クマとお話ししたり心通わせ合ったりできる、夢のような場所です。(完)

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