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2010-11

11/3  京都で4.5トンのクマ用クリを仕分けして発送しました

業者のご好意で、大量のクリを無料提供していただけることになり、このトラックで取りに行きました。なんとトラック4台分のクリをいただきました。

80キロ入ったクリの麻袋を開けて、運びやすいように近くの公園で、17キロの小袋に詰め替えます。昨夜突然という急な呼びかけにもかかわらず、14人の方たちが駆けつけてくださいました。一刻も早く飢えたクマたちに届けてあげたい一心で、手際よく詰め替えが進んでいきます。

延々と並べられたクリ入り小袋。通行人の方たちが、大量のクリにびっくり。クマたちに送り届けると知ると、みるみる笑顔が広がっていきます。業者さん、ボランティアで仕分けに駆けつけてくださったみなさん、ほんとうにありがとうございました。ただちに、クマたちが出てきているところに分散して届けられました。

11/1 兵庫県内クマ捕殺数最大の地元行政に、動物への緊急食糧運搬を申し出る

兵庫県内、クマ捕殺数最大の地元行政に、どこにクマが出ているのか教えてもらおうと思って、電話をしました。

くまもり「このままでは、クマが絶滅してしまうので、なんとか市長さんに緊急に会わせていただけないでしょうか。動物への食糧緊急運搬を行いたいので、ご協力いただきたいのです」

秘書課「市長は多忙のため、無理です。夜も全部つまっています。担当課長なら会えるかもしれません」

担当課長「話があるなら、県の出先である農林振興事務所の担当者に話してください。」

農林振興事務所の担当者「1分1秒の時間もないほど忙しいので、話は聞けません」

くまもり「いつならいいですか」

農林振興事務所の担当者「・・・・・・」(無言)

国民のみなさんも、いろんな行政に電話して、どのように対応されるか、ぜひ試してみてください。公務員は公僕であると習ってきたわたしたちは、活動を始めた当初、行政の対応に目を白黒させるほどショックを受けたものです。例外はありますが、日本の鳥獣担当行政はほとんどがこんな感じです。国民が怒らないからですね。

空手道の宇城憲治先生と対談させていただいたとき、「人間にとって一番大切なものは何ですか」と問うと、宇城先生は即座に「怒りです。怒りを忘れた者は人間ではありません」といわれました。弱者の命を救うために、何とか突破口を探していくしかありません。

全国1280の全クマ生息地市町村に、殺さないクマ対策として、動物への緊急食料運搬を申し出る

発送作業中

10月31日と11月1日の2回に分けて、全国1280のクマ生息地の市町村長さんと鳥獣担当者に、殺さず、しかも集落にも出てこないクマ対策として、山中への動物用食糧緊急運搬を提案するとともに、当協会が可能な限りお手伝いしたいという申し出を、小冊子「クマともりとひと」とともに送りました。このままでは、今年、冬篭り用の食い込みがさっぱり出来ていないため、クマたちは雪上をいつまでも歩き続け、駆除しつくされる恐れがあると判断したためです。

わたしたち人間にとっても、保水力豊かな森を確保しておくことは大切で、それにはクマたちの存在が欠かせません。どうか、くまもりの申し出を受け止めてくださるやさしい市町村が現れてくださるようにと、もう祈りたい気持ちでした。もっともっと会を大きくしないと、クマの絶滅を止められない。

「世界がもし100人の村だったら」著者の池田香代子さんが、ブログで熊森を紹介

(以下 池田香代子さんブログ「感じた 動いた 考えた」より転載させていただきました)

2010年11月01日
熊にドングリを
11月になりました。東京は季節外れの台風を境に、秋を飛ばして早、初冬の寒さです。みなさんの地域はいかがですか。今年の季節のめぐりはほんとうにおかしかった。あの暑く乾ききった夏、石畳のあいだに植えた姫ホトトギス龍が枯れたのには驚きました。宿根草のホトトギスも次々と立ち枯れ、残った株も下の方の葉はまばらで、茶色くたれさがり、まるで幽霊のようです。それでも花の付きはよく、木枯らしじみた風にけなげに揺れています。来年は元気にたくさん咲いてくれますことを。

