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2012-12
年末にあたって
- 2012-12-31 (月)
- くまもりNEWS | 東北大震災・福島原発 | 熊森の見解
年末にあたって、人類初、4基もの原発が同時事故を起こしたという福島原発大事故で被災し、いまだに救われていない人々、ペット、家畜、野生動植物、自然界に思いを馳せています。
「原発を稼働させないと、日本経済は持たなーい」
「福島より、もっと安全な最新式原発を造るので、原発新設を認めてくださーい」
新聞やテレビなどの大手メディアが、いまだ福島原発事故処理のめども立っていないのに、連日、原発の必要性を説く人たちの声を無批判で報道し続けています。すると、どうでしょう。善良な、日本国民は、
「そうなのかな。やむを得ないのかな。新式だと安全度も高いだろうから、いいかもしれない」
と、一部の人たちが、もう、ゆらぎはじめてきたように見えます。
ちょっと待ってください。3・11から約2年。この間、どこまで深くどんな方法で原発問題を自分のこととして勉強してきたか。それによって、脱原発派であっても、各自、ゆらぎ方に違いが出て来ると思われます。
わたしたち熊森は、日本の森や野生動物を守る自然保護団体として、原発事故で大打撃を受け、必死で勉強して来ました。現在、関東以北は、山の線量が高くて、わたしたちは山に入れません。しかも、山の線量は横ばいで、減る兆しがありません。線量を下げる方法は全くないということです。
この度、74号会報で、お知らせさせていただきましたが、熊森は、福島県国見町のみなさんと、動物の棲める森復元広葉樹植樹会を、2009年2010年と、宮城県で行ってきましたが、現在、現地の山は線量が高くて、一般人立ち入り禁止となっています。広葉樹植樹会再開のめどは全く立っていません。野生動物たちの被曝量も高くて、妊娠中の動物もいます。どんな影響がでるのか、不安でいっぱいですが、予測もつきません。これでは、わたしたちは自然保護活動が出来ません。
事故が起きない原発ならいいでしょうと言われても、人間のすることには、必ずミスがあります。しかも、万々一、事故が起きなくても、原発を動かすたびに出て来る膨大な放射性廃棄物の処理方法が全くないのです。10万年~100万年間も保管しなければならない危険な核のゴミですでにいっぱいで、捨てる所が無くて困っているのが日本の現状です。あらゆる処理法を検討した結果、地中に埋めるしかないそうですが、地殻変動が起きることを考えると、あまりにも未来に対して無責任です。
熊森は自然保護団体であるゆえに、最大の自然破壊となる戦争という紛争の解決方法と、処理法のない放射性廃棄物を次々と生み出す核エネルギーの使用を認めないことを再確認して、2012年度のブログを終えたいと思います。
年間1ミリシーベルトでも高リスクという科学的根拠
- 2012-12-31 (月)
- くまもりNEWS | 東北大震災・福島原発
「地球の子ども新聞」からの情報です。
なぜ日本の法律は、国民は年間1ミリシーベルト以上被曝してはならないと決めたのか
このポスターの大要を以下にまとめます。
アリス・スチュワート博士(イギリス・上ポスター写真)は、戦後、イギリスで白血病児童が50%も増えたことに気づき、原因究明に立ち上がりました。そして、1956年、妊娠中の女性の腹部レントゲン検査が原因であることを突き止めます。
以来、胎児への影響を考え、この検査は世界中で禁止されるようになりました。日本の法律が、年間1ミリシーベルト以上被曝してはならないと決めたのは、博士の、「低線量被曝と病気との関係」を示す研究から来ています。
