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報道関係者に公開:北秋田市阿仁の新設ヒグマ舎「くまくま園」

 経営破綻した秋田県八幡平熊牧場に残されたツキノワグマとヒグマの終生保護飼育を受け入れてくださった阿仁熊牧場(北秋田市)は、新設のヒグマ舎を7月14日に報道関係者に公開しました。

 

施設設計にあたっては、熊森の提案もいれていただき、動物福祉に配慮したこれまでにない良い施設になっています。

 

以下の写真は、熊森スタッフのSさんが、先月の6月26日、急ピッチで工事が進む「くまくま園」を訪れた時の模様です。ヒグマ全頭が元気であることを確認してきてくれました。

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プールと運動場

 

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ヒグマ全頭の個室が並ぶ、明るく清潔な獣舎と、クマたちの運動の場にもなる廊下

 

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どのヒグマも、とてもおだやかないい表情で、飼育者に甘えていた。

 

7月19日にはオープニング記念式典が予定されており、熊森も招待されています。熊本県のPRキャラクター「くまモン」も午後1時にお目見えです。

 

7月15日のネットには、ヒグマたちが広々としたプールで水浴びをする動画をアップしているメディアもありますので、是非ごらんになってください。何回見ても、楽しい気分になります。https://www.youtube.com/watch?v=ab8LudGeHC8

 

阿仁熊牧場は、ツキノワグマ6頭も2012年に引き取ってくださっており、既存の施設で飼育、公開してくださっています。

 

 八幡平熊牧場での事故後、残されたクマたちは安楽死させるしかないだろうという声が渦巻く中、熊森が一大決意をして、残されたクマたちの全頭救命・終生保護飼育運動に立ち上がり、街頭に立ったり会員に呼びかけたりして、わずかの期間に1200万円を集めた時のことが、思い出されて感無量です。

 

 わたしたちをはじめ、生き物たちの命を大切に思う多くの人達たちの夢が実現できてうれしいです。それと共に、いきものたちに優しい対応をとってくださった秋田県に、感謝の気持ちでいっぱいです。


 
入場料は大人700円、中学生以下300円。連絡先は熊牧場を管理する同市の第三セクター、マタギの里観光開発0186(84)2612です。

⑦誤捕獲グマに対する国の対応規定はどうなっているのか

クマ等の野生動物は、「動物愛護法」や「鳥獣保護法」によって対応が国に規定されています。

法律というのは、大きな網の目で規定されたもので、個々の具体的な対応は、環境省が出す様々な文書で規定されます。

 

誤捕獲グマについては、平成23年に環境省が告示した「鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針」が、平成24年から平成29年まで使われることになっています。以下は、この指針に記載されていることです。(以下の赤線は、熊森によるもの)

 

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第4、鳥獣の捕獲等及び鳥類の卵の採取等の許可に関する事項2

(6)捕獲実施にあたっての留意事項

 ② ツキノワグマの生息地域であって錯誤捕獲のおそれがある場合については、
地域の実情を踏まえつつ、ツキノワグマの出没状況を確認しながら、わなの形
状、餌付け方法等を工夫して錯誤捕獲を防止するよう指導するものとする。ま
た、ツキノワグマの錯誤捕獲に対して迅速かつ安全な放獣が実施できるよう
に、放獣体制等の整備に努めるものとする。

 

(7)捕獲物又は採取物の処理等

さらに、錯誤捕獲した個体については原則として所有及び活用はできないこ
と、放鳥獣の検討を行うこと、狩猟鳥獣以外においては捕獲された個体を生きた
まま譲渡する場合には飼養登録等の手続が必要となる場合があること、また、捕
獲許可申請に記載された捕獲個体の処理の方法が実際と異なる場合は法第9条第
1項違反となる場合があることについてあらかじめ申請者に対して十分周知を図るものとする。

 

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(9) 保護の必要性が高い種又は地域個体群に係る捕獲許可の考え方

