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2013-05-02

4月27日  第16回くまもり全国大会盛会に終了  参加者は、北海道~鹿児島まで

今年のオープニングは、三重県会員が歌う「ありがとう地球」でした。参加者を魅了するすばらしい歌声から始まり、会長基調報告、特別報告、本部活動報告、支部活動報告、会計報告などが続き、第一部は、福岡県支部長の一本締めで終了しました。

 

おかげさまで、第16回くまもり全国大会を、盛会のうちに終えることができました。

準備して下さったみなさん、参加して下さったみなさん、応援して下さったみなさん、本当にありがとうございました。

内容につきましては、次回会報で、会員のみなさんにご報告させていただきます。どうぞ、お楽しみに!

 

以下の写真は、第一部全国大会のもよう

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以下の写真は、第2部、懇親会のもよう

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第2部の司会を務めたのは、結婚・出産で一旦引退した元くまもり職員。母になって戻ってきてくれました。みんなうれしそうでした。

 

くまもり顧問の宮下正次氏(元森林管理署職員)が作られた替え歌、「熊さんドングリだよ」を参加者一同で斉唱するところから、第2部は始まりました。

 

次に、童話作家沢田俊子先生の、今年3月に出された「クマに森を返そうよ」の出版祝いをみんなでしました。

 

テーブル毎の和やかな懇談の後に、第2部も終了となりました。

お元気で!来年もまた、くまもり全国大会でお会いしましょう。

 

4月11日 1999年実施、動物の棲める森復元植樹地を訪問 (兵庫県朝来町)

1999年当時、兵庫県尼崎市立園田東中学校3年生が、義務教育最後の遠足として、人工林地帯の真っただ中の朝来町の山で、スポット状に実のなる木の苗木を植樹してから、13年の年月が経過しました。

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久しぶりに、植樹地を訪れてみました。

早春につき、大きく見事に育ったクリやクヌギは、落葉したまま、または枯れ葉が付いたままの状態でした。ここまで苗木が大きくなれば、シカガードは、今はもう全く不要です。去年の秋、たくさん実がついたらしく、地面には、栗のイガなどが無数に落ちていました。シカの糞が所々に落ちていました。シカがここで、落ちた実を食べてくれていたらいいなと思いました。養分のない痩せ地だからでしょうか、地表は、アカマツの自生苗や、ススキでびっしり覆われていました。

 

当時、美術の先生が願いを込めて作ってくださった記念杭がまだ立っており、なつかしかったです。

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このあたり一帯は、2004年の大雨で、何カ所も人工林が土砂崩れをおこし、長い間通行止めになっていました。現在、道路はきれいに復旧されていましたが、まわりの山は、相変わらず放置された人工林のままで、13年前と比べて、全く山は改善されていませんでした。いつかこの山の景色を、変えてみせたいです。

祝 くまもり小冊子48万部目を印刷  さっそく近くの犬猫病院へ

1冊100円の熊森小冊子「クマともりとひと」は、2002年の国際ロータリークラブ2680地区大会での、森山会長の講演を文字にしたものです。

 

世界的な環境考古学者である安田喜憲先生(現:東北大学大学院教授)は、この本は教科書に載せて、全国民が読むようにすべきだと、絶賛してくださっています。まだ教科書には載っていませんが、毎年、何人もの先生の手によって、いくつかの学校で授業に使われています。

 

2007年に第1刷を発行してから6年目の今年、48万部目を印刷しました。この本を読めば、日本熊森協会が、何をしようとしている会なのか、はっきりとわかります。現在、当協会は契約職員を若干名募集しています。応募される方は、ぜひ、この本を読んでから、志望動機を書いてください。

 

さっそく、近くのかかりつけの犬猫病院に持参して、待合室に置いてもらえるようお願いしましたところ、院長先生に快く受けていただきました。

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貸し出しOKと表紙に書いて、棚に置かせてもらってから2分後、さっそく訪れた方が、持ち帰られました。ちなみに、近くの喫茶店では、1冊100円で売ってくださっています。これまでに30冊売れたそうです。みなさんも、小冊子を置いてもらう所や売ってくれる所を見つけてください。

 

 

4月20日  山菜採りは登山より危険! 福井県警など警鐘

山菜採りの入山禁止を呼び掛ける小矢谷区の看板=勝山市平泉寺町で

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 県内は山菜採りの本格的なシーズンを迎える。ゼンマイ、タラノメ、コシアブラなど新鮮な山菜が食卓に彩りを加えるが、懸念されるのが山岳遭難事故。県警などは対策に万全を期すように注意を促し、山林所有者とのトラブル防止も呼び掛けている。

 県警地域課によると、昨年一年間に警察官が捜索活動をした山岳遭難事故十一件のうち、春の山菜採りに絡む事故は二件。ただ、道に迷いながら自力で下山しているケースもかなりあり、実態はもっと深刻とみている。

 このため県警は、遭難やけがに備え、知っている山に複数の人と入ることを推奨。携帯電話の電波が届かないことも想定し、家族に行き先と帰宅時間を伝えることも大切、とアドバイスする。

 

