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新潟県胎内市の動物園で、初のくまもりイベントを開催!

2023年5月21日、新潟県のくまもり会員と熊森本部スタッフ3名で、新潟県胎内市にある胎内市樽ヶ橋遊園という動物園で、クマと人の共存を考えるイベントと展示会を行いました。

 

樽ヶ橋遊園は、新潟県で唯一クマを飼育している動物園です。動物園のスタッフさんによるとクマのクーちゃんは、10年前に魚沼市で子熊の状態で保護されたそうです。この動物園で飼育されている動物たちは、多くが飼育放棄されたり、傷病を負ったり、子供だったりで保護された経緯があるようです。かわいそうな動物ばかり集めて飼っている動物園なのです。この動物園を作った人々の優しさに、感服です。

樽ヶ橋遊園で飼育されている、クマのくーちゃん(11) エンリッチメントがしっかりしており、タイヤで遊ぶ姿も見られる

新潟県内では毎年、クマと人の事故が発生し、負傷者が出ています。そのため「クマが里に出たら危険なので」と、不特定多数のクマが捕獲され殺処分される例が後を絶ちません。2020年には、過去最多の660頭ものツキノワグマが捕殺されています。

 

村上市のくまもり会員の佐藤正陽さんは「この状況をどうにか変えたい!」と日々考え、今回の企画に至りました。ご自身もクマが生息する地域に住まれております。

 

本部スタッフはこの1年間、何度も新潟へ足を運び、佐藤さんと、新潟県でクマと人の共存・棲み分けができるように、講演会や地元学習会を行ってきました。

 

今回、クマも飼育されている動物園で、動物を見に来た来園者に、同じ新潟に棲む野生動物であるツキノワグマとの向き合い方をどうするか、ということを考えて頂きたく、イベントを行いました。

イベントでは、クマの実際の毛や糞をみたり、クマの大きさやクマが茂みに隠れたらどのくらい探すのが難しいか、といった展示パネルを来場者の皆さんに見て頂きました。

茂みの写真にのどこに、クマが隠れているかを探してもらいました

 

また、屋外では「クマと出会ったとき&出会わないようにするためにどうしたらいいか?」というテーマで、クマとの急な遭遇を避けるための方法を熊森本部スタッフが実演しました。

クマとばったり遭遇して、逃げられない時の対処法を実演しました

 

そして、最も多くの方が見に来て下さったのは、熊森環境教育部の紙芝居「ドングリの森を守って」です。

紙芝居「どんぐりの森をまもって」の読み聞かせ

イベントを見て下さった来園者の方々からは、次のようなコメントを頂きました。

「紙芝居が感動でした。子供でも大人でもわかる話ですね」

「クマが出たら、実際どうしたらいいのか具体的にわかってよかった。」

「クマって、肉食動物じゃないんですね。」

 

新潟県は、山間地のみならず、平野部や海岸までクマがやってくる場所があるということで、クマ対策講座や展示を見にこられた来園者の皆様に、とても関心を持っていただけました。

 

展示では、魚沼市在住のくまもり会員で版画家の赤祖父ユリさん(81)の動物版画の展示も行いました。赤祖父さんは、動物版画を見て、少しでも野生動物について興味を持っていただきたいと、お話されます。

野生動物の毛の1本1本まで忠実に再現し、野生動物の命のあたたかさを感じさせるような版画に、ご来園の皆様も興味深く見てくださいました。

この日は、新潟県で動物の保護活動を行っている、新潟動物ネットワークの岡田代表(歯科医)も見に来てくださいました。

 

赤祖父さんの版画を囲む、佐藤会員と岡田さん(新潟動物ネットワーク代表)

 

野生動物の本当の姿を知ってもらい、向き合い方を考える。そうした機会をたくさん作って、人と動物の共存・棲み分けができる社会を作っていきたいです。

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