しかし、博士は、チェルノブイリ原発事故後、年間1ミリシーベルトでも高リスクと考え、世界の科学者1000人と共に、年間0.2ミリシーベルト以下を安全値とするよう、訴えを起こしました。
熊森から
全国民に知っておいてもらいたい情報です。
今年のトピックス 世界人口70億人を超える
国連は、2011年10月に、アメリカ国勢調査局は、2012年3月に、それぞれ、地球人口が70億人を超えたと発表した。以降も、人口爆発はとどまるところを知らない。
これまで地球は、専門家たちの試算によって、100億人以上の人口を支えきれないと予測されてきた。しかし、毎年4万種の生物を絶滅させ、飢餓人口を年々増大させている人間を見ていると、70億人でも、すでにもう、地球が支えることのできる人口を越えてしまっていると感じる。
人間は、ゾウ、トラ、クマなどの棲む豊かな自然を破壊し続け、これらの野生動物たちを害獣と決めつけて、殺し続け、絶滅に追いやっている。この事実からも、すでにもう人類は、地球が支えきれないだけの人口を持ってしまっていると言えるだろう。
森を残し、全生物と共存しなければ、人間も生き残れない。
人類を破滅から救うリーダーが、今、各地に誕生しなければならない。そのリーダーたちは、森を残し、全生物と共存する思想や哲学を、人々に示さねばならない。そのために16年前、日本熊森協会を結成したのである。
<以下、国連資料より>
地球人口の変遷
- 2011年 70億人
- 1998年 60億人
- 1987年 50億人
- 1971年 40億人
- 1961年 30億人
- 1927年 20億人
日本人口の変遷
総務省統計局より
<スマトラゾウ>受難…ヤシ畑荒らす「害獣」毒殺増加 30年以内に絶滅か
拡大写真 |
今年11月10日、インドネシア・スマトラ島リアウ州のアブラヤシ畑近くで発見された、毒殺されたメスのスマトラゾウ=WWFリアウ事務所提供 |
【ジャカルタ佐藤賢二郎】インドネシア・スマトラ島で絶滅危惧種のスマトラゾウが毒殺される事件が増加している。象牙目当てに加え、パーム油の原料であ るアブラヤシ畑を荒らす「害獣」として駆除対象になっているとみられ、自然保護団体はインドネシア政府に対策強化を求めている。
世界自然保護基金(WWF)リアウ事務所によると、スマトラ島中部のリアウ州で今年11月、メスのスマトラゾウ3頭の死骸が発見された。同州では今年、 他に12頭が殺害されており、昨年の計5頭から3倍に増加。同島北部アチェ州でも今月、1頭が白骨化した状態で見つかったほか、3月から6月にかけて、少 なくとも計7頭が殺害された。方法はいずれも毒物を混ぜた果物を使用した毒殺とみられる。死骸の多くはアブラヤシ畑の近くで発見された。
スマトラ島では1980年代から製紙・パルプ用の植林やアブラヤシ農園の開発が本格化し、スマトラゾウの本来の生息地である低地林の3分の2が失われた。現在の生息数は2600頭前後とみられ、85年の推定数からほぼ半減している。
WWFリアウ事務所広報担当のシャムシダルさんは、「ゾウ殺しは毎月のように起きているが、容疑者は一人も検挙されず、地元では『普通の出来事』。当局 は厳正に対処すべきだ」と訴える。WWFは、有効な対策がとられなければスマトラゾウは30年以内に絶滅すると予測している。
兵庫県 クマ目撃数・捕獲数の月別変化に、今年、異変
今年の山の実りは、まずまずでした。それにもかかわらず、今年全国で有害捕殺されたクマの頭数は10月末現在2799頭。大凶作年だった平成22年度の約3分の2を10月末で既に超えています。
今年の異変 秋より夏に大量捕獲