地域における生息数が尐ない等保護の必要性が高い種又は地域個体群に係る捕
獲許可は特に慎重に取り扱うものとし、継続的な捕獲が必要となる場合は、生息
数や生息密度の推定に基づき、捕獲数を調整する等、適正な捕獲が行われるよう
図るものとする。このような種については、有害鳥獣捕獲と紛らわしい形態を装
った不必要な捕獲等の生じることのないように各方面を指導するとともに、地域
の関係者の理解の下に、捕獲した個体を被害等が及ぶおそれの尐ない地域へ放獣
させる等、生息数の確保に努めることも検討するものとする。

 

<熊森から>

近隣府県はどこも、それぞれ大変な中、誤捕獲グマを100%放獣されています。生息地であった奥山が大破壊されたままであるという問題が全く手付かずであるため、誤捕獲グマの放獣だけでクマ保全ができるものではありません。しかし、まず、助けられる命は助けること。豊能町は誤捕獲グマを一日も早く、放獣していただきたいと願います。

 

放獣にあたっては、クマ放獣に慣れている近隣府県のクマ担当者に会いに行って納得できるまで話を聞かれたり、放獣専門業者に放獣してもらったりしてください。

7月13日 草と共存する自然農の米作り 第1回草刈

植えた苗は草に負けずに、育っているでしょうか。

本日は、田植え後、第1回目の草刈です。自然農では、草抜きは草の命を奪うことになるので、やりません。草は刈るだけです。曇り時々雨の草刈日となりました。

草は根元から刈り、その場に置いていきます。畦の背の高い草も刈ります。

風の流れも、稲の成長になくてはならないのです。

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下の田んぼです。自然農では、草の中にイネの苗が育っています。

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良く育っていた苗です。水位加減が良かったのかな?

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根付くのが精一杯?で頑張っている苗です。周りの草に覆れておりました。これから大きくなってね。

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下の田んぼです。草刈りもラストスパートです。写真の上部は草の勢い強くて、草をかき分け苗を探しながらの草刈となりました。宝探しさながらです。残念ながら苗がなくなっている個所には、残しておいた苗を補植しました。

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上の田んぼの横の空き地に蒔いた黒豆も草の中から、大きく育っていました。周りの草を刈っておきました。ところで、 田んぼの中も、この大豆畑も、小さな生き物たちの多いこと・・・。除草剤、化学肥料、農薬などの化学物質を一切使わないと、生き物たちがあふれる田んぼになります。全生物と共存する持続可能な農業です。鎌の周りに常に動く物があります。思わず手を止め、見入ってしまいます。作業になりませんね・・・

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本日の作業終了、お疲れ様でした。次回は、2回目の草刈です。苗も草も一緒に大きくなってくださいね。

6月30日 本格的な炭まき  於:大阪府箕面市

炭を撒いて酸性土を中和し、枯れかけているマツやドングリの木々を次々と元気によみがえらせておられるくまもり群馬県の川嵜支部長が、日本奥山学会の発表の帰りに1泊して、大阪府で、本格的な炭まきを見せてくださいました。

 

炭撒きにご協力くださったのは、NPO法人箕面山麓保全委員会のみなさんです。   実験木に選ばれた木は、60年ぐらいたっているコナラの大きな木で、すでにカシノナガキクイムシが幹にいくつか入っており、虫よけの為の粘着防虫シートがかけられていました。しかし、これまでの経験では、今年の夏には枯れてしまうだろうということでした。

 

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オスのカシノナガキクイムシが、コナラの幹に穴をあけたため、木くずが白い粉に見える

 

熊森本部は、奥山を中心に活動しているので、箕面市の里山で、ナラ枯れがこんなに広がっているのを初めて知りました。

 

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土壌の酸性度は PH3.7。(地表3.6、地下7センチ3.8)かなりきつい酸性土です。   周囲に深さ10センチぐらいの穴を掘り、根にあたるようにまいた炭は約40キロ。1本の木で、これだけの炭をまくのかとびっくりしました。木酢液なども使われました。くわしくは、NPO法人箕面山麓保全委員会のホームページをご覧になってください。

 

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土と炭を混ぜ込みながら、炭を埋めていきます。さて、このコナラ、どうなるか楽しみです。効果は3か月後にはもう出るそうです。

 

