捕殺強化で、人身事故は無くならない!クマとの棲み分け・共存のために本当に必要な対策を求めて環境大臣宛要望書を提出!!
東北を中心とした大量出没により、秋田県では、直近の発表で2138頭のクマを捕殺、全国のツキノワグマ捕殺数の3割~4割に当たるような数です。さらなる捕獲の強化を求めて、クマを指定管理鳥獣にする動きがでています。しかし、それでは問題は全く解決しません。
人身事故を減らすためにも、エサ場の再生、棲み分け・共存のための環境整備が必要と、環境省に要望書を提出しました。全国の支部や会員と協力し、今後も声を広げています。
大量出没は極端なエサ不足
戦後の拡大造林後にできた放置人工林の深刻な荒廃や道路、ダム、リゾート施設などの奥山の大規模開発に加え、近年は、急激な地球温暖化の影響と考えられるナラ枯れの大発生、花粉を運ぶ昆虫の激減による山の生産力の減少、それに追い打ちをかけるような大規模風力発電施設の建設等の奥山での再エネ開発などにより、クマの本来の生息地に十分なエサ資源と生息環境がありません。そのため、クマは、過疎と高齢化の進む集落周辺に移動しており、ドーナツ化現象が起きていると考えられます。
本来の生息地の荒廃に、今夏の異常高温が加わり、秋の冬ごもり前に過去にないエサ不足が起き、今回の事態を引き起こしました。
乱獲は地域的絶滅を招く
人身事故が過去最多になり、クマを鳥獣保護管理法上の「指定管理鳥獣」にすべきとの動きが出ていますが、クマは、シカ・イノシシと異なり、生息数も少なく、繁殖力が弱い動物で、捕殺の強化は地域的な絶滅を招く恐れもあります。
人身事故を減らすためにすべきは捕殺ではない
クマの人身事故の大きな要因は、至近距離でのクマと遭遇してしまう環境が集落や民家の周りにたくさんあることです。これを変えなければ、いくら捕殺を強化しても、人身事故は無くなりません。
また、今年の東北のように奥山にエサが皆無のときに、クマが里にまで出ず、食いつなげる環境整備も必要です。
要望事項
1 人身事故や果樹被害を防ぐため、クマ対策専門員の配置を
2 根本対策として、生息地・奥山の広葉樹林の復元を
3 山の実りの凶昨年、集落にクマが出ないよう、山裾に「クマ止め林」を
4 乱獲を招く大量捕殺を規制してください
5 クマの生息地での再エネ開発にストップを
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