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10月8日 地元で兵庫県クマ狩猟問題を考える 於:豊岡市民プラザ 参加者12名

地元の人達にも、ぜひクマ狩猟問題を考えていただこうと、JR豊岡駅前に会場を取りました。しかし、前日までの参加申し込みがあまりにも少なかったため、予定していた金井塚先生の講演は取りやめにして、先生には広島に帰っていただき、参加者の皆さんには録画ビデオで先生の講演を見てもらうことにしました。

ところが、うれしいことに、会場には、12名の方が来てくださいました。予定通り、金井塚先生に来ていただいたら良かったと、後悔しました。

 

会場風景

昨日と同じように、会長挨拶、金井塚先生の講演ビデオ、熊森研究員からの発表を済ませ、後半はご出席くださったみなさんとの意見交換会としました。

 

 

<出された主な意見>

シカを何とかしてほしい

・クマを獲りたい猟師は、但馬にはおらん。いても一人くらいや。自分たちが困っているのはシカだ。シカは昔はおらんかった。南から来た。シカが増えたのは、戦後メスジカを保護して獲らないようにしたからだ。人間が獲らないと野生鳥獣は増えていく。

・十数年前までは、さっき見せてもらった東北の山の写真のように、但馬の山も豊かだった。それが今では、爆発増加したシカが下層植生を食べ尽くしてしまった。ゼンマイ、フキ、イタドリ・・・山菜も何もかも山から消えた。

・シカが林道を通って、妙見山から香住、浜坂と移動していく。移動原因の一つは林道だ。今、香住でシカがすごく増えている。クマもかわいそうや。山の中に食べるものがない。トチノミが落ちても、クマが来る前にシカが全部食べてしまう。クマを守りたいのなら、なぜシカを獲る話を出さないのか!山をシカから守る話が先だろう。

 

広葉樹林の再生運動に疑問

・広葉樹林を再生すると言っても、シカが苗木を食べてしまう。シカよけチューブをかぶしても、雪解け時に倒れてしまう。植樹などしても無理だ。シカがいる限り、豊かな森など戻らん。植樹地を網で囲っても、1か所破ってみんな入ってくる。集落は網だらけ柵だらけ。こんなところに若い人は帰って来てくれない。

・広葉樹林に戻して問題が解決するのか。クマやシカが増えるだけだ。クマよりまず人間を守って欲しい。

 

一方向からの話はダメ

・一方的にクマの側からの偏った物言いをされるのは、がまんならん。いろいろな動物や虫、植物、総合的に話すべき。

・山の専門家、シカの専門家、農家、林業家、猟友会…みんなが集まって討議してみてほしい。

 

納得した

・この前、近くの町中で、早朝、クマの親子が歩いていた。集落の柿にも出て来るようになった。どうしてクマが山から出て来るようになったのか、金井塚先生の話を聞いて納得した。クマの目撃は増えているが、県が言っている爆発増加というのは信じられない。

今日、三重県や静岡県では、山主の持ち出しゼロで、県が人工林を自然林に戻してくれるという話を聞いた。兵庫県も早く奥山を補助金で自然林に戻してほしいと思った。県民みどり税で花作りをするようにと言われたが、山の方を先にすべきだ。

 

 

(くまもりから)

・シカ駆除のために罠猟師になられた方も数名参加されていたようで、私たちに厳しい発言も出ました。

・貴重な声を聞かせていただいたと感謝しています。ご参加くださったみなさまに、心よりお礼申し上げます。

・戦後の諸政策や文明の発展方向が、どれもこれも結果的には人々が郡部に住みづらくなるものとなったようです。

・シカ問題は大変難しくて、今のところ私たちの手に負えませんが、ネットで読んだブータンの集落犬のように、シカを殺さずに解決できればと思います。

・専門家が一堂に会してシカ問題のシンポジウムをというご提案をいただきましたが、被害防除の専門家と、いかに効率よくシカを大量捕殺するかという専門家は誕生していますが、それ以外の事はわからないことだらけで、専門家など育っていないと思われます。

・人間が役割を知らないだけで、シカも日本の国土にとって欠かすことのできない貴重な生き物のはずです。

・シカに、草原や湿地という本来の生息地をある程度は返してやり、人とシカが共存できる道を探っていきたいです。

・クマの狩猟問題について考えていただこうと思って企画した会でしたが、地元はそれどころではなく、関心のない問題であることがわかりました。

 

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