炭まきが終わってから、近くの山を歩いてみました。ナラ枯れ防止やシカ除けに、多くの人々の力が使われていました。里山を守るために、NPO法人箕面山麓保全委員会のみなさんたちが、涙ぐましい努力をされているのがわかって、頭が下がる思いでした。

 

近くの山には、炭をまいていないにもかかわらず、カシノナガキクイムシにあけられた幹の穴から、どろりとした樹液を出してきて、虫と闘っている最中の木が何本か見られました。元気な木は、こうやって樹液を出して虫に打ち勝っていきますが、弱った木は樹液を出せないので枯れてしまいます。

 

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虫が開けた穴から樹液を出している木

 

NPO法人箕面山麓保全委員会が炭まき実験をされたのは、今回が初めてとのことです。いい結果が出るといいですね。   NPO法人箕面山麓保全委員会のみなさん、熊森川嵜群馬県支部長、熊森飯島石川県副支部長、みなさんありがとうございました。

 

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  NPO法人箕面山麓保全委員会、熊森群馬県支部長、熊森石川県副支部長、熊森本部

 

 

6月23日本部 奥山で炭まき候補木探し

男性3人女性3人で、梢枯れしている木を探しに、兵庫県の奥山へ入りました。酸性雨で弱っていると思われる木を見つけ、炭をまいて元気になるかどうか、実験するためです。

以前やった時は、買った炭を粉にするのが大変でしたが、今回は粉炭を安い値段で入手することができました。土壌改良剤として売られているものです。ラッキ—。さっそく5袋買いました。

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男性は一人7キロ、女性は一人2キロの炭をリュックに背負って、急な尾根筋を登っていきます。背中の炭のせいで、体のバランスがうまく取れず、足元がふらふらします。

標高700mあたりは、アセビヶ原と名付けようかと思うほど、地面はシカの食べないアセビの稚樹で埋まっています。周りはコナラやリョウブ等の広葉樹の自然林です。尾根の左右は全く違う山です。

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 尾根筋

 

まず、尾根の右側の山。この辺では普通ですが、全山スギの人工林。

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動物の棲めないスギの人工林

 

尾根の左側の山。この辺では珍しく残った広葉樹の自然林。

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昔はたくさん動物が棲んでいたであろう広葉樹の自然林

早く背中の炭を降ろしたいのですが、なかなか弱った木が見つかりません。2時間ほど歩いて、標高950mあたりで、やっと梢枯れしている木を2本見つけました。ここまで登ってきた限りでは、この山では、弱っている木がほとんど見当たりません。

見つけた木は、2年前に根の周りに炭をまいた木でしたが、元気になっていませんでした。炭の巻き方が少なかったのではないかと思い、もう一度、近々この木の周りに炭をまいてみることにして、とりあえず、この日は、炭を置いてきました。

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梢枯れしたミズナラ

 

印をつけた木の下で、記念撮影

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それにしてもこの辺りは、みごとなディアラインです。さぞシカが多いのだろうと思われますが、糞がほとんどありません。この時期は、シカはここにはいないのでしょうか。だとしたら、どこへ行ったのでしょうか。それとも、大量駆除の罠にかかって、みんな殺されてしまったのでしょうか。住んでいない者にとっては、わからないことだらけです。

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尾根から谷へ下りて帰ることにしました。途中、ブナの巨木の前で記念写真。それにしても、広葉樹林なのに、表土がなくなって根が地表にたくさん出てしまっています。周りには、枯れかけて、ほとんど軸だけになってしまったチシマザサがポツポツ生えていました。

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谷を伝って下山しました。

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今回は、目の前に小さな虫がずっと付いてきてうっとうしかったのですが、1日中奥山を歩いたのに、動物たちの気配が本当に少ししかありませんでした。広葉樹の自然林なのに、動物が棲めなくなっている。人間活動が原因なのでしょうが、原因も良くわからない。対策も良くわからない。本当に困ったことです。

 

昔は、谷川のまわりが赤くなるぐらいサワガニがいて、それを食べに来たイノシシが、両岸をまるでブルトーザーが入ったのかと思うほど掘り起こしていたと、この山ではありませんが、この地方の昔の山を知っている人に教わりました。わたしたちは、生き物があふれていた、そんな、ほんとうの森を見て見たかったです。

