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2021-04-17

母グマは死んだ子グマを見守っていたと判明 男性を死亡させたヒグマを駆除しない方針 厚岸町

以下、北海道新聞から

 

釧路管内厚岸町は13日、町内の山林で山菜採りの男性(60)がヒグマに襲われ死亡した10日の事故で、このクマの駆除はしない方針を決めた。

現場近くに冬眠穴と子グマの死骸があり「母グマが子グマを守るために起きた偶発的な事故の可能性が高い」との専門家の見解に基づき、継続的に人を襲う恐れは低いとみている。

ただし周辺への立ち入りには引き続き、注意を呼び掛ける。

事故現場の近くで見つかったヒグマの巣穴画像
道立総合研究機構エネルギー・環境・地質研究所自然環境部(札幌)の釣賀一二三研究主幹らが12日、現地を調査。男性が襲われた現場から約30メートルの場所にクマが冬眠した穴があり、穴の近くで、木の枝に首を挟まれて息絶え、数日が経過した子グマの死骸が見つかった。
町は、「母グマによる子グマの防衛行動」の有害性は低いとする北海道ヒグマ管理計画に基づき、駆除は不要と判断した。(木の枝に引っかかって動けない子熊の体長 60センチ 死後4日が見つかる)
熊森から
今回、釣賀一二三研究主幹が事故現場を調査してくださり、現場近くに冬眠穴と子グマの死骸があることを発見してくださって感謝申し上げます。
また、厚岸町が、「母グマによる子グマの防衛行動」の有害性は低いとする北海道ヒグマ管理計画に基づき、駆除は不要と判断したことにも、感謝申し上げます。
門崎允昭当協会顧問(札幌在住)はいつも、動物の行動には必ず理由と目的があると強く訴えておられます。今まで、行政はそういう方面に目を向けてきませんでした。
安藤誠当協会顧問(釧路在住)も、今回の死亡事故には、母グマが子グマの死骸を守ろうとしていた背景があったということ、このような事実を知ることがクマを理解しクマとの共存に向けて取り組む上でとても大事なことで、熊森HPにぜひこのニュース第2弾を掲載してほしいと電話をしてこられました。
これまでクマは、いったん人身事故を起こせば、背景など調べてももらえず、問答無用で殺されてきたばかりか、罠を設置することによって罠にかかったクマは、事件に関係無関係を問わずすべて殺されてきました。(昨年の古平町での男性行方不明事故で、クマ捕獲罠3基設置、古平町はかかったクマを殺処分)
北海道で、やっと人道的なヒグマ対応が始まってきたのでしょうか。私たちが訴え続けてきたことが、世の中に認められ始めてきたのでしょうか。熊森にとっては、とてもうれしいニュースでした。
このような野生動物対応は、人間社会をも優しく温かいものにします。大歓迎です。この記事を報道してくださった、北海道新聞にも感謝です。(完)

 

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