くまもりNews
3月27日 兵庫県千種町、15年前に皆伐したスギ人工林跡地での生態調査(本部)
ここは標高1000メートルの斜面です。積雪は、多い時には4メートルにも達します。
2000年に人工林が皆伐された後、熊森も含め、いろいろな団体が、シカよけ柵を付けて実のなる木の植樹に挑戦しました。
しかし、春先の雪解け時に、雪が斜面を滑り下ってシカよけ柵や苗木をぎ倒してしまうため、苗木が育ちません。現在は、ササやススキなどに覆われる草原になってしまっています。
2014年7月撮影
3月27日に訪れると、まだ1m前後の雪に覆われたままでした。このような環境で、いきものたちはどのようにして食糧を確保しているのでしょうか。
雪面をよく観察すると、まず動物の足跡に目をひかれました(写真上)。
足跡の多くはウサギで、先を辿ると、低木に行き当たります。芽の部分にウサギ独特の刃物で切り落とされたような食痕があり、その近くにウサギの糞が落ちていました(写真下)。
数は少ないのでしょうが、兵庫の山にまだウサギが生き残っていた!(うれしくなりました)
低木や幼木の木の芽や樹皮が、ウサギの食料源になっていることがわかります。
周りに残された人工林は、スギやヒノキの単一林で、林内に動物たちの食糧はありません。
また、この場所では、シカやイノシシの足跡や食痕、糞は確認されませんでした。局所的にみられるブナの木には、クマの古い爪痕が見られました。新しいのは見つかりませんでした。
大型野生動物たちは、みんなどこへ行ってしまったのでしょうか?
調査当日は春先の温かい日でした。日の当たるところでは、雪が解けて足跡が消えてしまい、どの動物の足跡か、はっきりしません。と言って積雪時は、ここには入れません。
来年は、自動撮影カメラなどを使い、冬季間の動物の生態調査をしてみたいと思いました。