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2021-11-12

兵庫県養父で人身事故 クマが出て来ないように熊森本部が柿もぎに出動するもすでにクマは駆除

(以下、ネット情報)

兵庫県養父市でツキノワグマによる人身事故

11 月1日の朝 7 時頃、農道で散歩中の夫婦が突然前から向かってきた体長約100センチの熊に襲われ、夫が首をひっかかれて軽いけがをし、妻は逃げようとした際に転倒して肩の骨を折る重傷。
夫は持っていた杖を振り回したが、首をひっかかれという。熊は山へと去っていったということです。
市は防災行政無線などで注意を呼び掛けています。

 

熊森本部が現地を訪れることができたのは、 11 月4日です。

以下は、地元を取材してわかったことです。

事故現場の様子。クマは道の奥から手前に向かって歩いてきた。道の左右は高さ約2mの金網柵が延々と張られており、双方、逃げ場がなかった。

当日の朝、いつものように高齢ご夫婦がウオーキングをしていたら、ご主人の先 10m ほどを歩いていた奥さんが、30mほど前からこちらに歩いてくる 1 頭のクマに驚く。背中を向けて走って逃げようとしたはずみで躓き転倒。肩の骨を骨折し動けなくなった。

ご主人はとっさの判断で近寄ってくるクマの方に向かっていき、持っていたストックでクマを突こうとしたところ、クマに首を引っかかれ負傷。クマはそのまま、走って逃げた。

ご夫婦はクマ鈴はご持参されていなかった。1 週間ほど前からクマが集落のカキの木にきてカキを食べていた。

 

【事故現場付近の様子】
クマとご夫婦が歩いていた農道は、左右を総延長何キロにもわたって金網柵で囲われていたため、クマも人も農道の外に逃げられなかった。

【お怪我をされたご夫婦に】
クマ鈴を持つこと。クマと出会ってしまったときはゆっくりあとずさりすることをお伝えする。

【事故当時のクマの行動】
現場付近を調べたところ、当時のクマのものと思われるクマだなやふんなどの痕跡を 50か所で確認。クマはご夫婦と鉢合わせになる前に、地区で柿を食べて移動中。人と出会ってしまい恐怖のあまり、点々と脱糞しながら逃げていったもよう。

事故後、クマが逃げながらしたと思われる糞。中身はカキだった。クマは人と出会うと恐怖のあまり、脱糞しながら逃げることが多い。

逃げたクマの行く先を追うと、山の尾根を抜け山裾のカキの木に到着。幹にはごく最近柿を食べに来たクマの爪痕が残っていた。

【事故後の行政の対応】
11 月 1 日にクマ捕獲用檻を設置し、11 月 4 日の早朝に罠にかかっていたクマを殺処分。事故を起こしたクマかは不明。

 

クマが来たと思われる場所付近で、地元の要望により、柿もぎ開始

民家近くの毎年クマが登りに来ている柿の木の枝を、所有者の依頼で伐る。

この柿の木は、幹の伐採を依頼される

【区長さんから】
カキもぎをしてくれる人をずっと市に要望していたので、やっと派遣してくれたとうれしかった。(熊森注:行政からの連絡なし。熊森がニュースを見て独自に出動)

【作業】
11 月 4日は2名、5 日は 5名で、午前 10 時から作業し、昼を食べて 16 時ころまで、柿の木を伐倒したり、枝を切ったり、実をもいだりした。
地元の方は、山にスギを植えたが、管理ができないまでに植えすぎてしまったと反省されていた。クマは怖いから近くにいてほしくないが、山にはいるべきだと言われた。兵庫県のクマの駆除数を伝えると、そんなに殺していたのかと数の多さにおどろかれていた。

熊森さんにはまた来てほしいと、喜んでもらえた。

 

 

熊森から

クマが山から出て来なくてもいいように、山に柿やクリなど実のなる木をたくさん植えてやりたいです。

以下は、今回の活動に参加した西宮の大学生の文です。

(大学生の感想)

