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2013-05-31

5月26日 第9回 くまもり本部 7人で沢筋のスギを90本!皮むき間伐  森再生チーム

5月26日(日)、兵庫県戸倉トラスト地内の人工林部分で皮むき間伐を実施しました。
6月から8月の期間は、樹木は水を大量に吸い上げているので、とても樹皮が剥がしやすくなっています。

ここのスギ人工林はこれまでチェンソーで間伐してきたのですが、この場所は特に木が太く、しかも、沢がすぐ横にあり、チェンソーでの伐倒が困難なため、今回皮むき間伐をすることにしました。しかも、沢筋の、人工林を花の咲く広葉樹にもどしていくことは、川魚の餌源確保のためにも急がれます。

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「もしもし、皮はむけていますが、形成層が完全には分断されていないため、これではスギは枯れませんよ。しっかりと上下の形成層が分断されるように、のこぎりでもう一度深めに切り込みを入れてください。」・・・専門家のチェックが入ります。

 

戸倉トラスト地は本来、とても植生豊かなところでした。120ヘクタールのうち1割を占める人工林部分の強度間伐の実施を進め、早く元の自然植生に戻していきたいです。

↓ くまもり 阪神北地区 副地区長 松田さん 作成 この日、原生的な森の部分で見られた戸倉トラスト地の花々
130519-戸倉の花々(白)

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この日は7名で、90本の人工林のスギの皮むきを実施しました。みなさんお疲れ様でした。よくがんばってくれました。

今後は、若い学生たちにも参加してもらって、次世代がどう森と向き合えばいいのか、一緒に考えていきたいと思います。

次回の皮むき間伐は、6月6日です。中高大の学生の皆さん、皮むき間伐を手伝ってくれませんか。手伝ってくれる方は、0798-22-4190まで、電話ください。林床に光が入って、死んだ山が生き返っていくのを見ることは、感動ですよ。

5月26日 本部 太郎と花子のファンクラブ  ~冬籠りに使用した藁出し編~

急に気温が高くなってきました。今日は、冬籠りに使用した藁出し作業をすることにしました。

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2頭の冬籠り部屋をのぞいてみてびっくり。先月までは、藁の中に深い穴を掘って寝ていたのに、どちらも穴が消えて、藁が平らになっていました。暑くなってきたので、穴に入る必要がなくなったのでしょうか。

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みんなで、藁をきれいに撤去。

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獣舎の周りに、野イチゴが実っていたので、取ってあげました。クマたちは、おいしそうに食べていました。

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きれいに洗ったプールに水を入れ始めました。まだ20センチぐらいしか水が入っていないのに、水遊びが大好きな太郎は待ちきれず、もう、プールに飛び込んでしまいました。

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花子は冬ごもり中に痩せたでしょうか。どう見ても痩せていません。ここへ来てからは、冬でも食事が与えられているため、冬籠りしながらも、時々出てきて食べていますから、痩せないと言っていいでしょう。

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甘えん坊の花子は、ここを掻いて掻いてと、掻いてほしいところを自分の手でたたいて示し、掻いてほしいとおねだりします。30分ぐらい素手で掻いてやりました。人間も疲れましたが、花子もこの姿勢が疲れたとみえて、前に倒れて体勢を立て直していました。

本当は、獣舎の中に入って掻いてやりたいのですが、万一何かあれば、クマが悪者にされてしまうので、入らないようにと、故東山先生に固く止められているので、鉄格子の外からいつも掻いてやっています。

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今回はこのメンバーでお世話しました。太郎24歳、花子23歳、2頭が元気なうちに、一人でも多くの皆さんに会いにきてやっていただきたいです。

ちなみに、本部次回お世話日は、6月22日(土)です。暑い夏に備えて、屋根によしずを張ってあげます。

なにとぞ、若い男性のみなさん、手伝いに来てください。太郎と花子に感謝されると、癒されますよ。

 

5月25日 愛知県でのパネルディスカッション~水源の森と私たちの生活~ 蔵治光一郎東京大学準教授・森山まり子熊森会長

高齢の方が多かったのですが、地域の森や水源を考える講演会とパネルディスカッションに、多くの市民が参加されていました。

主催された市民団体の日頃のご活躍と、精力的に各地で講演を続けられている今をときめく蔵治先生のお力です。

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      (写真左から、神谷先生、蔵治先生、森山会長)

 

