日本熊森協会の公式blogです。
ホーム > アーカイブ > 2013-05
一昨年、観測史上最大の豪雨をもたらした台風12号(2011年・平成23年9月)。
三重県大台町でも、3日間で1519ミリの雨が降った。これにより、紀伊半島各地で大規模な土砂崩れが多数発生した。これらの土砂崩れは、雨が地中深くまで浸透して、岩盤の深い部分から大きく崩れる深層崩壊であると指摘された。
NPO法人奥山保全トラストの所有する、三重県大台町池ノ谷でも、国道が崩落したり、山から大量の岩石が崩れ落ちてきたりして大変なことになった。池に流されてきた大量の材木群は、三重県会員有志のみなさんが、チェエンソーを持って集まり、何日もにわたって大変な思いをして片づけて下さったという。
国道の復旧工事が進む中、池にどれくらいの土砂が押し寄せてきているのか、池の保全対策を立てるため、熊森会長、奥山保全トラスト理事長、本部スタッフ、地元の方々ら総勢11名が、5月12日に調査に入った。
工事中の国道横の谷が、恐ろしいほどえぐれて、大きな谷になっていた。谷底に道路が出来ており、この辺までは何度か見に来ているものの、やはり大変な災害だ。
(写真は、工事中の国道から下を見おろしたもの。写っている山は全て、奥山保全トラストが所有)
昨年も一昨年も、5月4日には、すでに満々と水をたたえた池が出現していたが、今年は池の水がまだ少ししかなかった。橋やお社も、有志のみなさんによって、復興されていた。本当にありがたい。
池のふちから山側を見ると、山崩れによる土砂が、池に押し寄せてきているのがわかる。まるで、土砂の広い道が出来た感じ。
一体この崩落は、どこから始まっているのか、開始点を見るため、みんなで山に向かって歩きはじめる。
行けども行けども、崩落開始点が見えない。岩がどんどん大きくなっていく。両側のなぎ倒された木々を見ると、当時の土石流のすさまじさが想像できる。
ついに頂上近くまで来てしまった。
この山は、チャートの岩でできた塊だが、いくつかの所で大崩壊が始まっていた。砂防ダムを造っても、何をもってしても、いったん始まったこの大崩壊を、人間の手では止めることは出来ないというのが、参加者一同の感想だった。これが自然なので、自然界が納得するところまで、崩れてもらうしかない。
ただし、このままでは近いうちに、池ノ谷の池が、上から流れ込んでくる土砂によって埋まってしまう。自然に逆らうことにはなるのだが、池だけは、埋まらないようにしようというのも、参加者の一致した意見だった。これから、専門家の方々にも相談して、対策を練っていこうと思う。
石川県では、以前、能登半島にはクマはいないと言われていましたが、昨年度、能登半島にある七尾市では5件のクマの目撃情報が寄せられているそうです。
5月14日の地元新聞によると、今年5月にも、七尾市では山間部で3件の目撃があり、ドラム缶型クマ捕獲檻3基を設置することになったということで、捕獲檻の写真が大きく載っていました。
熊森は心配になってきて、捕獲されたクマがどうなるのか、七尾市や中能登農林事務所などの地元行政にさっそく電話で尋ねてみました。石川県では、いったん捕獲されたクマには殺処分以外の選択肢はないという答えでした。
お隣の福井県では、居ては困る所に出て来たクマは捕獲後、本来の生息地にさかんに放獣してやっています。クマという動物が、日本の国土で、人間と共存できる動物であることを理解し、無用の殺生は避けるという、生き物に優しい対応をされているのです。
放獣しないと言われている石川県でも、昨年度、研究用の学術捕獲では、3頭を放獣しています。
今回の七尾市のクマは、本来のクマ生息地から移動してきたと思われます。山間部におとなしくいるだけなので、捕獲しても殺さずに、元の生息地に返してやっていただけないものか。14日、熊森と、行政各部署との交渉が、夜まで続きました。
七 尾市行政としては、クマなど見たこともないということで、対応に戸惑っている感じでした。行政ですから、万一、住民に何かあれば大変だと思うのは当然で しょう。七尾市民のなかには、マスコミによって、クマは凶暴という間違ったイメージを植え付けられている方もあり、早く捕まえてほしいと思う人がいるのは当然でしょう。そ れぞれの立場の方々の気持がわかるだけに、熊森としても考え込んでしまいました。
熊 森は、野生動物の個を守るのか、個体群を守るのか、種を守るのかなどと、追究して来る人もいます。しかし、そんなことは分けて考えられるものではなく、や はり、生物の多様性を守るためには、無用の殺生をしないことが必要で、一頭一頭の命の大切さ、尊厳を訴えていくことが、共存の基本であると考えます。
今回、石川県の地元行政の方たちと長時間話し合って、人間として共感できるところが実にたくさんありました。また、石川県のクマ対応の実態についても、今まで以上に見えてきました。新聞情報の、不正確で読者に誤解を与える部分も問題でした。
こ ういう食い違いは、お互いに、よく話し合わずに一方的に判断して進めることによって、生じています。人間と人間、じっくり話し合えば、ほとんどのことは、 理解しあえるのではないかと、改めて、人間という動物に信頼感を持てた石川県行政の方々との話し合いでした。長い時間、根気よくいろいろと本音を話してくだ さった行政のみなさんに、感謝します。
