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2012-11-09
八幡平クマ牧場ツキノワグマ6頭、阿仁クマ牧場に無事移送完了
鹿角市の「秋田八幡平クマ牧場」(廃業)で女性従業員2人が死亡した事故で、同牧場に残されたクマ27頭のうち、ツキノワグマ全6頭の「阿仁熊牧場」(北秋田市)への移送が7日、始まった。
初日は推定年齢7、8歳の雄3頭が移送用のオリに入れられ、トラック2台で運ばれた。到着後、獣医師らが麻酔をした上で健康状態を確認し、冬眠用のクマ舎に移した。残る推定2~4歳の雌3頭は、8日に移送する。
6頭は当面、冬眠用や出産用のクマ舎で飼育して冬眠させた後、来年4月下旬の開業に合わせて、同牧場のツキノワグマと合流させる。
八幡平クマ牧場の元経営者の長崎貞之進氏(68)は「県、北秋田市、愛護団体が頑張ってくれたお陰で、今日までクマを生かしてこられた。感謝している」と話した。
同牧場に残るヒグマ21頭は、阿仁熊牧場の施設を改修後、来年夏以降に移す見込み。県は八幡平クマ牧場の冬期間の除雪などに備え、今月から非常勤職員2人を新たに雇用し、6人態勢で飼育している。
ヒグマは21頭は八幡平で越冬 県、職員増やし管理強化
秋田八幡平クマ牧場に残ったヒグマ21頭は同牧場でことしの冬を越す。廃業した施設で飼育を続けることには住民に不安の声があり、県は秋田八幡平クマ牧場の管理支援に当たる非常勤職員を今月から2人増員し、降雪期の安全管理徹底を図る。
ヒグマは現在、21頭中17頭が敷地中央部にある屋外運動場付きの三つのおりに集められ、飼育されている。ことし4月の死亡事故で6頭が逃げたおりでは 9頭を飼育しており、県は「雪が降り積もって危険な時期には、運動場には出さない。できれば半冬眠の状態で飼育したい」とする。
県は除雪作業に追われる降雪期に備え、今月から同牧場で雇用する非常勤職員を、これまでの3人から5人に増やした。除雪用重機も県費でリースする。
北秋田市は全頭の受け入れを表明したが、前提となる阿仁熊牧場の改修工事の着工は順調にいっても雪解け後の見通し。工事完成の見通しはまだ立っていない。
(2012/11/08 08:30 秋田さきがけ新聞 更新)
●熊森から
本日午後、現地から6頭移送完了の報告電話が入りました。昨日移送された3頭は、麻酔後、馴らし用獣舎に運ばれましたが、麻酔から覚めて、今日は3頭とも元気にしているということです。このぶんだと、うまく移送が完了しそうです。輸送代は当協会が集めた「八幡平クマ牧場クマ基金」が負担しましたが、麻酔代などは、秋田県の獣医師会の皆さんが集められている基金から出されたということです。
心ある多くの方々の善意が集まって、まず6頭の終生保護飼育が実現しました。すばらしいことです。
元牧場主さんや秋田県職員の皆さんをはじめ、今回の移送に関わってくださった多くの皆さん、また、応援してくださった多くの国民の皆さんに、心からお礼申し上げます。
クマたち。元気でね。
本部森再生チーム 11/4 兵庫県北部の積雪地帯・シカ生息地で、柿・栗大苗の植樹実験
これまで熊森本部は、兵庫県のクマ生息地である奥山に、実 のなる木の3年苗、高さ約1メートルを、1万本以上植樹し てきました。これによって、当時、まだシカが入っていなか った町では、簡単に森が復元していきました。 しかし、そのうち、クマ生息地全域にシカが広がりだし、植樹 してもすぐさまシカに苗木を食べられてしまうようになりまし た。 仕方なくシカよけガードを苗木に付けると、当協会の植樹は 奥山積雪地帯の急斜面での植樹であるため、春先の雪解け時に、 斜面の雪がずり落ちて来て、苗木をガードごとなぎたおして いきます。毎年の苗木起こしが大変でした。しかも、苗木に ガードをかけると、苗木が不自然な樹形に成長するため、倒 れやすくなります。 そのため最近は、植樹よりも人工林の7割強度間伐による自 然再生の方に舵を切り替えていました。 何とかシカや雪に負けない植樹方法はないものか…。 熊森調査研究部はこのたび、大苗の植樹を実験的に実施しま した。この苗は育苗実成1年、移植して1年、接木して1年の 3年生育苗で、細根量は3倍以上という特別な苗です。 丈、太さも充分あるので、生育の均一性と生育の早さは抜 群で、従来の苗よりも勝るというもの。苗木の高さは1.8㍍以上 あり、頂芽はシカに食べられません。 丸太杭でしっかり支柱(鳥居型)をして、雪倒れしにくいように しました。庭木としてなら間違いなく育つのでしょうが、奥山の 斜面に植えっぱなしにしますので、うまく育つかどうかはまだ わかりません。来年の5月のゴールデンウィーク前後には結果 を報告できると思います。もしうまく活着すれば、平成のクマ 止め林造りとして、また、 動物の棲める森復元とし て、大苗を大々的に植え ていきたいと思います。