庭の柿の木も実をつけませんでした。どんぐりもさっぱりです。テレビのニュースは毎日のように、熊が人を襲い、射殺された、と伝えています。まるで原稿のフォーマットがあって、固有名詞を入れ替えているかのようにすら感じます。山に食べ物がないのです。それで、冬ごもりを控えて、熊たちは必死で人里に迷い降りているのです。深夜の住宅街、車のライトとクラクションにおびえ、興奮しながら2頭の仔熊を守ろうとうろたえていた母熊の姿は、忘れられません。

クラクションを鳴らしていた人は、熊を山に追い払おうとしていただけで、むやみに邪険にしていたわけではありません。人里に熊が出る、驚いて人を襲うというのは、深刻な事態です。作物を荒らされることも、同様です。収穫のほとんどを熊や猪や猿に食べられてがっくりと肩を落とす農家さんの姿には、涙がにじんでしまいます。だから、熊の目撃情報に地域には緊張が走り、猟友会の人びとは本業もままならないほど大忙しで、あちこちに呼ばれてこの「害獣」を「駆除」しています。

大新聞には、熊が異常に増えていること、狩猟人口が減っていることが、熊の異常な出没の原因だ、と書かれているそうです。でもこれはとんでもない誤報だと、「日本熊森協会」さんに教えていただきました。こちらの団体は、数年前にも、熊にドングリを、と全国に呼びかけ、大量のエサを山に運びました。もちろん今年もです。お宅の柿の木は、実をつけていませんか? お庭にドングリの実は落ちていませんか? ぜひ、山の熊たちにプレゼントしてあげてください。私は、なにしろ庭の柿もどんぐりも実が成らなかったので、したくてもできないのです。

「くまもり」さんのサイトやブログを読むと、その活動に胸が熱くなります。同時に、環境省のやる気のなさには、怒りを通りこして唖然としてしまいます。つい数日前まで、生物多様性条約 COP10を主催していたお役所とは思えません。熊は、この列島の生態系の頂点に位置する、生態系の王者です。この大型動物が今年すでに2120頭も「駆除」されているのです(9月末現在)。また「クマ」という古語は奥まった隠れたところを意味し、それはすなわち神威、聖なるものを意味します。熊野、熊本、阿武隈などの地名も、そうした古代信仰に関係しています。クマは、この列島にいにしえから暮らしてきた人びとにとって、カミそのものなのです。環境省は、この列島の自然のカミをなんと心得る。

熊と人が共生するには、森のありかたそのものを根っこから考え直すことが急務です。でも、とにかく今年の熊たちの飢えを救わねば。送り先、送り方など、「くまもり」さんにお問い合わせのうえ、どうかよろしくお願いします。

