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8月9日の環境審議会を待たずに、兵庫県ツキノワグマ狩猟解禁記事の怪

今年度の兵庫県環境審議会鳥獣部会が8月9日に持たれるそうです。

井戸知事や県担当者からは、この審議会の審議を経て、兵庫県がクマ狩猟再開をするかどうか決まると聞いていましたが、すでに新聞紙上には、兵庫県ツキノワグマ狩猟解禁決定報道記事が出ています。

(以下、7月2日読売新聞より)

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上の新聞に掲載された、兵庫県森林動物研究センター研究部長横山真弓氏のコメントは、以下

「数が増え人里に頻繁に現れ始めた。狩猟でプレッシャーを与える必要がある」

 

(熊森から)

常々、横山さんに言わせると、兵庫県の奥山は今とても豊かで絶好調なのだそうです。

クマは、人をなめたり農作物の味をしめたりして里に出て来ているのだそうです。

クマ狩猟というのは、銃でクマを撃ち殺すことですが、横山さんに言わせると、

撃ち殺すこととプレッシャーを与えることが同義語なんですね。

クマたちが聞けば泣くでしょう。

誰だって撃ち殺されたくなどありません。痛いよー。

ここまで「自然」や「他生物の命」がわからない人が、兵庫県のクマ政策を進めている。

恐ろしくなります。

 

兵庫県の野生鳥獣担当部署である兵庫県森林動物研究センターに電話(0795-80-5500)して、センター責任者の方に、どうなっているのかたずねてみました。

担当責任者の答え:新聞記者が勝手に書いた。迷惑している。

 

●兵庫県の政策決定に重大なる疑問

しかし、7月16日の産経新聞にも、8月の県環境審議会鳥獣部会での審議をへてクマ狩猟再開を正式決定する予定と書かれています。審議会で審議する前に決定しているのなら、何の為の審議会でしょうか。協議会であれ審議会であれ、開催して学識経験者たちの意見を聞きましたというポーズだけで、開催前から結論は出ており、結論を既成事実として、開催前から報道していくのなら、兵庫県の方針は、いったい誰がどこで決めているのかということになります。これってみなさん、おかしいと思いませんか?行政にくっついて行政を動かしている表に出て来ない勢力のやりたい放題ですね。

 

クマを狩猟(=スポーツやレジャーとして、山の中を追い掛け回してクマを撃ち殺す)して楽しみたいと思っている県民が一体何人いるというのでしょうか。人間に何もしていないのに、一方的に殺されていく動物たちの痛みや恐怖、悲しみを思いやれる多くの県民・国民の声を、兵庫県は真摯に聞くべきです。

 

●行政発表しか書かないマスコミの報道姿勢も大問題

また、新聞社の報道姿勢にも、大きな問題があります。一方的な行政発表ばかりを記事に書いており、ツキノワワグマ生息推定数940頭に科学的根拠はないと主張している当協会のような自然保護団体の声は一切報道していません。反対・賛成、双方の言い分を書いてくださらないと、県民や国民は何が真実か考える力を失っていくと思います。みなさんどう思われますか。

 

保護で増加のツキノワグマ 11月に狩猟解禁見通し 兵庫

<以下、7月16日産経新聞>

保護で増加のツキノワグマ 11月に狩猟解禁見通し 兵庫

 兵庫県内で絶滅のおそれがあるとして保護してきたツキノワグマについて、県が11月から部分的に狩猟を解禁する見通しになった。平成27年当初の推定生息数が約940頭で、県のツキノワグマ保護計画で「800頭を超えれば狩猟を解禁」に該当するうえ、人に危害を与える恐れも高まったため。ツキノワグマの狩猟が解禁されれば20年ぶりで、8月の県環境審議会鳥獣部会での審議をへて正式決定する予定。

県のツキノワグマ保護計画(27年5月〜29年3月)では、推定400頭未満なら可能な限り殺処分しない▽400〜800頭では原則殺処分▽800頭を超えれば狩猟も解禁−としている。

県森林動物研究センター(丹波市)の調査で、27年の県内推定生息数が約940頭まで増加。狩猟が解禁されると、期間はツキノワグマの冬眠前の11月中旬ごろから1カ月程度となりそうだ。

同センターによると、8年度に県内の推定生息数が100頭を切ったとして狩猟が禁止。15年度には県レッドデータブックでAランク(絶滅の危機に瀕(ひん)している種)に指定されたが、保護対象となったことで推定生息数は順調に回復し、23年度には約650頭になったとして、県はAランクからBランク(絶滅の危険が増大している種)に変更した。

生息数の回復に伴い、住宅地などでの目撃・痕跡情報が13年度に118件だったのが、26年度には831件に増えた。人が襲われてけがするケースも8〜23年度で計16件発生。今年6月には豊岡市や朝来市で目撃情報が相次いで寄せられ、警察などが警戒に当たるなど緊張が高まっている。

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