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 兵庫県2010年度、絶滅危惧種 のツキノワグマを、なんと70頭も捕殺 

兵庫県では、クマは絶滅危惧種であり、保護動物です。近年、奥山の実りなしという3度の異常年に、食糧を求めて次々と山からツキノワグマが出てきました。奥山のクマたちの生息地だった山が、人間活動によって大荒廃していることを、クマたちが私たち人間に教えてくれているのです。その結果、目撃数も大変多くなりました。(県行政は、クマ目撃を通報するように強く指導している)しかし、日本一のクマ保護先進県であった兵庫県では、これまでクマを捕殺することは、わずかでした。(以下グラフ参照)
奥山の大凶作年に兵庫県で殺されたクマの数

2004年度・・・・7頭捕殺、
2006年度・・・・4頭捕殺、
2010年度・・・70頭捕殺!子グマも何頭か殺されています。(他に、2頭が作業中に死亡し、11頭のクマが交通事故死したそうです)計83頭のクマが兵庫県で消されました。

クマの絶滅を止め、クマの棲む豊かな森を兵庫県に復元しようと長年、全力で取り組んできたわたしたちの苦労が水の泡となりました。大ショックです。どなたの指示や判断で、兵庫県が突然、クマの大量捕殺に方向転換することになったのか、調査中です。

昨年秋、兵庫県で大量捕殺が進んでいることを察知して(マスコミは報道しなかった)、驚いて兵庫県庁担当部局に電話をしました。

熊森:なぜ、兵庫県はクマ大量捕殺に方向転換したのですか?!これでは絶滅してしまう。他県のように、緊急対策会議をすぐに持ってください。
県庁:その必要はありません。
熊森:他県のように、捕殺数の上限を決めてください。
県庁:予定していません。

熊森:大変なクマ数が殺されています。そのことで。
豊岡農林事務所:忙しくて、1分1秒の余裕もありません。(対応拒絶)

熊森:イノシシ罠への誤捕獲が、大変な数にのぼっています。イノシシ罠は、上部にクマの脱出口がついたもの以外は設置してはいけないように指導してください。
森林動物研究センター:兵庫県は、イノシシ罠にかかったクマは放獣しています。(2010年度兵庫県内のイノシシ罠へのクマの誤捕獲は110頭で、うち109頭を放獣したとのことです)

熊森:これ以上クマを殺したら絶滅してしまいます。クマが集落に出て来ないようにドングリを運びますから、今、どこにクマが出ているのか教えてください。
地元役場:言えません。県に聞いてください。(県は教えてくれませんでした)

せっかく兵庫県井戸知事が、行政と県民との共働を打ち出してくださっても、行政担当者は、わたしたち県民がボランティアで動こうとしているのに、完全無視。これが日本の実態です。何とかここを変えていかないと、絶滅危惧種を守ることすらできません。絶滅危惧種を70頭も殺したというのは、ビッグニュースです。記者さんはぜひ詳細を調べて、記事にしてください。(県民は誰も知りません)

ちなみに、兵庫県では、クマの捕獲は、森林動物研究センターの県庁職員らが担当されており、2010年度は、計211頭のクマを捕獲し、139頭のクマを放獣したということです。これでは、作業者は、過労死寸前の激務となったのではないでしょうか。一方、クマは、捕獲されるたびに全身麻酔や様々な処置を施され、弱っていきます。熊森としては、両者のためにも、捕獲しないクマ対応を進めるべきであると考えます。

ちなみに、近隣府県の2010年度のクマ有害捕殺数は以下です。
岡山県・・・・0頭  滋賀県・・・・9頭  鳥取県・・・・40頭  京都府・・・・58頭

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