~野生動物たちの楽園にしたい~          第2回福島県国見町広葉樹植樹会

10月30日(土)
「どんぐりの木を植樹しませんか
~ 動物のすめる森復元 第2回福島県植樹会」

〈主催〉日本熊森協会
〈共催〉国見町、桑折町、国見町桑折町有北山組合

福島県国見町が熊森の考えに賛同してくださったことがきっかけで、昨年秋から始まった東北での広葉樹植樹会。動物たちとの共存を願う、東北の方々が集う貴重な機会です。

福島、山形、宮城を中心に東京、神奈川、茨城からも参加者があり総勢44名。
地元国見町、桑折町からは十数名の方々がおいでくださいました。

ここは標高約600mの奥地。アカマツの植林地でした。その伐採地跡に、ブナ、ミズナラ、シバグリ、トチなどの、200本の実のなる広葉樹の苗木を植えていきました。
あいにくの雨天の中でしたが、初対面の方々も、チームワークよくどんどん作業がすすみます。
昨年植えた200本の苗木は、9割が根付いていました。喜びの声があがります。元気な苗木は、私たちの希望の象徴のようですね。こちらはブナ。植樹せずとも、自然に再生しつつある幼木も、たくさんありました。
去年に引き続いて今年も植樹会の世話役をしてくださったくまもり山形県八木支部長から、山形県の今年のクマ状況について、報告がありました。果樹王国山形県では、温暖化のせいもあり、果樹園を、クマたちが棲む標高の高い奥地へ作ることも多いそうです。その果樹園にクマが来て、補殺されています。
集まることが、大きな力に、今こそクマ救えの声を、大きくつないでいきましょう。

今回植えた苗木が大きく育ち、森になるのはいつのことでしょうか。ここには、クマ、サル、イノシシはじめ、いろいろな動物が棲んでいるようです。いつか彼らが安心してすめる場所になるとよいですね。

来年の初夏には、草刈りなど苗木の手入れを行う予定です。成長した苗木の世話は、本当に楽しい作業です。ぜひまた、おいでください。
最後に、国見町佐藤町長はじめ地元の皆様には、今回も準備から当日の車出し、植樹指導など、大変お世話になりました。

心よりお礼申し上げます。みなさま、ありがとうございました。(早く、福島県・宮城県にも手を挙げる人たちが現れて、リーダーが誕生してほしいですね。)

京都市立芸術大学で新・紙芝居を上演!

10月30日から3日間、若ぐま隊メンバー4人で京都市立芸術大学の芸術祭で新紙芝居「もりにひかりを~くまとりんごのものがたり~」を初上演しました。

今年7月の若ぐま隊ミーティングで、「熊森の活動を伝える紙芝居を作りたい」と大学生が紙芝居制作を発案。「クマと共存する心」「皮むき間伐による森の再生」をテーマに、兵庫県宍粟市でクマとの共存を実践されている果樹園の方を取材し、実話を紙芝居化しました。

クマの捕殺が連日ニュースで報道されているので、集まった人は強い関心を持って聞いてくださいました。ある方からは、「おかしいと思ったことには、国民がもっと声をあげていかないかん。君らの活動はすばらしい。がんばれ。」とのエールも。紙芝居を見てくださったみなさん、応援に駆け付けてくれた京都府支部のみなさん、ありがとうございました!
この新くまもり紙芝居を今後もどんどん上演していきたいです。

朝日新聞山梨版に熊森の猟友会会員記事

クマ 「出没」は人間への警告だ
(朝日新聞山梨版 2010年10月29日 より)

20年前仕留めたクマの剥製と米山光男さん=笛吹市御坂町下黒駒

   ■笛吹の狩人、米山光男さんに聞く

 笛吹市御坂町で桃やプラムを栽培する農家、米山光男さん(63)は狩猟免許を取得して43年になる地元猟友会の重鎮。ツキノワグマも7~8頭仕留めた狩人だが、最近頻発する「出没グマの射殺」を批判的にみる。「クマは減っている」と語り、「いま見直すべきなのは、クマの食べ物をなくしてしまった林業政策」と訴えている。(永持裕紀)

 秋から冬に同町下黒駒で米山さん夫婦が営む料理店に、米山さんが撃ったクマの剥製(はく・せい)が飾られている。仕留めた時体重約130キロだった大物とは20年前の2月、御坂山地の山奥で出会った。最初の1発が当たったのに走って近づいてきた。2発目も命中したが、すぐ足元に。3発目でクマは息絶えた。「勝負をかけた命のやりとり」だった。

 20歳の時免許を取ったのは「勝負」が面白いと思ったからだ。けれど、この大物を仕留めたころから、狩りが面白くなくなってきた。山や森、動物の様子が「おかしい」と思えてきた。

 シカが増えた。クマが減っていることと関連があると米山さんはみた。それはクマの好物のドングリがなくなったからだ。御坂の山も椎(しい)やブナなどの天然林が伐採され、針葉樹の人工林に変わった。最近はクマを見かけないと米山さんは話す。「クマもかわいそうだ」