兵庫県では、今年の特徴としてクマの目撃、捕獲、捕殺が春から夏にかけて多く、秋以降は、いずれも激減しました。冬眠前の食い込み用ドングリを求めてクマが里に出て来て撃ち殺されるという従来パターンとは違う、新しいパターンでした。(下グラフ参照)
目撃のピークが8月
夏のクマ大量出没の原因として、クマの夏の食料であるハチをはじめとする昆虫が、山から激減したことが、考えられます。
ハチが激減したのは、カメムシを殺すための農薬ネオニコチノイド使用が原因だという情報が、何人もの会員から届いています。
もし、そうなら、ネオニコチノイド使用の農作物を買わない運動を、国民が起こせばいいと思います。もっとメディアが取り上げて騒いでくれないと、一般国民には伝わりません。
クマが人里に多く出て来たときのこれまでのパターン
目撃のピークが10月
目撃のピークが10月
目撃のピークが10月
くまもり通信74号の発送が無事に終わりました。
- 2012-12-27 (木)
- くまもりNEWS
年末みなさんご多忙な中、今回もたくさんのがボランティアでお手伝いくださったおかげで、くまもり通信74号の発送が無事終了しました。今回の会報も力作です。会員の皆様には、ぜひご意見ご感想をお寄せいただければ嬉しいです。
お手伝いくださった皆様、本当にありがとうございました。心よりお礼申し上げます。
本部スタッフ一同
熊森が兵庫県築谷尚嗣環境部長と30分間面談
熊森は兵庫県庁を訪れ、築谷環境部長さんにお忙しい中、申し訳なかったのですが、30分間、話を聞いて頂きました。課長さん達も、同席してくださいました。
(結果)
兵庫県のクマは激増ではなく、2010年の大量捕殺によって激減しているのではないかという私たちの話は、森林動物研究センターの研究員から聞いている話と全く違うということで、一蹴されました。ただ一つ、野生動物育成林事業が、名目通り野生動物の餌場づくりになっておらず、県民への詐欺であると言う申し出に対しては、平成24年度からはきちんとやると約束してくださいました。
兵庫県にたくさんいると言われているクマたちが、どこにいるのか教えて貰おうと思って行ったのですが、やはりこれは、森林動物研究センターの研究員に聞かなければだめだと言うことが判りました。
熊森は、次、研究員に会いに行かせてもらって、いろいろ教わろうと思います。
30分はあっという間で、いろいろ聞きたいことも聞けずに帰ってしまいましたが、お忙しい中、お時間を取ってくださったみなさんには、お礼申し上げます。ほんとうにありがとうございました。
<以下は、兵庫県農林水産部築谷尚嗣部長に提出した要望書です>
要望書
日本熊森協会
●野生動物の命を大切にする兵庫県に
今の兵庫県は、有害駆除や個体数調整、シカ肉有効利用など殺処分ばかり 推進しているようにみえる。これまで種の大量絶滅をもたらしてきた西洋文明手法を、日本の野生動物対応に取り入れないでほしい。野生鳥獣に生息地を保障し・生息地を再生し、防除を推進し、棲み分けによる共存を復活させるべきだ。動物たちに耐えがたい負担を与えている学術研究捕獲を止めること。
1、森林動物研究センターは兵庫のクマが激増というが、ドーナツ化現象を加味しているか。
・京都府のクマ捕獲数推移資料・・・クマが絶滅しかけているように見える。隣接県でこのような真逆の相違はあり得るのか。
・熊森の痕跡調査では、クマが激増しているとは思えない。集落周辺の痕跡は新しいが、本来の生息地には、古い痕跡が目立つ→本来の生息地に、なぜかクマが棲めなくなっている。
・2011年度のクマ推定生息数の訂正幅が大き過ぎる。科学的推定というのは、こんなにあいまいなものなのか。
・野生動物保護管理審議会に熊森を入れてほしい。
2、クマたち野生動物に安心して住める場を保障してやってほしい。
