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2017-01-05

冬籠りが待たれる新春の「とよ」

雪が降らず降っても雨で、今年も、兵庫県北部のスキー場は稼働できません。スキー場のみなさんは、悲鳴を上げておられます。

今冬も、去年に引き続き、今のところ本当に暖冬です。

 

こんな中、「とよ」お世話隊5名が、今年初めて高代寺山に行ってきてくれました。

この日、最高気温8℃、最低気温3℃で、現地は少し雪が舞っていました。

最高気温が7℃以下になると、熊は冬籠りに入ると言われているので、あと一息というところです。

「とよ」は、獣舎内をゆっくり歩いていました。

新年あけましておめでとうございます。冬籠り前のでっぷり体型です。

 

あんなに大好きだったドングリですが、今はもう全く食べません。

冬籠り準備が終わったからでしょう。

 

ブドウをつるしてやると、これは食べました。

寒いのに、プールに入って鼻ごと水中につけて、水を飲んでいました。(ステンレス製水飲み場が別に設置されており、そこの水も飲みますが、このようにプールの水も飲みます)

寝室には、わらもたっぷり入っています。

 

本日のお世話隊のみなさんです。

 

お世話隊は、最後にみんなで熱いコーヒーを飲みました。

「とよ」は、コーヒーの香りが気になるらしく、寄ってきて、鼻を天に高く上げ、クッと一瞬匂いを嗅いでいました。

クマは、犬のようにクンクンと匂いを嗅いだりしません。いつも一瞬クッで終わりです。判定が早いのでしょうか。

去年の「とよ」の冬籠り入りは、1月21日でした。さて、今年は・・・

新春一番の「とよだより」でした。

 

 

 

環境省のパブリックコメントに応募を! 6年ぶり(クマ類編)ガイドライン改訂 

環境省募集(パブリックコメント)

 

特定鳥獣保護・管理計画作成のためのガイドライン(クマ類)改訂案

平成 28 年2月 環境省主催  クマ類保護及び管理に関する検討会 議事概要

 意見募集要項

募集期間 平成28年12月26日(月)~平成2 9年1月25日(水)まで

 

 ●

今後、クマ類はゾーニング(=棲み分け)管理を行う

 

①コア生息地・・・クマの生息OK狩猟や積極的な個体数調整はできない。(かつての奥山イメージか?)

 

②緩衝地帯・・・クマの生息OK人間とクマが空間的・時間的に棲み分けて生息する。(かつての里山イメージか?)

 

③人間活動地域・・・ここに出てきたクマは、捕獲(≠捕殺)される

 

ア、防除地域・・・農林業地域

イ、排除地域・・・人間の居住地

 

 

ガイドライン案は、63ページもありました。

読むだけでも大変でした。

環境省には、パブリックコメントを得たい項目だけを別紙一覧表にあげて、パブコメを取っていただけたらと思います。

 

ともかく今回、祖先の野生動物との共存の知恵、<棲み分け>が導入されてすばらしいと思います。これは、わたしたちくまもりが20年来、主張し続けてきた共存法でもあります。

 

ガイドラインで決められたいいことは、本当に都道府県・市町村に実施していただけるよう環境省が指導していただきたいと思います。

 

 

例えば、ひとつ前の2010年3月環境省「特定鳥獣保護管理計画作成のためのガイドライン」(クマ類編)には、以下の文言がありました。

●恒常的生息地(コア生息地)

ツキノワグマの本来の分布中心地として、

また、水源涵養など多様な機能を持った森林域として、

クマ類を含めた生物多様性・生態系の維持・回復を図る。

必要に応じて、鳥獣保護区などの保護措置を行うとともに、

クマ類へのエサ供給木を含む多様な樹種で構成される広葉樹林を中心とした良好な生息環境の維持・回復を行い、低地、人里へのツキノワグマ出没を減らす。

 

(熊森から)

100%正しい。この通りだと思います。

6年前の前回のガイドラインを読んで、賛同した方、感動した方も多くおられると思います。

しかし、この6年間、どこかにこの文面に書かれていることを実際に実施された都道府県や市町村はあるのでしょうか。

おそらく答えはゼロだと思います。

国民がガイドライン文を読んで、一生懸命考えて意見を申し立てても、ほとんどが、今後の参考にしますの回答だけ。

すばらしい環境省の指針に安心しても、

誰も実行しないまま、また次の新しいガイドラインのパブリックコメントが求められる。

真面目な国民ほど、ばからしくなってくる。

環境省は新しいガイドラインを世に問う前に、前回のガイドラインに書かれたことがどれだけ達成されたのか、国民に示すべきだと思う。

ガイドラインが美辞麗句だけで終わっているのでは、意味がない。

こんなことが許されるのも、日本に力のある自然保護団体が育っていないからです。

市民力が弱すぎて、国民が環境省になめられているのです。

そう感じました。

(くまもりを、もっと早く大きくしたいな)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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