今日は野外での活動ということで熊森の活動の一端に関わることができ、とても有意義な時間だったと感じました。クマの命を救うことができず残念でしたが、地元の方々から聞き取りをしたり、新たなクマとの接触を避けるために柿取りなどを行うなど実践的な活動を体験しました。

日本熊森協会がこの6年間で行ってきたクマの人身事故後の再発防止対応は、今回で10件目だそうです。

その中でわかったことは、事故は人間側の行動一つで未然に防ぐことができるということです。例えば、この10件のうちクマ鈴を持ち歩かれていた方は0名でした。クマに、人間の存在を知らせる音が届いていなかったのです。持ち物一つで、人がけがをするか、クマが殺処分されるかという大きな事件に発展してしまうんだと思いました。

 

 

【野生鳥獣ご担当の行政の皆様方へ】

熊森は、野生動物を殺さず、かつ人間の命や安全も守る方法で被害対策を行います。人身事故が起きた原因を究明し、再発防止指導をします。クマを殺す前に、誰かがけがをしてしまう前に、クマが出てきて困っているときは熊森にご連絡をいただきたいです。ぜひお願いします。

 

日本熊森協会本部 野生鳥獣担当 TEL0798-22-4190 メール:field@kumamori.org 担当:水見

兵庫県佐用町 なぜ?ウッドデッキで寝そべるクマ、衰弱し殺処分に

配信

以下、産経新聞11月2日記事
兵庫県佐用町上三河の民家で、ウッドデッキに横たわるクマ(佐用町提供)

ウッドデッキで横たわったままのクマ=兵庫県佐用町(町提供)

 

 

 

熊森から

熊森スタッフたちが現場を訪れました。まわりに住宅が多くある場所でした。
地元の方から聞いた当時の様子を、以下にまとめます。

・10 月 31 日

朝、家の裏の茂みから動物の唸り声が聞こえた。
12時ごろ、ベランダに毛の白いクマが寝ているのを発見した。クマは、人間の存在に気づき、動き出した。様子が変で、前足を使いほふく前進をしながら庭の茂みへ逃げた。目を離すと、また、ベランダで寝ていた。クマの息は荒くて、後ろ足が動かなく、かなり衰弱している様子だった。
すぐ行政に届け出た。自分は、クマを怖いと思ったが、衰弱する姿はさすがにかわいそうで、水ぐらいは与えてやりたいと思ったが、外には出られなかった。警察と行政職員がクマの見張りを行った。

・11月1日

昼頃、兵庫県森林動物研究センターの職員が来て、安楽死させた。

死期を察して、天敵に狙われないように、屋根付きのベランダに来たのではないかと思った。

 

熊森から森林動物研究センターに電話して、「こういう時はわざわざ殺処分しなくても、もうそっと死なせてやったらよかったのではないですか。死期を察したクマが、人間を信頼して山から出てきたのだと思います。クマは殺されたくてウッドデッキに来たのではないと思うんですが」というと、「おかしなこと言いますね。人身事故が起きたらどうするんですか。そんなこと言う人はいませんよ」と言われてしまいました。

熊森と森林動物研究センターのみなさんとは、このような時、いつも意見が合いません。

みなさんは、はどう思われますか。

11月8日 飼育グマが取り持つ仲間たち 和歌山県生石高原で、3支部会員が交流

他生物への共感が、自然保護活動の原点です。

 

以下は、和歌山県真造支部長からの投稿です。

 

11月8日にたろうちゃん、くまこちゃんのお世話をしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日は和歌山県支部の6名に加え、京都府支部から6名、石川県支部から8名、本部から2名の計22名の方が一堂に会しました。

 

おしゃべりをしながら全員で獣舎の掃除をし、お弁当を食べ、楽しい一時でした。たろうちゃん、くまこちゃんが取り持ってくれた縁に感謝です。

 

石川県の皆さんは久々のくまこちゃんとの再会を、京都の皆さんは初めてのご対面を喜んで下さっていました。
くまこちゃんは育ててくれた石川県の皆さんに逢えてハイテンションでした。

たろうちゃんは寒さ、高齢のためでしょうか、心なしか元気がなかったのが気掛かりです。

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