現 在、愛知県瀬戸市北部にある東大演習林(1292ヘクタール)に勤務されている蔵治先生は、かつて焼き物に使う燃料のまきとして木々が乱伐され、土壌はや せ、花崗岩の層がむき出しになっていた瀬戸の山々が、(かつて愛知県は三大禿山県の一つだったのだそうです)今日のように木々に覆われ土壌が回復するまで になった詳細な経過データや貴重な写真を次々と提示され、山と水の関係をお話しされました。

 

自分たちの故郷である山々の興味深いお話に、参加者のみなさんたちは食い入るように聞き入っておられました。

 

次に、森山会長は、森林という日本語がまぎらわしいので、今後は森林として、森と林を使い分けて日本の山を論じるべきだという持論から入り、

戦後の拡大造林で針葉樹の苗木を植え過ぎた結果、日本の山の今一番大きな問題は、人工林の山の木が多過ぎて超過密になって内部が大荒廃していることであると、指摘。

国 が動くのを待っているのではなく、チェンソー、のこぎり、皮むき…あらゆる方法で、市民の力で、子供たちの力で、早急に7割の強度間伐を人工林に施さないと、表土流出や山崩 れなど、これからますます取り返しのつかない事態を招くこと。皆伐や間伐を進めて、みんなで、未来のために、他生物のために、動物のすめる水源の森を再生 しようと、熊森活動の最近映像を使って提案しました。

 

           現在

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スギ・ヒノキが密生して大弊害をもたらしている放置人工林(全国人工林1000万ヘクタールのうち、8割が過密により荒廃)         

           ↓

 

熊森の提唱する国土利用(ゾーニング)

s-ゾーニング(杉)

ご 存命中、ずっと熊森を応援してくださった東大林学科名誉教授の高橋延清先生は、戦後の拡大造林政策に勇気をもって反対された数少ない研究者のおひとりで あったと、蔵治先生が教えてくださいました。

今の熊森もそうですが、みんながどっと一つの間違った方向に進もうとしているときに、そっちは滅びの道だと声 を上げることは大変な勇気とエネルギーがいります。

高橋先生も、どんなに大変な思いをされたことだろうかと思いました。

大変であっても、どんなに揶揄されても、気づいた者が声を 上げねばならないのです。

 

同じく東大の先生である蔵治先生にお会いして、以前、高橋先生が初期の熊森に教えてくださったこと、

●クマがいないと日本の山は森にならない。

●林業は択伐林業以外は山を荒らす。

●本当の自然の勉強は、現地でないとできない。大学の部屋にこもっていては絶対にできない。

等々を、思い出しました。

 

蔵治先生はまだ40代で、研究者としてはお若いし、多くの市民を巻き込んでみんなでどっぷりと山の中に入られ、日本の山をどうしていけばいいか、市民とともに考えるという姿勢を貫かれています。これらの点を素晴らしいと思いました。今後のご活躍を期待します。

 

今この国に必要とされているのは、一人でも多くの国民が、日本の山の荒廃問題に関心を持って山に目を向けることであるという点で、蔵治先生と熊森の意見が一致しました。会を企画くださった皆さん、参加してくださった皆さん、本当にありがとうございました。

 

5月23日 第8回 人工林の健康診断 くまもり本部森再生チーム

5月23日(木)に兵庫県神埼郡の山林で、第8回目の人工林の健康診断を実施しました。熊森による人工林の健康診断は、東大愛知演習林の蔵治先生が始められた「森の健康診断」を参考に、自分たちなりに改良を加えたものです。

 

↓ いろいろなアイテムを使って、人工林のデータをとっていきます。
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↓ 立木調査
半径5.65mの円の中のスギ・ヒノキをカウントし、高さ・胸高直径等を測定します。

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↓ 植生、土壌の調査
5m四方の枠内の落葉層、草木の被覆率や植物の種数、土壌のpH値等のデータをとります。

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今回の調査で、この人工林は、超過密で早急に間伐が必要ということを数値化できました。
この場所は、4年前(平成21年)に間伐を実施したという履歴がありますが、残された木々が成長し、元の木阿弥。間伐を施したことのある山には見えませんでした。
このようなところが全国いたるところにあると思います。 今後も調査を継続して実施し、兵庫県での人工林の健全度や荒廃度のデータをまとめていきたいと思います。

次回の人工林の健康診断は6月13日(木)に実施予定です。 興味のある方は、ぜひ一緒に調査しましょう。特に、未来に生きる若い高校生や大学生のみなさんのご参加お待ちしております。

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