2024/01/04
くまもりNews(岩手県クマ生息地にて熊森撮影)※写真についての説明はページ下に掲載
新年早々に起きた能登半島地震で被災され、悲しみや不安を抱えて過ごしておられる方に心からお見舞い申し上げます。
東北を中心に山の実りが極端に悪く、餌を求めて山から出てきたクマと人の事故が多発。クマへの恐怖を煽る報道が連日流れる中、人身事故が多かった秋田県などでは大量捕殺に歯止めがかからなくなりました。
クマの捕殺数は11月の末時点で、ツキノワグマ7248頭、ヒグマ957頭といずれも過去最多となりました。捕殺されたクマのなかには、厳しい自然の中では弱い立場にある親子連れの母グマや親離れしたばかりの若いクマたちがたくさんいました。
これだけの捕殺数を受けても、環境省は、クマを鳥獣保護管理法上の指定管理鳥獣に指定し、ただでさえ歯止めのきかない捕獲規制をさらに緩和しようとしています。
社会は、「人か」「クマか」という対立構造に陥っています。しかし、そこからは良い解決策は出てきません。クマをはじめとする生きものたちが長い年月をかけてつくりあげてきた水源の森により、私たちは生かされています。人も守りながらクマとも共存の道を歩むことでしか、持続可能な未来は開けません。
大量捕殺で鳥獣被害は解決しません。熊森は、人身事故や農作物被害を減らしながら、クマなどの生き物たちと棲み分ける取り組みを本部中心に続けてきました。全国に支部活動が広がっており、今後、北海道や東北にも取り組みを広げていきたいです。
問題を抱える地域に寄り添い、そこに住む人たちと一緒になって、解決に取り組んできたのが、日本熊森協会の自然保護活動です。
2024年も、思いを同じくするたくさんの方と、水源の森保全、野生動物との共存をめざして、ぶれずに、まっすぐ進んでいきたいです。
2024年1月
一般財団法人 日本熊森協会 会長 室谷 悠子
【写真について】※写真中央下から3分の1のところに、隠れているクマの顔が見えています
山の中で、人の気配を察知して、じっと動かず身を隠しているクマ
生きものたちは人に遠慮しながら、接触を避けて生きています。
クマも同じです。生きものをよく知り、相手の立場にも立って考えることが共存の第一歩です。
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