 

 

 

 

 

いきもり但東町大河内

今回のいきもりは豊岡市但東町大河内の旧国道426号線にある、封鎖されたトンネルの上にある植樹地へ行ってきました。

 

 

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この廃トンネルの上を登って行きます。

 

今回の作業は2008年の植樹地に設置されたフェンス内側の下草刈りとフェンスの補修計画及び簡易補修です。

 

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苗木生育を助けるため周辺の下草刈りを行っています。

 

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フェンスの大きさの計測と補修計画を立てています。広さは何と60m×30mもありました。フェンスの中(右側)と外(左側)の植生の違いは、シカが採食するかしないかです。どちらが本当の自然なのか、問題になる場面です。

 

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最後はフェンスが雪で倒れ鹿が入っていた部分ですが、鉄柱と針金を使って簡易補修しています。

 

雨が降ってきたため今回は早めに切り上げましたが皆様の頑張りにより予定の作業を終えることができました。

 

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サルナシの実がなっていました。

 

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熊がシロアリを食べたと思われる枯木

 

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最後に皆で記念撮影

 

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帰りに但東町の田んぼアートを見て帰りました。色んな種類の稲で色彩を表現していて大変綺麗でした。

 

今回私は本部職員として最後のいきもりとなり来週からは新天地で働くこととなりますが、自然保護活動に対するボランティアの方々の熱心さや情熱、勤勉さは忘れられないものとなりました。短い間ではありましたがこの経験は私の将来にも活かされると思います。本当に有難うございました。
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<熊森から>

みんなが、人生のある時期だけでも、自然保護活動に従事してくださるといいですね。生を受け、命を支えてきてくれた地球に感謝し、環境保全に汗を流すのは、誰人にとっても当然でしょう。

 

 

 

第3回日本奥山学会発表会が盛会裏に終了(速報)

80名の参加者を得て、第3回日本奥山学会の発表会を盛会裏に終えることができました。

 

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会場風景 6月29日 関西学院大学法科大学院(兵庫県西宮市)

 

日本奥山学会は、市民がお金を出し合って立ち上げた学会です。利権や権力とは全く無縁ですので、研究者の正義感と良心だけに基づいて発表できます。

 

記念講演、特別講演、研究発表や実践報告、いずれも高い倫理観と使命感を持ったみなさんに今年も発表していただくことができました。

 

今年は、行政担当者や、大学の先生、大学生、大学院生などの参加がありました。遠くは、熊本県、徳島県、香川県、石川県、愛知県からの参加者がありました。参加してくださったみなさん、応援してくださったみなさん、本当にありがとうございました。

 

またこの日、2014年VOL2-1の日本奥山学会誌が販売されました。日本奥山学会として、胸の張れる大変高い内容です。ご関心のある方はどうぞお買い求めください。1冊860円。

 

 

 

 

6月29日日本奥山学会

6月29日(日)に日本奥山学会を開催します。

13時より関西学院大学法科大学院(大学院2号棟)で行います。参加ご希望の方は事前に日本奥山学会事務局までお申込みください。

参照http://kumamori.org/

地図はこちら

 

 

開会

記念講演 広島大学名誉教授 中根周歩先生「水源の森としての奥山保全の意義」

特別講演 麻布大学獣医学部教授 高槻成紀先生「シカ問題は山問題–シカと植物の関係という視点から」

活動報告 川嵜實「松枯れ対策としての炭まき活動とその成果」

調査報告 高野信夫「間伐による植生回復と植林地の問題点等について」

調査報告「人間活動が熊の食生に与える影響」

閉会

 

 

 