・人間が奥山に入り過ぎている。氷ノ山の入山制限を。
3、エサ場復元を本気でやってほしい。
①クマ生息地の人工林率が高過ぎる。奥山は強度間伐により広葉樹林に戻すべき
人工林率…宍粟市73%、養父市61%、朝来市66%、豊岡市43%、
香美町43%、新温泉町45%
②ナラ枯れ対策 ミズナラやコナラが大量消失している。
③落葉広葉樹林における下層植生喪失対策 シカや温暖化により下草大量消滅
野生動物育成林事業の欺瞞性 1か所2千万円~4千万円。1か所につき、700万円が調査会社に渡っている。
実のなる木の植林が微小すぎる。<事業検証委員会に熊森を入れてほしい。>
4、読売新聞11月1日論壇主張のように動物管理官に予算を投入(=頭数調整=捕殺)するより、生き物たちの命を大切にする生息地復元や防除にお金を使ってほしい。
・ワイルドライフのマネジメントなど、人間には不可能。できると思っている人は、自然がわかっていないのではないか。
・第一、クマが何頭いるか絶対にわからない。
・適正頭数が何頭か、これも人間には絶対にわからない。
5、森林動物研究センターが知り得た情報を、保護団体に公開すべきである。
・当協会は、GPSからわかるクマ生息場所、捕殺されたクマの理由・詳細データなど欲しい。
・岡山、京都、滋賀は徹底したクマ保護体制をとっており、今年のクマ捕殺数はそれぞれ0頭、2頭、1頭なのに、兵庫のクマ捕殺数15頭、誤捕獲23頭(放獣)2012年10月末現在で、何故原則殺処分なのか。
6、外来動物の根絶殺害が無用の殺生になっている。防除に予算を回すべきだ。
兵庫県に本当にクマが649頭から下方訂正した値506頭(中央値)もいるのか? 熊森自動カメラ設置結果
くまもりはこれまでクマを驚かせたくないので、痕跡調査しかしてきませんでした。保護するためには、それで十分なのです。
しかし、行政のみなさんに話を聞いていただくには、痕跡調査ではだめだということがわかってきました。
そのため、今年、くまもり調査研究部は、これまでクマのその年の新しい痕跡を何度か見てきた数カ所の山で、クマを驚かせ
ない程度に、自動カメラを2台を数回設置してみました。
春
3週間後回収して調べてみると、何も写っていなかったり、いつかの夜やってきた2頭のシカだけだったり、昼やってきたひとりのハンターだけだったりで、動物たちが、シカさえも!このような場所からいなくなってしまっていることが分かりました。
うーん、動物たちはみんなどこへ行ってしまったんだろう。以前は、ドングリを運んでやると、飛ぶように動物たちが食べてくれた場所なのに、今回は、置いたドングリがどこもそのまま残っていました。絶対にクマの写真が撮れると思ったのに、いったいどういうことなのか。
2010年の山の実り大凶作年に、70頭という大量のクマが有害駆除されてしまったからだろうか。今年からは、クマが増え過ぎているとして捕獲原則殺処分で15頭も殺されてしまったので、もうほとんどクマが残っていないのではないか。ウサギが消えて久しいが、タヌキやキツネまで写っていない。なぜかわからないが、これまでいた場所から、動物たちは移動したか、消えてしまったかしている。
兵庫県は、現在、クマが激増したとして、クマを絶滅危惧種のAランクからBランクに落としただけではなく、近い将来、800頭を越えたら狩猟を再開するとまで打ち出しています。行政の方は、兵庫県にクマはいっぱいいますよといつも言って下さるのですが、いったいどこにいるのだろう。謎は深まるばかりです。今年夏、集落の裏で、今年のクマの痕跡を少し見ることは見ましたが。県の環境部長さんに聞いてもらおうということになりました。
12月18日兵庫県香美町で倉庫内にいたクマ射殺 クマの一時預かり施設が必要!