 米山さんは昨年、氏子を務める檜峰(ひ・みね)神社(同町上黒駒)の100ヘクタール近い自然林が県の指導で伐採されたのを機に、知事と環境相あてに「林業政策の見直し」を訴える手紙を書いた。「野生動物や貴重な植物を絶やし、自然界の生態を狂わして、私たち人類まで絶やしてしまうつもりですか」と記した。

 「クマの出没」は、自然が何か大切なことを人間に伝えようとしている警告と米山さんは考える。「出没は今年ドングリが不作だからじゃない、日本中どこもドングリがなくなっているからだ」。クマ絶滅は自然のバランスを崩してしまうと、猟友会員のまま、クマと森の保護を訴える日本熊森協会に入会した。

 人間や作物に危害を加える出没グマはすぐ殺せという声もある。森の変容を見続けてきた米山さんは話す。「元々の原因が何なのか、じっくり見直すべきチャンスです」

首都圏でクマの密猟横行という通報

首都圏のある県のある村で、クマの密猟が横行しているという情報が入りました。県担当者も見過ごしているそうです。これまでわたしたちは、環境省筆頭に、警察や行政担当者がこういう問題に対して全く何もしようとしないのを、ずっと見てきました。日本の森の動物たちは、本当にかわいそうだと思います。守ってやる人も守ってやる所もどこにもないのです。昔みたいに、新聞記者が、危険をおかして暗部の犯罪行為をあばくということも聞かなくなりました。日本人から、勇気という言葉がなくなってしまったのでしょうか。

以前、お会いしたある猟友会の方が、「結局は、有害駆除名のクマ狩猟は、猟友会のモラルの問題なんや。でも、残念ながら、決まりを守って猟をしようという自分みたいな人間は、一部しかおらん。それが、日本の猟友会の実態や」と嘆いておられました。

10月31日 ある町のドングリ運びに17人

10月31日、岐阜県のある町でドングリ運びを呼びかけたら、非会員の方もたくさん来てくださって、17人で運んだそうです。1頭でも殺されるクマを助けたい。みんな一生懸命だったそうです。各地で展開されている熊森のドングリ運び。誹謗中傷をする人たちがいるため、残念ながらほとんどが公表できませんが、活動の輪がどんどんと広がっています。11月15日から狩猟が解禁されるため、ドングリ運び最終日は11月8日となりました。1頭でも多く助けましょう。

日本に残された残り少ないクマたち。もし、全国の学校が協力してくださったら、全部、助けられたのではないかと思いました。大量の自然林の広葉樹が今年枯れてしまったため、来年以降のクマたちの食料、春の山菜、夏の昆虫、秋の木の実が危ぶまれます。大荒廃させてしまった日本の森を一刻も早く豊かな森に戻さねばなりません。動物たちのため人のため。全国の学校、子供達の協力をお願いしたいです。

10月30日 やっとクマが、くまもりのドングリを見つけてくれた!

ここは、クマが今年大量に殺されている町です。もし生き残っているクマがいたら、何とか助けてやりたいとドングリを運んだのですが、前回も食べていません。もうクマがいなくなったのか、または、わたしたちが置くところが悪くて、クマが見つけられないのか。やきもきしながら10月30日に再びドングリを持っていくと、なんと、ドングリの山が消えています。横には大きなクマのウンチが。ヤッター!クマがドングリを見つけてくれた!参加者一同、思わず、歓声をあげました。だんだん、どういうところに置けばいいのかわかってきました。

クマのウンチの拡大写真

ドングリの殻が所々入っているので、確実に食べてくれているのが分かります。新たにドングリを山のように積んで帰りました。11月15日の狩猟解禁日までに何とか食べさせておきたいと、気持ちが焦ります。狩猟が始まると、ドングリ運びは狩猟者にクマの存在を教えることになり、かえって危険です。

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