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2017-12-29

今年最後の仕事、発砲禁止の幕を外してきました

温暖と言われる瀬戸内式気候に属する西宮市ですが、今年の冬はかなり寒いです。

今年最後の仕事として、兵庫県北部但馬地方に設置していた発砲禁止の幕を外しに行きました。

福知山までは雪があまりありませんでした。

しかし、トンネルを出て、但馬地方に入った瞬間、信じられないような積雪でした。

発砲禁止のこの幕が、何頭かの野生動物たちの命を救ってくれたでしょうか。

人間と違って、あたたかい家も食べ物もない野生動物たちにとって、冬は本当に厳しい季節です。

このきびしい自然界のなかで、人間のお世話になど一切ならず生き抜いている野生動物たちに、思わずエールを送りたくなりました。

いろんな考えがあっていいとは思いますが、スポーツやレジャーで野生動物たちを殺すことはもちろん、人間が勝手に決めた生息数にするために彼らの国である山の中まで人が入りこんで野生動物を殺す、これはあってはならぬことだと思います。

 

くまもりは来年も、自然や野生生物に畏敬の念を持って共存する日本文化を取り戻すためにがんばります。

 

今年も1年間、ありがとうございました。

 

良いお年をお迎えください。

日本熊森協会は、1月4日が仕事始めとなっております。

 

 

12月28日 3頭はいつ冬ごもりにはいるのか  太郎・花子・とよ

和歌山経済新聞によると、和歌山城公園の動物園園長であるツキノワグマのベニーが、日中最高気温8度の12月28日、冬籠りに入りました。

 

以下は、くまもりのクマたちの近況です。

 

太郎と花子(和歌山県生石高原)

 

愛知県の会員から、持って遊べるようにと、どっしりとした真新しいアカシアの丸太がプレゼントされました。

12月24日、お世話隊が、その丸太の上に、ノイバラの赤い実が付いたクリスマスのきれいな手作りリースを飾ってあげました。

さかんに匂いをかいでいる太郎

 

太郎は飾りには関心がなかったようで、すぐにリースをバラバラにしてしまいました。

和歌山県生まれの太郎は、冬ごもりをしません。

クヌギ、アベマキのドングリを食べます。

大好きな食べ物は、殻つきピーナツとクルミです。

 

花子は、最後の食い込みでしょうか、12月末というのに、まだドングリを食べ続けています。どうも、今年の秋に与えたドングリの量が足りなかったようです。

アカシアの丸太の周りの殻は、花子が食べたドングリの殻です。

花子はクヌギやアベマキはもちろん、マテバシイ、シリブカガシ、アラカシなど、常緑のドングリでも喜んで食べます。

クリスマスリースの横で、洋ナシをほおばる花子

 

長野生まれの花子は、そろそろ冬ごもりに入ると思われます。

しかし、冬ごもり中でも、お世話隊が行くと起きて来て餌を食べますから、完全な冬ごもりではありませんね。

神奈川県から餌を送り続けて下さっている方がおられます。

飼育者である山田さん一家、和歌山県・南大阪地区・京都府・兵庫県のお世話してくださった会員の皆さん、今年も2頭のお世話を、ほんとうにありがとうございました。

 

 

とよ(大阪府高代寺)

 

とよの獣舎にも、アカシアの丸太が運ばれてきました。

クリスマスのきれいな手作りリースも飾られました。

副住職さんの話では、とよはクリスマスごろからほとんど運動場に出てこなくなったということです。

冬籠りが近いようです。とよは、春まで寝ます。

 

去年までは常同行動をしていたので体が熱かったのか、真冬でも何度もプールに入っていました。

しかし、もう常同行動をしなくなったからか、今年の冬はプールに入りません。プールの水がとてもきれいです。

水飲み場の水は、凍っています。とよは、プールの水を時々飲んでいるそうです。

 

12月28日、お世話に行くと、とよは寝室に籠ったままで出てきませんでした。

寝室の小さな穴からのぞくと、寝ています。

名前を呼ぶと、頭を少し上げてこちらを見ました。

目と目が合いましたが、またすぐに寝てしまいました。

とよが一瞬、頭をあげてこちらを見た・・・

 

 

何と、寝室の引き出し型餌箱が糞尿でいっぱいになっていました。

もう、水や食べ物はいらない。運動場に出るのはおっくう。餌箱をトイレにしてしまおうと思ったのでしょうか。

ステンレスの餌箱なのですが・・・とよ、考えたね。

 

寝室の中は、眠りやすいように、藁が整えられて,真ん中に大きな穴が開けられていました。

寝床はとてもきれいで、糞尿は一切ありません。

この日は、最低気温マイナス0度、最高気温8℃でした。

 

寝室の扉を静かに閉めて、獣舎をみんなでお掃除しました。

掃除後、寝室の戸をあけてやると、とよはゆっくりと出てきました。

 

そして、大きなあくびをしたのです。

その長い舌に、みんなびっくり。

アリやハチを食べるためだよ

 

お世話隊のみなさんをはじめ、多くのみなさんのおかげで、今年も、3頭のクマたちは元気に暮らしました。

大きな愛情でクマたちを包んでくださったみなさん、ほんとうにありがとうございました。

生き物たちの幸せを思い生き物たちを大事にする方は、ご自身の人生もきっと幸多いものになるはずです。

 

とよの獣舎にも、手作りのお正月飾りがかけられました。

毎日とよを見て下さっている住職さん、副住職さんには、感謝でいっぱいです。

12月31日、高代寺では除夜の鐘をつきます。

夜 11:30ぐらいに、くまもりも除夜の鐘をつかせてもらいに行こうと思っています。

お時間のある方は来られませんか。

 

LED等の普及で余る電力 今年のピーク時使用電力2010年比で15%減 原発は不良資源化していく

以下、東京新聞12月25日記事より抜粋

 

<経済産業省の認可法人「電力広域的運営推進機関」の報告書より>

 

今年の夏の電力需要のピークは8月24日午後2時~3時で、1億5554万キロワットだった。

この使用量は、原発事故後最少。

LED等の普及や家庭や企業による節電効果の結果であり、電力需要の減少分は原発26基分に相当する。

 

公益財団法人「自然エネルギー財団」の大林ミカ事務局長談

 

「電子機器などのエネルギー効率化が進み、電力需要は今後も増えないだろう。

日本では人口が減っており、オール電化住宅やEV(電気自動車)の普及が進んでも、一方的に需要が増えることはない。

世界的にも、太陽光や風力の発電コストが下がり、原子力や化石燃料による発電所が不良資源化していく潮流にある

 

熊森から

電気使用量の17%削減に成功したある会社の場合、最も削減に貢献したのは、全施設の照明を白熱灯より消費電力が85%少ない発光ダイオード(LED)照明に変えたこととのこと。

原発不要は当然ですが、といって、尾根筋に林立する風車や、山の斜面をべったり覆う太陽光発電による森林破壊にも頭を痛めている熊森です。

LEDという技術革新や節電が、電力需要の減少にそこまで大きな効果を上げていたことを知って、少しですがほっとしました。

人口減も大切です。

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