大野市の荒島愛山会の高松誠会長も「道なき道を登るので、山菜採りは登山より危険」と警鐘を鳴らす。山菜採りに夢中になって急な斜面を登り、気づ いたときには下山できないケースや、山菜で重くなった荷物で疲れが増す危険性も指摘。事故に遭わないためには「まず全景を見てルートを決めてほしい。疲れ たら休憩し、もし夜を迎えたら動かずに雨がっぱなどを着て朝を待って」と話す。

 

山菜採りでは、マナーの順守も重要。勝山市平泉寺町小矢谷区では、無断で入山した人のたばこの不始末で山火事が発生するなどのトラブルが続き、現在は看板を設置し、区民以外の入山を禁止している。

 それでも無断入山者は後を絶たず、同区の中山茂治区長(63)は「家庭で楽しむために管理している山菜を無断で採っていく人がいる。注意すると開き直る人もいる」と憤る。「見知らぬ車や人を見かけ、治安に不安を覚える区民もいる」とも語る。

 

県奥越農林総合事務所林業部は「山菜採りは所有者に断って山に入るのがマナー」と訴え、たばこの不始末は厳禁としている。これからの時期は子連れ のクマに遭遇する危険もある。荒島愛山会の高松会長は「子グマの近くに必ず親がいる。見かけたらすぐに離れて」と注意を求める。

(山内道朗)

 

<熊森から>

とても共感できる記事です。

4月16日 広島県の奥地でクマの痕跡調査

熊森本部若手スタッフたちは、広島県の専門家に、クマ生息地を案内していただき、調査方法なども教えていただきました。

植生豊かな細見谷渓畔林

クマがよく水遊びに来る所だそうです。渕はかなり深い。

ここにはまだシカが来ていません。兵庫県ではシカに食べ尽くされて、もうほとんど見られなくなったハイイヌガヤをたくさん見ることができました。また中国笹も私たちの背丈に届くほど生い繁っていました。

ハイイヌガヤはシカの大好物

シカの大好物のハイイヌガヤ

クマが身を隠せる中国笹

林床はクマが身を隠せる中国笹で覆われている

栗の木に熊棚がありました。この辺りの木は毎年よく登っているようで、古い爪跡から新しい爪跡まで確認できました。熊棚や爪跡を見つけたらその木の周辺10m四方くらいを丹念に糞をさがすそうです。今回は雪解け直後で流れてしまったのか、残念ながらクマの糞は見あたりませんでした。広島でも、このような奥地での、クマの痕跡はだんだん減ってきているそうです。

昨年秋に作られた熊棚

昨年秋に作られた熊棚

この日はとても暖かく、春の息吹を感じました。

春にクマが食べる柔らかいタケノコ

春にクマが食べる中国笹の柔らかいタケノコ

中国笹の、鉛筆のようなタケノコ。クマの大好物です。私たちも皮を剥いて生でかじってみました。あくもなく、おいしかったです。

ヒキガエルの卵

ヒキガエルの卵

水たまりには、ヒキガエルの卵が、無数に産みつけられていました。うまくかえりますように。

木の幹にへばりついている不思議なシダ植物がありました。これはオシャグジデンダという名前で、これが生えているということは空中湿度が高い証拠だそうです。これがなくなると森林内の乾燥化が進行しているという指針になるそうです。

オシャグジデンダ

オシャグジデンダ

クマが冬ごもりに使えるような樹洞も、いくつかありました。樹洞内は、じめじめしているのかと思いましたが、意外と乾燥していて、広くて非常に居心地の良い快適空間になっていました。これなら、半年間、寝ておれるかもしれません。

洞から顔をのぞかせるクマ?

洞から手を振るクマさん?

変わった花を見つけました

変わった花を見つけました。名前を知っている人は教えてください。

さっそく、京都の会員が、上の花の名前を教えて下さいました。ありがとうございました。エンレイソウ【延齢草】でした。

以下、河野昭一先生の解説より・・・落葉広葉樹林の林床に広く分布するユリ科の多年草で、別名、タチアオイ(立葵)、または、ヤマミツバ。液果の果肉は甘く、種子はアリが散布。根に有毒成分サポニンが含まれ、胃腸薬に使われる。

 

この日はとても暖かく、じんわり汗をかくほどでした。年間を通じて、樹木の葉が落葉していて日差しが強くなるこの時期が一番暑いそうです。夏は、反対に、木々の葉が生い茂り、林内はひんやりした所となります。

 

太田川の向こう岸まで、シカの分布が広がってきているそうです。ここにシカが入り込んでくるのも、時間の問題かもしれません。そうなれば、林床植物は、一気に消えてしまいます。こういった原生的な自然を後世に残していくために、今、私たちが何をしなければいけないのか、至急、考えねばなりません。

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帰る時、新しく造られた林道の法面が、延々と続くクマイチゴ(落葉性)の赤紫の茎で埋まっているのに気づきました。クマたちが夜、この実を夢中で食べ続けているうち、気付いたら人間たちの集落に出てしまっていたということになったりするのではないでしょうか。

クマが山から出たといって、人間はクマを悪者視しますが、クマを山からおびき出しているのは、どっちにしても人間です。

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