神戸新聞記事で知りましたが、何とも胸の痛む話でした。
このクマは12/15、除雪作業中の女性の背中をさわったそうです。
12/17には、近くの集落でゴミをあさっていたそうです。
12/18倉庫の中で寝ているのが見つかったそうです。
倉庫の中で3時間動かなかったので、「住民に危害を及ぼす恐れがある」と判断され、射殺されたそうです。痩せてガリガリだったということです。メスでした。
「なぜこのクマは、殺されねばならなかったのですか」
熊森は、地元の方に聞いてみました。
支部のみなさんも、殺されたクマ一頭一頭について、地元への聞き取りをお願いします。
それぐらいしないと、クマの絶滅は止められないと思います。
熊森から
何らかの理由で、冬ごもり前の食い込みが出来なかったため、冬ごもりが出来ず、雪深い香美町をさまよって歩いていたのだとおもいます。女性の背中を触ったのは、何か食べ物を下さいということだったのではないでしょうか。倉庫の中で3時間動かなかったら、なぜ、住民に危害を及ぼす恐れがあることになるのかわかりません。倉庫にいることを人間に発見されて、見張りが付けられていたのです。もうどこへも行けないのではないでしょうか。それこそ、倉庫の外に出て行けば、人を襲う恐れがあったとか言われ、即射殺されたと思います。
もし、わたしがこのクマだったら、どんなに悲しかっただろうかと思います。本部にはドングリのストックがあるので、持って行って食べさせてやりたかったです。このようなクマを保護する施設が兵庫県には一箇所もありません。
兵庫県森林動物研究センターについて
旧青垣町の広々とした敷地内にある兵庫県森林動物研究セン ターは、わたしたち一般県民の話をよく聞いてくださっていた貝原知事さんの時代に、野生鳥獣の保護センターとして建設計画が進められていました。ところ が、平成13年7月に、貝原知事が引退されると、突然、研究センターにすると県担当部署官が言い始めました。その時のことは、今もはっきり覚えています。
熊森「そんなあ・・・兵庫県森林動物保護センターですよ」
兵庫県「いいえ、研究センターにします」
熊森「研究だけではおかしい。せめて、名前のどこかに保護という言葉を入れてください」
熊森は、検討委員会で、ひとり必死で抵抗したのですが、突然この時、研究センターにされてしまいました。(ガーン)訳が分かりません。
セ ンターには大きな冷凍庫が設置され、殺されたクマたちが運び込まれます。研究者の先生たちが、クマを何十頭も解剖し続けておられます。わたしたちが中を見 たいと訪れた時、玄関以外は入れませんと断られました。どういう力関係で、突然方針が変えられたのか知りませんが、熊森の力不足で、「野生動物ふれあいの 郷公園(仮称)」で、計画が進んでいたのに、わたしたち県民が望みもしない「研究センター」に変えられてしまったのです。唖然でした。
今、兵庫県に必要なのは、クマの研究ではなく、クマの保護や、クマと のふれ合いだと思います。熊森は、そのような施設の新設運動を進めていきたいと思いま す。
他県の例ですが、行政に頼まれてしばらく保護したクマを、これまで数十頭、春に野生に復帰させてうまくいっている方に、今年、お会いしました。
もし、 兵庫県に、保護センターがあれば、このクマを助けられたのにと、残念です。このクマが、犬であれば、きっとみんなで助けたと思います。もし兵庫県にふれあ いセンターがあれば、クマも犬も同じ動物だということを、多くの方に、理解して頂けて、こちらの面からも助けられたと思います。
12/21 福島県 ツキノワグマ推定生息数、カメラ調査の結果を撤回
県内に生息するツキノワグマの推定生息数について、県が今年度から導入した「カメラトラップ調査」による試算結果を撤回し、来年度以降の調査方法を再検討することがわかった。
カメラトラップ調査は、クマが生息する森にカメラを設置、映ったクマの胸にある「斑紋」と呼ばれる模様から個体を識別し生息数を推定する手法で、 8~10月に西会津町の20か所で実施した。11月に県が学識経験者らによる検討会に報告した調査結果では、推定生息数は514~3384頭と試算してい た。
しかし、この数は過去に別の方法で行った調査(860~1600頭)に比べ最大で2倍以上に上るため、21日に福島市で開かれた検討会で、委員らから「調査区域の設定が限定的で、推定に必要な個体数が少ない」といった指摘が相次いだ。
検討会は、調査の手法自体は有効としながらも、「調査の精度に問題がある」と結論づけ、今年度の調査結果をいったん取り下げ、来年度以降に区域設定や計算方法を再考する。県自然保護課は「調査地点の数や選び方を増やすなど、精度を上げる工夫をしたい」としている。