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7.11宮城山形を視察 国有林の緑の回廊を尾根筋風力発電でつぶして台無しにするなどありえない

7月11日はあいにく雨模様。

本部2名は、会報107号の表紙にもなった「宮城山形北部風力発電」(事業主アメリカ資本:GPIグリーンパワーインベストメント)の計画地の視察に出かけました。

以下の写真は全て、Wクリックで大きくなります。

 

熊森作成予想図

 

設置予定地は、国有林の尾根筋です。

 

 

 

 

 

 

 

 

現地に向かいます。

この奥に、奥羽山脈が見えるはずなのですが、雨で見えません。

 

 

 

 

 

 

 

現地に近づいてきたら、雨がやみ、写真が撮れました。

奥羽山脈というのは、なだらかで低い山です。標高600メートルぐらいしかありません。

高さ140メートルの風車を建てたらどんな感じになるか、尾根筋に風車の絵をあとで入れてみました。

風景台無し、圧迫感がすごいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

計画地まではすでに、宮城県から山形県に抜ける立派な舗装道路がついています。

風車を運ぶときはもっと道幅を広げ、道路のカーブでは特に周辺の山の木々を大量に伐採しなければなりません。

次に、山の命である尾根を平らに削って尾根に広い道をつけ、セメントの灰汁が出るコンクリートを尾根に大量に流しこみ、水源を汚染します。奥羽山脈ができてから1回もしたことのないことを今回、人がするのです。カネ、カネ、カネ、もうかりさえすればいい、祖先が持っていた山への畏敬の念などゼロです。

道路の真ん中にクマの糞がありました。

ここはクマの生息地のど真ん中なのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

他の車が見当たらないので、道路に車を止めて、道路沿いの山を見てみました。

ブナの実はシイナではなく充実種子でした。ミズナラの実はまだ5ミリぐらいで小さかったですが、8月20日ごろになると急激に大きくなり始めるので、その時が楽しみです。

山ぶどう、コクワ、ヤマボウシ、ミズキ、ナナカマド…液果もそろっています。ハチなどの昆虫もいろいろと飛んでいましたから、おそらく実るでしょう。

西日本から行った者には、ため息が出るほど生物の多様性が保たれた豊かな森です。

この森は東北人だけではなく日本人の宝です。

なぜか、コンクリート製の電柱がずっと道路に沿って立ち並んでいます。

 

 

子連れグマに会わないように声を出しながら山の中を覗いてみました。

クマよけスプレーを忘れて来たので、いざという時はすぐに車に駆け込めるようにして観察です。

この道路がなければ、ここは野生の王国だったことでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中も下層植生に被われ、クマたちが棲めるすばらしい森です

 

もし、風車群が設置されたら、この環境は大劣化してしまいます。

熊森は尾根筋風車を絶対に認めません。風車は砂漠地帯に建てるものだと思います。

条例や法律の新規定は、宮城県と山形県の皆さんがどれだけ大きな反対の声を上げてくださるかにかかっています。

 

 

尾根に、青森から蔵王までの日本一長い「奥羽山脈緑の回廊」の標識がありました。

標識の後ろに、宮城北部森林管理署の名がありました。

宮城県の人工林率は50%とかなり高いです。

戦後の林野庁の拡大造林政策が行き過ぎて、私たち日本人は広大な奥山水源の森を破壊してしまいました。

しかし、奥羽山脈にこのような森を残してくださっていたのかと思うと、当時の林野庁の、ここは植林したくないという気持ちが伝わってきて、林野庁の皆さんに感謝の気持ちでいっぱいになりました。

こんな森が保全されていたから、今も東北にクマが生息できているのです。私たちの世代で壊してしまわないよう、声を上げ、これ以上この森を破壊しないように地方自治体や国を動かす責任が、今を生きる私たちにはあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

朗報:地元の人たちがこの風力発電を止めるためにもう動いてくださっており、きちんと会も結成されていたことがわかりました。

 

 

実は今回の宮城行きの目的は、今年6月4日に設立された熊森宮城県支部のみなさんの集いに参加するためです。

支部長、副支部長、事務局の3名の名乗りがあり、熊森設立25年目にしてついに宮城県に支部が誕生したのです。

この感動的でうれしい話は、会報でお知らせしたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宮城県支部の皆さんと楽しいひと時を過ごしました。

 

宮城県支部の皆さんに、宮城県の「クマたち動物ともりとひと」を守るために奮闘していただかねばなりません。

秋に、支部結成祝賀会が予定されています。

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