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2018-11-13

11月11日くまもり葬 花子ちゃんありがとう 

花子は最後は心臓が弱って獣医さんに診ていただき、お薬を服用していましたが、27才の天寿を全うしたと思います。

熊森永久顧問の故東山省三先生(元和歌山県鳥獣保護連絡会会長)なら、きっとお葬式をされるだろうなと私たちは思い浮かびました。

そうだ、わたしたちも花子のくまもり葬をやろう!

 

11月11日

12:30 葬儀準備開始

 

遺影と焼香台のセット完了

 

飼育者であった山田氏手製のお棺に入った花子を、山田氏らみんなで埋葬場所前に運びました。

 

13:30和歌山県北野支部長の司会でくまもり葬開始

 

くまもり森山名誉会長が、花子を13年間深い愛情を持ってお世話してくださった山田氏にお礼を述べ後、「花子の訃報を聞いて私たちも涙が止まりませんでしたが、ずっと花子をお世話し続けてきてくださった山田家のみなさんをはじめ、お世話補助をし続けてくださったボランティアの皆さんの悲しみはいかばかりかとお察しします。こんなに多くのみなさんに愛されて、花子は幸せだったと思います」と、あいさつしました。

 

次に、喪主の山田氏が、「花ちゃんは、本当にやさしくて人懐っこくてかわいい子でした。もっと生きてほしかったです」と涙ながらに挨拶されました。

悲し過ぎて多くを語れないご様子で、参列者一同も胸を詰まらせました。

 

山田家から焼香が始まりました。

焼香が終わった参列者のみなさんは、思い思いに花子の遺体を触って在りし日を偲んでいました。

 

お花や香典はお断りしていましたが、それでもと届けられたお花や、熊森本部からのお花を、お棺の中に入れていきました。

お花を送って下さったみなさん、ありがとうございました。

花子が花に埋まってしまい、本当に花子になってしまいました。

 

最後に、山田氏と息子さんが、お棺に蓋をしました。

 

山田氏が息子さんの補助を得て、お棺をショベルカーでそっと持ち上げ、事前に掘られていた穴にゆっくり降ろして行かれました。この地区では10年前まで、人間も土葬だったそうです。山田氏が、花ちゃんは焼却場に持って行かず、敷地内に土葬したいと言われたお気持ちがわかるような気がしました。

 

穴の底に置かれたお棺に、参列者一同がスコップ1杯ずつの土をかけ、最後に山田さんがショベルカーで、穴を埋められました。

 

花子がよく抱えて遊んでいた丸太を、みんなで角塔婆の周りに並べました。まるで何かの遺跡のようないい感じのお墓になりました。

 

角塔婆の「月の輪熊 花子の墓」の文字は、13年間花子のお世話に通ってくださった熊森和歌山県支部長の北野さんが書いてくださったものです。

 

この後、参列者一同で、花子の思い出を語り合いました。

 

お世話隊のみなさんは、花子に会うのがとても楽しみで、会うたびに大いに癒されていたということでした。

花子は教えもしないのに、お世話に来てくださった人々を喜ばせようといろいろ心配りをするけなげなクマだったそうです。

「おもてなし上手な花子」ということで、話が一致しました。

クマが人間をもてなそうとしていたなんて、すごい話だと思いました。

 

最後に、「花子ちゃんありがとう」の文字の下で、みんなで記念写真を撮りました。

東京から参列して下さった方は、13年前、花子が神奈川県相模原市から和歌山に移送されて来るときも、車で伴走して花子を安心させてくださった方で、思いもひとしおのようでした。

熊森からは、毎月お世話補助に訪れていた和歌山県支部、本部、京都府支部、大阪南地区が参列しました。

 

再び1頭になってしまった太郎君は事態を察しているようで寂しげでしたが、見物客から貰ったピーナツを静かに食べていました。

熊森は、今後も太郎君の飼育補助に通います。

天におられる東山省三先生、これからも私達を見守っていてください。

太郎と花子のファンクラブに飼育寄付金を送り続けてくださった全国の皆様も含め、花子を愛してくださったすべての皆様のこれまでのご厚情に、改めて深く感謝いたします。

 

熊森から

飼育者の山田さんやご家族は、家族が亡くなったとの思いで、深い悲しみの中、次にしなければならない作業に動きに動いてくださいました。

 

また、お世話隊のボランティアのみなさんも、訃報を聞いて次の日すぐに駆けつけ、花子の遺体をきれいに拭いてくださったり、寝室をきれいに片づけたりして連日通ってくださいました。葬儀終了後も残って、汚れた寝室を水洗いするなど、黙々と働き続けてくださっていました。

 

私たちにとって、他生物も人間同様、この地球上に生きる仲間なのです。

 

一方で、クマの推定生息数をコンピューターで計算し、自分たちが勝手に決めた適正数に低減させようと、罠を掛けて次々とクマを捕殺するように指示し、遺体を解剖しては論文を書いている人達もいます。彼らにとって、クマはまるで物です。気の毒に、彼らにはクマの命の尊厳などわかりようがないのでしょう。細分化された科学が、全体(命)を見れなくしているのです。

 

大事なのは人間の命だけという西洋思考の人間至上主義は、やがて人類を滅ぼします。

 

日本は戦後、すっかり西洋文明に染まってしまった感がしますが、いい面は取り入れ、良くない面は変えていかなければならないと思います。

 

 

 

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