大阪豊能誤捕獲クマ③ 同一個体群として生物を見るべきなのに、行政の厚い壁が救命を阻む

6月21日(土)22日(日)、大阪豊能誤捕獲グマのその後が気になるものの、行政が休みに入ったため、連絡がつかなくなりました。これまでも、こういう命に関わる大事な時に限って、よく土日に入ってしまうのです。   6月23日(月)、大阪府庁に問い合わせると、放獣するところもなく、貰ってくれるところも見つからず、このクマはずっとまだ、ドラム缶檻に入れられたままということです。水とハチミツだけはやっており、ドラム缶は屋内に入れてある。クマは生きているということです。いろいろと配慮していただいていることはわかるのですが、立つこともできない狭いドラム缶の中に、4日間も閉じ込めたままでは、動物虐待になります。自分がこのクマだったらと思うと、想像しただけで、耐えられません。とにかく、ハチミツではなく食料を与えてやってほしいとお願いして、この後、くまもりは、このクマの放獣に向けて、精いっぱい動いてみました。大阪や京都のくまもり会員たちも、有力者に頼むなど、陰で動いてくれました。   その結果、見えてきたのが、行政の厚い壁です。クマは絶滅寸前種なのですから、行政としては連携して守らなければならないはずです。しかし、現実問題としては、捕獲された市または町で放獣するという、決して動かせない鉄則が、行政にはあるのだそうです。今回の場合、豊能町で誤捕獲されたので、豊能町内で放獣する以外に放獣の道はないという他行政のみなさんの答えでした。   これまで多くのクマの放獣を手掛けてきた行政のみなさんは、「クマを放獣して問題が起きたことは一度もない。豊能で放獣しても、クマは直ちに兵庫か京都の山に帰る」と言われます。しかし、大阪府や豊能の担当者は、未経験ですから、クマを放したら、その場にとどまるのではないかなどという不安も当然、持ってしまうわけです。くまもりが間に入ることによって、他府県であっても、行政同士、連携し合って助け合って、絶滅危惧種に対応していただけないか、あちこち飛び回ってお願いしてみたのですが、行政の厚い壁は動きません。   本当に悲しくなりました。このクマは、兵庫の山から出て来たにしろ、京都の山から出て来たにしろ、自然界に行政の線引きはなく、<近畿北部地域個体群>に属するクマです。クマは人間によって近々絶滅させられる恐れが大きいため、ワシントン条約でも、保護するために厳しくいろいろなことが規制されています。日本でもこれからは、地域個体群として市町村行政枠を超えて、みんなで対応するように切り替えて行かないと、クマの保全はできないと思います。   こうなったら、大阪豊能誤捕獲グマ問題の解決は、国に乗り出してもらうしかありません。国有林に放獣するなどの、地方行政を超越した手段が必要です。くまもりは、環境省に大阪豊能グマ問題の解決を投げました。

大阪豊能誤捕獲クマ② 飼い主を探すのではなく、山に返してやってください

6月20日(金)、大阪府が、兵庫県と京都府の行政にクマの放獣をお願いしたが断られたので、動物園などの貰い手を探しているという情報が、くまもりに入ってきました。   これまで、野で大きくなった後に捕獲され、動物園や施設で飼われることになったクマのうち、クマのストレスが高じて悲惨な結果になった例が、いくつか思い起こされました。   第一、これまで、くまもりもクマの貰い手を探し回ったことが何度もあるので知っているのですが、誤捕獲されたクマを貰ってくれるところなど、まず、ありません。 しかも、クマは広い山野を駆け巡って 生をまっとうする動物です。   豊能町や大阪府庁にすぐに電話をしました。   いったん野生で大きくなったクマを獣舎に閉じ込めて飼育することは、クマにとって限りなくストレスです。山に返してやることが一番です。すぐ、放獣してやってください。     長年、クマの保護に関わってきたくまもりとしては、とてもていねいに説明してお願いしたつもりです。 この時、担当者から、クマはイノシシ罠からドラム缶檻に移されたことを教えていただきました。     捕獲場所を地図で確認すると、住所としては大阪府ですが、大阪府、京都府、兵庫県のちょうど境です。このクマは、京都府または兵庫県の生息地から出て来たことが考えられます。京都府でも兵庫県でも、どちらにしてもクマは絶滅危惧種であり、イノシシ罠に誤捕獲された場合、行政によって100%放獣されています。 今回のケースも、お願いすれば、行政の連携によって放獣していただけるだろうと、くまもりは思いました。

フィード

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