くまもりNews
4人亡くなっても、まだタケノコ採りを禁止しない秋田県行政・鹿角市行政、東北森林管理署及び支所の決断力と行動力のなさ
- 2016-06-15 (水)
- _クマ保全
6月14日現在、鹿角市関係者に電話で聞くと、4人亡くなってさすがに現地にタケノコ採りに入る人は減ったけれど、まだ何人かは根曲り竹の竹やぶに入っているそうです。来る人が減ったので、稼ぎ時だと張り切っているそうです。(もう、唖然として言葉を失います)そろそろこの場所でのタケノコの時期は終わりで、この後のタケノコ採りは、標高の高い所へと移動していくそうです。しかし、5人目の死者が出ないという保証はどこにもありません。
行政、警察、森林管理署、皆さん毎日現地に赴き、市道と林道の通行止めを知らせ、他の道からタケノコ採りに入る人たちには、「気を付けて下さい」と、声をかけておられるそうで、連日もう大変だと思います。
熊森は当初、商業用のタケノコ採りはクマの生存を危うくするので、やめさせてほしいと訴えてきました。業者の車が、国有林内に横付けされているというので、どこの何という業者かたずねましたが、どこの人かさっぱりわからないという答えでした。「車のナンバーを警察に届けたら、直ちにどこのだれかわかりますよ」と教えてあげましたが、調べる気はないようでした。(関わり合いたくない?)
熊森は途中から、タケノコ採りを全面禁止しなければ、死亡事故が続くと判断し、<タケノコ採り、全面禁止>を強く要請しました。ちゃんと森林法で林産物の窃盗は犯罪と規定されていますから、自信を持ってタケノコ採りを全面禁止してくださいと、どの部署にも強く強く訴えたのですが、「私に言われても・・・」「国有林は禁止したらいいが、民有林は所有者の許可を得たと言われたら止められないし・・・。民有林の土地所有者も境界もわからないし・・・」と出来ない理由ばかり言われるので、「毎年の山林課税一覧表を見たら、山林所有者にはすぐ連絡がつきますよ」等などいろいろ教えてあげたのですが、さっぱり動く気配がありません。みなさん忙しい中、熊森の話をじっくり聞いてくださるいい方たちなんですが、公務員として、おじいさんおばあさんの命を守らねばという強い責任感や、「よーし、動こう」という決断力がないのではないでしょうか。みなさんはどう思われますか。こうなったら、市長さんや県知事さんの鶴の一声で、「死者4人は異常事態。今年はタケノコは不作、これ以上クマたちの食料を奪ってはいけないので、タケノコ採りを禁止する」と言ってもらうしかないのでしょうか。余力のある人は、市長さんや知事さんに訴えてみてください。
一方で、無実のメスグマを殺すことはする。こちらは絶対に許せません。このことは次のブログに書くとして、熊森本部にはいろいろな方からのメールが届いてきます。その中から、一つご紹介します。
・国有林や他人の山に許可なく立ち入りできない訳
日本の山には民法上の所有権があり、山は所有者の財産です。許可なく入れば損害賠償や刑法上の罪に問われる可能性があります。森林法に立ち入り禁止に関する文言がないのは、上位の民法、刑法で禁じられているからです。森林窃盗罪が成立するのは森林が財産だからです。
森林窃盗罪(ウィキペディア)・・・本罪の客体は「森林より産出する一切の物」(森林産物)であり、有機的産出物(森林内に生育している松茸やタケノコ等)だけでなく、無機的産出物をも含むとされる。したがって、例えば熔岩が森林の台地を成している場合、その熔岩は森林産物にあたる(東京高判昭和46年10月26日)。
他人の山で所有者の許可なくタケノコ採りを行うのは、日本の法律では森林窃盗罪で、その犯罪を目の前に見ながら止めなかった行政職員や森林管理署職員は窃盗の幇助罪に問われます。窃盗物であるタケノコを売った店も、窃盗に加担したことになり、罪に問われます。
以上、どう思われますか。
(熊森から)
誰かに訴えられなければ、自覚できないのでしょうか。
熊森としては、生物多様性条約批准国として、野生動物の餌場を守る義務を持つ部署の担当者が、なぜ黙っているのか、そちらも問いたいです。環境省や林野庁は何をしているのでしょうか。それとも、この国には、厳しい自然環境の中で一生懸命生き抜いているもう一つの国民である野生動物たちを守ってやる部署はないのでしょうか。答え・・・無きに等しい国です。