くまもりNews
病状深刻につき、安静中の「とよ」
- 2019-08-11 (日)
- 大阪府 | 豊能町誤捕獲クマ「とよ」
多くのみなさんに愛されている「とよ」は、現在、病状が深刻です。
体をできるだけ動かせないようにと獣医さんに言われており、安静が必要な状態です。
といって、とよに動かないように伝える手段がありません。
放っておくと、プールが大好きなとよは、プールに入ってしまいます。
そこで、8月7日、本部職員とお世話隊メンバーで、とよが寝室から少ししか出られないように、寝室前にバルコニーを造って閉じ込めようと突貫工事を行うことになりました。
バルコニー部分を設けようと思ったのは、とよが糞尿は寝室外でする習慣があるので、排泄時はバルコニーに出てきてトイレを済ませられるようにとの配慮からです。
もう最近は毎日の日課になってしまいましたが、この日も、本部職員は朝9時に高代寺に向けて、本部事務所を出発。
獣舎に到着すると、プールに入ってはいけないと獣医さんに言われているのに、やっぱりとよはプールに入っていました。
背中にはこのプールに住みついているカエル君が乗っかっていました。
プールに入って気持ちよさそうにしているとよ まつ毛が長いです。
餌を見せると、プールから上がろうとしました。しかし後肢が動かないため、なかなか上がれません。
前足の力だけで動いているとよ
この日は夜9時までかかって、みんなでバルコニーを造りました。電気をつけながらの作業です。
ついに完成したバルコニー 外は真っ暗
翌朝8月8日に行ってびっくりしました。バルコニーから出ようとして、とよが暴れたみたいです。床材を持ち上げてバルコニーの入り口に立てかけており、これでは、バルコニーにも出られません。あわててみんなでとよにつぶされないよう、バルコニーの補強工事を施しました。
ところが、次の日8月9日の朝行くと、またまた、とよがバルコニーの木の床を持ち上げて噛んで壊していました。
みんなで今度こそとよにつぶされないようにと、補強工事をさらに追加しました。
バルコニーに出られるようにしてやると、とよはあわててバルコニーに出てきて、2回分の多量ウンチをしました。きっと、寝室でしたくないと、がまんしていたのだと思います。
次の日8月10日の朝行くと、やれやれ、バルコニーはやっと無事です。
賢いとよは、学習したのだと思います。
バルコニーに顔出ししたとよ
獣舎がある場所は山の上ですから、夜は涼しくなりますが、日中はさすがに暑いです。
お世話隊の皆さんが、扇風機や冷風機を獣舎に持ち込んで、寝室とバルコニーに閉じ込められたとよが熱中症にならないように、日中は寝室内に風を送り続けてくださっています。
寝室前に、扇風機や冷風機の持ち込み
食べものも至れり尽くせりで、人間でも食べられないいい物を与えています。
寝室内で食事するとよ(食欲は旺盛)
本部スタッフとお世話隊は、毎日高代寺に詰めており、日中ずっと、とよの見守りを続けています。
住職さんたちも毎日のぞいてくださっています。
ボランティアさんの中には、仕事を休んでまで駆けつけてくださる方々もおられ、みんなとよが心配で、とよの回復を祈り、連日涙ぐましい努力を続けているところです。
一体、あの元気すぎるほど元気だったとよの身に何が起きたのでしょうか。
次ページに、経過を報告させていただきます。