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2013-02-16
1月27日 太郎と花子のファンクラブ 2頭が作った今年の冬ごもり穴
- 2013-02-16 (土)
- くまもりNEWS | 太郎と花子のファンクラブ
1月24日 本部職員・東京都会員・山梨県支部長ら、クマ保護と森復元を訴えて、東京多摩地区行政を訪問
無念にも殺された1頭の子グマが、1月24日~25日、本部職員、東京都会員、山梨県支部長を動かしました。
新年早々、熊森本部は、昨年12月25日のクリスマスの日に、東京都あきる野市でツキノワグマの子ども1頭が罠にかけられ捕殺された事件を重く見て、現地調査&役場への「クマ保護と森復元」の申し入れに出向くことを決定しました。
こ の母子グマが、民家のキウイを食べたりごみ箱をあさったりしたのは本当ですが、冬ごもり期をむかえて、食い込みができていなかったためです。新聞報道によ ると体長60センチで10キロしかなかったそうです。(痩せてガリガリ)こういう場合、殺すのではなく、傷病鳥獣扱いで、保護対象にできなかったのでしょうか。まして、東 京都のツキノワグマは、絶滅危惧種であり、絶対に守らねばならない対象のはずです。
あとわずかとはいえ、<首都に、野生のクマが棲んでいる>のは、日本国民の誇りです。平成24年度は、前代未聞、東京都では、4頭ものクマを有害捕殺しています。東京都のクマの灯を消すな!わたしたちは、今後のことも考えて、東京都の多摩地区に残されたクマの保護に、全力を挙げて取り組まねばならないと思いました。
関東でクマの奥山放獣に取り組んでいる方に、相談してみました。
「母子ぐまに罠をかけて、子グマだけが掛かった場合は、→その場でただちに放すのがこの世界の鉄則で す。近くに絶対に母グマがいますからね。母グマにとって何がショックと言って、子グマが罠にかかるほどショックなことはない。ここは怖い所だというので、 動ける力があるなら、子グマを連れてどこかへ消えるはずです。母子グマがそろって掛かった場合は、奥地放獣です。東京都に放獣体制がないなら、次回から、うちが放 獣してあげますよ」(熊森が放獣費用を全額負担することは可能です)
うーん。今回のあきる野市の事件でも、この子グマが殺されて以来、残された母子グマの目撃が、ぷっつりと途絶えています。餓死したのかもしれませんが。
絶滅危惧種を守るために、人間側がすべきだったこと。
①短期的
・捕獲された子グマは、ただちに放す。
・母子グマを人里離れた所に誘導し、ドングリなどをたっぷり与えて元気にして、冬ごもりに入れるようにする。それが難しい場合は、母子グマを捕獲して保護施設に収容し、ドングリなどをたっぷり与えて春になったら奥山放獣。熊森が、ただちに大量のドングリを無料で現地に届けることは可能です。
②中期的
・行政担当者や都民への提案や啓蒙
③長期的
・奥山人工林の強度間伐などによる、自然林の生息地復元
→多摩環境事務所(都庁の出張所)
→あきる野市役所 ・人工林率82%
→現場視察・聞き取り キウイ畑(あきる野市)
→青梅市役所・人工林率73%
→奥多摩町役場 人工林率47%
→立川市役所での記者会見
(結論) 食い込みが出来ずに、冬ごもりに入れず、痩せてガリガリになって人間の前に出て来たクマの保護に備えて、クマ保護施設の建設が必要。
●世話やエサやりは、熊森がボランティアで請け負うこと可能。
この子グマは、住民の安全を脅かす危険が高いという理由で捕殺されました。しかし、10キロの子グマに、何の危険性もありません。
今後、現地の方々にクマや森に対する理解を深めていただくために、シンポジウムを開催したり、山の見学会を催したりしていく必要を感じました。