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静岡県函南町メガソーラー計画業者の一つ(株)トーエネックが住民反対根強いと事業撤退発表

以下に、2023年1月24日、中部電力のグループ会社である(株)トーエネックが函南(かんなみ)メガソーラー事業からの撤退を発表した件に関するニュース報道をまとめます。トーエネックの損益は114億円にものぼるとのことです。

 

2017年、静岡県函南町の山林約65ヘクタールに、トーエネックが、固定価格買い取り制度(FIT)で売電する出力2万9800キロワットのメガソーラーを開発する計画を発表。この事業は、トーエネックが三菱グループの「東京産業」から再生可能エネルギー事業者の(株)ブルーキャピタルマネジメント(東京都港区)を紹介され、FITの事業IDをブルーキャピタルから購入したもののようで、工事はブルーキャピタルマネジメントが担うことになり、25年10月の運転開始を目指していました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、土砂災害などを懸念する建設反対住民の声が強く、函南町は2022年10月28日、町長の同意を得ずに設置を進めているとして2社名を条例違反で公表、経済産業省に情報提供も行いました。これにより、法令順守を前提とするFITの認可が取り消される可能性も出ていました。

 

函南町議会が全会一致で建設に反対していただけではなく、静岡県議会も昨年末、全会一致でこのメガソーラー計画の静岡県林地開発許可取り消しを求める請願を採択しています。

 

にもかかわらず、川勝平太知事は「林地開発許可取り消しを求めるに至らない」と不思議なコメント。この事業が今後どうなるのか注目されていたところです。

 

熊森から

 

計画地を写真で見ると、住宅街のすぐ上にある山の斜面によくこんな広大な切土・盛土開発を考えたもんだとあきれます。

熱海の土石流事故以降、もはや現在、経産省はこんな危険な開発事業に認可を出さないのではないかと思いますが、どうでしょうか。

いかにこれまでの経産省の認可基準が甘かったか、地域住民の被害を考えていなかったかということで、国に猛反省を促したいと思います。

これまですでに経産省が発行したFITの事業IDの総点検が、至急、必要だと思います。

 

トーエネックは山梨県甲斐市菖蒲沢でもブルーキャピタルと組んでメガソーラー事業を推進していましたが、山梨県から工事の不備が指摘されたり、住民の反対運動が大きくなったりで、途中から撤退してブルーキャピタルに事業を転売。その後、事業が完成して現在稼働中のこのメガソーラーは、さらに転売され、今では、外資の投資物件となっています。

 

経産省が発行したFITの事業IDがどんどん転売されていく現状に、国は至急、歯止めをかけるべきです。何かあった時、外資だと住民は連絡先もわからず、責任者は誰なのか、どこに声を上げていけばいいのか困ってしまいます。

 

トーエネックは企業としての体面を重んじる会社のようで、事業撤退は評価できますが、残されたブルーキャピタルがこの後どう動くか、地元住民の不安は一層大きくなっているもようです。自然保護団体である熊森も手放しで喜べません。ブルーキャピタルが潔く撤退してくださることを望みます。

 

静岡県行政は、こんな危険な場所にメガソーラーの開発許可を出してしまったことを真摯に反省してほしいです。静岡県議会も全会一致「林地開発許可の取り消し」を採決していますから、後は、静岡県知事が「林地開発許可取り消し」と言ってくださればいいだけの話です。知事、よろしくお願いします。(完)

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