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2012-05

福島警戒区域で進む殺処分 被曝のら牛あと600頭の救命に立ち上がった人たち  


この6頭の福島警戒区域内ののら牛たちは、餌のない冬を自力で乗り切って子牛を出産までした2ファミリーではないでしょうか。少し前、あと1000頭といわれていた被曝野良牛ですが、罠かけによる殺処分が進んで、残り600頭になっているということです。

昨年の東北震災と福島第一原発事故のおり、行政は被災した犬猫などペットを殺処分の対象とせず、保護できるものは保護されました。本当によくやってくださったと思います。

しかし、家畜は、どんどん殺処分されています。この土地は、放射線量が高すぎてもう人が住めないのですから、野生牛がいてもいいと思います。1年の間に牛たちが大きくなって、たてごや鼻輪が顔に食い込んで顔が腐り始め、苦しんでいると聞きます。こういうものをとりはずしてやって野生にするか、牛を終生保護飼育したいという元畜産家の方々もおられるのですから、そういう方々を支援して飼っていただくかして、何とか命を救ってやれないものでしょうか。

ある福島の元畜産家は、牛はすばらしいペットになりうる。また、このままでは警戒区域内の田畑が草でいっぱいになって荒れていくが、牛を放しておけばきれいに食べてくれる。牛の姿を通して、いつ人間が帰れるかわかるようになるなどとして、被曝のら牛の殺処分に反対しておられます。

今、国がしているように、放射能汚染された土地からすべての生き物を消し去れば、放射能被ばくが生物に与える影響が分からなくなってしまいます。牛を放っておくことは、人間への影響を考える上でも貴重なデータを提供してくれるはずです。
 
たとえ相手が動物であっても、殺さなくてもすむ命を殺さないということは、人間として最低限守るべき倫理です。救命に立ち上がっておられる方々を少しでも支援させていただきたいと思います。

環境省 ナショナル・トラスト法作り、立ち消え

国民がお金を出し合って、守るべき自然を買い取り永久保全するナショナル・トラストは、自然を守るための有効な手段のひとつです。ところが、日本では、なかなかナショナル・トラスト活動が進みません。その理由の一つに、ナショナル・トラスト活動を支援するための法整備がないことがあげられます。

2年ほど前、環境省が、ナショナル・トラスト法作りに取り組み始めたことを知って、ナショナル・トラスト活動を大きく進めている当協会としては、大いに期待しました。先日届いた(社)日本ナショナル・トラスト協会の会報に、今年の全国大会に環境省大臣官房審議官小林正明氏が出席され、「ナショナル・トラスト活動を支援する法律も徐々にできて来ています」と挨拶されたと書かれていたのを読んで、いよいよだとうれしくなりました。

当協会が作成し、雑誌「ビッグイシュー1月1日号」で今年発表させていただいた「日本版ナショナル・トラスト法案」を持参して、意見交換会を持っていただこうと思い立ち、環境省担当部署である生物多様性施策推進室に電話をしました。部署替えによって、以前の熱心だった担当者はもうおられず、新しい方にかわられていました。

くまもり「いよいよナショナル・トラスト法の原案が形になってきたのですか」
環境省「生物多様性地域連携促進法(2011年10月1日施行)が施行されました」
くまもり「ええっ、その法律に、ナショナル・トラスト活動のことなど載っていましたか」
環境省「12条です」

注:12条 国は、生物の多様性の保全を目的として国民又は民間の団体が行う生物の多様性の保全上重要な土地の取得が促進されるよう、これらの者に対し、情報の提供、助言その他の必要な援助を行うものとする。     

くまもり「この一文だけですか。今までと何も変わっていませんが」
環境省「今、新たな法制定は考えておりません」
       
なぜかわかりませんが、私たちが知らない間に、日本版ナショナル・トラスト法を作ろうという話は、国の方で立ち消えになってしまったようです。 

続報 八幡平クマ牧場に取り残された29頭のクマ⑤

5月7日現在、給餌や飼育が無事行われていることを確認しました。食料は1日おきながら、これまで通り病院からの残飯が無料でいただけています。病気かと思われる1頭を除いて、クマたちは元気そうだということです。当協会は今回の事件後、クマたちの食料を心配して、他のクマ牧場に教わってすぐにトウモロコシ粉200キロを送りましたが、ここのクマたちは食べ慣れていないようで、むせていたそうです。ドッグフードはよく食べるということですが、今のところ、食料支援の必要はないようです。

今後のことですが、これだけの数のクマたちを引き受けるだけの余裕がある施設は考えられません。今の施設で、行政や全国の保護団体や保護を望む人たちみんなに入っていただいて、第3セクターで終生飼育をめざすしかないと思います。生き物を飼った責任、飼育許可を出した責任、大人たちが自分のしたことに責任を持つ姿を見せれば、子供たちに対するその教育効果は計り知れなく大きいものとなります。文部科学省がこのプロジェクトに支援金を出してもいいくらいです。

