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祝 3月末、日本初のダム撤去工事完了 熊本県荒瀬ダム

以下、西日本新聞より

 

熊本県南部を流れる球磨川にある県営荒瀬ダム(八代市坂本町)の撤去工事が3月末に完了した。

荒瀬ダムが撤去された地点 熊本県庁HPより

 

ダムの完全撤去は全国で初めて。堆積した土砂のヘドロ化で悪臭を放ったダム湖は6年をかけた工事でなくなり、瀬や淵、砂州といった変化に富む川本来の流れが復活している。

 

県の調査によると、清流に生息する底生動物や魚の種類が増え、アユなどの餌になる藻類も順調に育つ傾向がみられる。専門家でつくる「荒瀬ダム撤去フォローアップ専門委員会」の篠原亮太熊本県環境センター館長は「自然の回復力の強さを実感する。ダム建設前と同じような状態に近づきつつある」と話す。

 

国土交通省の調査では、魚のすみかになる河口干潟沖のアマモの藻場が、ダム撤去前に水門が開放された翌年の2011年から、1~1・7平方キロメートルで推移している。10年まではほとんど見られなかった。球磨川の環境改善は海にも好影響を与えているようだ。(以下略)

 

熊森から

ダム撤去運動を闘ってこられたみなさん、おめでとうございます。

 

アメリカ映画「ダムネーション」を思い起こさせる快挙です。さっそく自然がよみがえってきたようですごいですね。市民運動の輝かしい勝利だと思います。自然保護団体として、とてもうれしいです。

 

2002年に7年後の県営荒瀬ダムの撤去を表明してくださった潮谷義子知事(当時)にも、あらためて感謝申し上げたいと思います。

 

その後紆余曲折があったようですが、負けることなくダム撤去にむけてどこまでもがんばり抜いた地元の皆さんに心から敬意を表したいと思います。

 

ただ、球磨川を完全によみがえらせるには、荒瀬ダムの10キロメートル上流にある瀬戸石ダムの撤去、河口にある堰(せき)の撤去が必要だそうです。

 

熊本県民は国交省直轄川辺川ダム計画も中止に追い込んでいます。すばらしいと思います。

 

アメリカでは2017年にも86ダムが撤去されたということで、ダム撤去の動きが毎年進んでいます。残念ながら、日本では今の所、荒瀬ダムに続くダム撤去計画はないそうです。

 

それどころか、現在、「脱ダム」に関係自治体などが反発し、「国土強靱(きょうじん)化」の名の元、中断していたダム建設がどんどん復活してきているありさまです。

 

ダムが必要だからというのが表向きの理由ですが、実は、公然の秘密として、ダム建設費の5%が関係者の手に入ることになっているため、推進者たちは声を大にダム建設を訴えているのだということです。かつてダム建設にかかわった方から教えていただきました。たった5%と思いましたが、総工費1000億円となってくると、5%は50億円です。人によっては、喉から手が出るほど欲しいお金かもしれません。

 

あらゆる分野に言えることですが、いい国を作るには、利権のない市民が、しっかりと声を上げてくことが大切だと思います。

 

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