5月10日、新たに獣舎の奥に子グマ2頭が見つかったということで、八幡平クマ牧場に残されたクマたちは、29頭となりました。譲渡先が見つからないということで、経営者の方が殺処分を考えざるを得ないと言い出されているという報道がありました。最も大切にされなければならないのは、命です。大人たちの面子をかけて、絶対にそちらの方向にはいかないようにしてください。すべての関係者にお願いしたいと思います。

4月23日 被曝牛の終生飼育に取り組む「希望の牧場」を訪問 (福島県浪江町)

昨年、「くまもり東北応援基金」を送らせていただいた「希望の牧場」を、訪問しました。この日は強風。線量はかなり高く、若い人には高性能のマスク装着が必要です。タンクにペンキで書かれた「3・12浪江町無念」の文字が、胸に突き刺さります。しかし、まだこの時は、無念の一部しか私たちには分かっていませんでした。

各地から無料で送られてきた牛用飼料が山積みにされていました。現在、飼料は足りているということで、ほっとしました。ここの300頭の牛たちには、食べきれないほどのエサが与えられていました。

被曝牛の決死救命にただひとり立ち上がった希望の牧場吉沢正巳場長に、インタビュー。無念の意味がどんどんわかってきて、胸が痛くなりました。それにしても、この方はすごい人です。会員のみなさんには、インタビューの内容を会報でお伝えしたいと思います。

4月24日 本部4月度 太郎と花子のファンクラブ 

獣舎のおそうじが終わってから、給餌。花子はまだ冬眠中。太郎が大好物のイチゴをたいらげました。

<初参加4名の感想>

・ ここのクマたちは命は助けられたが、本当にこれで良かったんだろうか。ここから出して、広大な大地を思い切り走らせてやりたいと思った。このようなクマたちが今後出ないように、奥山にクマたちの棲める森を早く復元してやりたい。

・ 大きなクマさんが、あげたブドウを一粒一粒ちぎって食べているのを見ていると、何と繊細で器用な動物なんだろう。きっと知能も高いんだろうなと思った。キウイも大好物だが、かぶりついたりせずに、爪で割ってお上品に食べていく。これは意外で、びっくりした。

4月22日 福島県会員のつどい  於:会津若松

3・11から1年以上たちました。会員のみなさんは大丈夫だろうか。お元気にしておられるだろうか。久々に会津若松で、くまもり会員のつどいを持ちました。中通りや会津の会員さんが、お友達も誘って集まってくださいました。森や動物、自然、原発、エネルギー、これからの国の方向・・・大人として責任ある生き方を選択したいと願う真摯な者たちが、これからもつながっていけるようにと願っています。

ちなみにこの日の会津若松の草原上での線量は、0.48マイクロシーベルト毎時でした。(日本の法律では、0.11マイクロシーベルト毎時までが安全とされている)

チェンソー講習会 ステップ1(座学)のお知らせ 5月26日(土) 

熊森本部では、自然林再生のための人工林の強度間伐を、今春より次々と予定しています。実施するにあたっての、技術講習会を下記の日程で開催します。ふるってご参加ください。

ステップ1(座学)
第3回 5月26日(土)  10:00~16:00 

10:00 本部事務所集合

受講料    会員500円 一般1500円

定員      6名(先着順)

持物      筆記用具、軍手、昼食、保険証をご持参ください。

間伐や除伐など、山林の手入れをするのに威力を発揮するチェンソー。といっても、いきなりチェンソーを渡されても、エンジンはどうやってかけるの?

燃料は何をつかうの?などなど分らないことがたくさん!研修会ではそんなチェンソーのノウハウをしっかりと身につけることができます。

●チェンソーを使った安全な間伐研修をステップ1~ステップ3の3段階に分けて開催します。

●伐倒、チェンソー未経験の方でもご参加頂けます。

●軽量チェンソーを何台か本部で用意していますので、女性でも十分参加できます。

●最小遂行人数は3名です。

申込み方法  一般財団法人 日本熊森協会まで 電話・メール・FAXでお申込みください。(担当:斉藤)

☆ご不明な点は必ずお申し込み前にご質問ください。

↓ 講習会の様子

残されたクマたちの対応は動物愛護の観点から進めると、秋田県庁④

熊森本部には、八幡平クマ牧場に残された27頭のクマたちの今後を心配する声が、いくつも届いています。あるクマ牧場の経営者に、電話で聞いてみたところ、全国どのクマ牧場も余裕が全くないため、引き取り手は現れないだろうということでした。年間観光客が1万人以下では経営はとうてい成り立たないので、しっかりとした責任ある経営者に交替し、行政にも入ってもらって第3セクターで、今ある施設を使って終生飼育するしかないだろうと、その方は言われていました。

秋田県庁は、残されたクマたちの対応は動物愛護の観点から進めると発表されています。行政としては、すばらしい決意だと思います。5月1日から、経営者、動物保護団体、行政で、話し合いが始まるそうです。話し合いが、クマたちの生命を守る方向に進むよう、みんなで見守っていきましょう。

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