<七尾市で目撃されたツキノワグマについてわかったこと>
5 月11日(土)に、市民がクマを目撃し、警察に通報した。土曜日であり、行政がお休みのため、警察情報を元に、新聞記者が行政に取材せずに記事を書いたの で、事実と違っている部分が何カ所かある。記事中のドラム缶型クマ捕獲檻の写真は、以前、万一に備えて七尾市が何台か購入した時の古い写真で、今回目撃さ れたクマを捕獲するために設置したものではない。
今回目撃されたクマは、山中におり、捕獲罠は、かけていない。中能登農林事務所としては、行政が休みの日に緊急事態があれば、捕獲許可を出せないので、今回目撃されたクマとは関係なく、3頭の捕獲許可を申請していただければあらかじめ捕獲許可を出しておきますと七尾市に伝えてある。捕殺のための捕獲が必要な緊急事態かどうかは、石川県では長年の経験がある猟友会の捕獲隊長が判断する。今回目撃されたクマは、おそらく緊急事態と判断されないだろう。捕獲許可をもらっていても、必要がなければ、一頭も捕獲しないでその年を終えることもある。石川県は、クマの※個体数調整を導入しているので、捕獲されたクマは、捕獲上限数に達していない限りは、捕殺する。(以上)
※個体数調整 の問題については、別の機会に書きたいと思います。
以下、ロイターより転載
<熊森から>
最近、中国では、市民の環境意識が高まり、工場建設などに反対する抗議活動が各地で相次いでいるそうです。デモには、子ども連れの夫婦や若者が数多く参加したということで、若い親たちは、子孫への長期的な環境汚染を心配して、デモに参加したと言っているということです。若い人たちが立ち上がったことを知って、人類として希望が湧いてきました。
どこの国でも、若者はすごい力を持っています。世界中の若者が、地球環境の汚染を阻止するために、勇気を出して立ち上がってほしいものです。地球環境を破壊する科学技術なら、ない方がいいのであって、技術の名になど値しません。
日本などと違って厳しい国家体制にある中国で、国民が声をあげるというのは、命がけなのではないでしょうか。デモに参加された人達、報道して下さった人たちに、大拍手を送りたいと思います。
月に何回かは、くまもり委託秋田県在住研究員が、元八幡平熊牧場までクマたちを見に行ってくださり、写真、動画、お手紙などで、絶えずクマたちや獣舎の近況を本部に届けてくださっています。
うれしいことに、全頭無事、八幡平の厳しい冬を抜け出せました。お世話して下さったみなさん、本当にありがとうございました。
残 念ながら、こぐま1頭が、大人のクマに咬まれたのか、腕に大ケガをしてしまいました。現在、獣医さんに抗生物質などを投与してもらい、少しずつ回復に向かっていま す。クマたちの所有者である長崎氏にたずねると、仲良くしていたのに、どうしてこんなことになったのかわからないということです。現在、こぐまたちは、別 の広い檻に隔離してもらっています。早く全快しますように。
水が自由に出るようになったため、どの獣舎も糞尿をきれいに洗い流してもらえるようになり、狭くて濡れてはいるものの、獣舎が清潔になりました。飲み水も、凍らなくなったので、餌箱に入れてもらい、思う存分飲めるようになりました。良かった。やれやれです。
やっ と雪が融けて、5月7日に、雪のちらつく中、試験的に一部のクマたちを運動場に出してみたそうです。クマたちは、狭い檻から、半年ぶりにやっと広い所に解 放されたことになります。オス・メスの鑑定が、完了したので、今年からは、完全にオス・メスを離して出せることができるようになったということです。痩せ たクマもおり、少し気になりますが、これからどんどん運動して、どんどん食べて、早く元通りになってください。
獣 舎の方ですが、獣舎と運動場の間の鉄の扉や、3つに分けられた運動場の仕切り鉄板などが随所劣化しており、傷みが激しく、クマの強い力で剥される恐れがあ るそうです。そのため、今、溶接機を使って、あちこちの鉄板や鉄格子の補修をしてくださっています。これら溶接費も、八幡平クマ基金から全額出ています。
クマたちが本格的に運動場に出してもらえるのは、5月20日以降になるようです。
八 幡平クマ基金からは、リンゴや魚の干物、野菜などの食料援助もしています。現在、食料は、固形飼料を中心に、毎日リンゴ、そして1日おきにハチミツ付き食 パンのみみ(大阪の方で、毎月ハチミツをひと箱送ってくださる方があるため)や、野菜を少し与えてくださっています。八幡平クマ基金では、秋田の大手スー パーにお願いして、野菜くずを安価で多くいただけるよう、この度、交渉することになりました。
担当者によると、クマたちが一番好むのは リンゴで、その他、ニンジン、魚の干物、サツマイモなども好物だということです。餌を送ってくださる方があれば、大変ありがたいということです。下記まで 電話の上、現在、不足している食料をきいてから送っていただけたらということです。
秋田県動物管理センター(電話018-828-6561)
5月26日(日) に兵庫県宍粟市波賀町で、皮むき間伐を実施します。
今年初の皮むき間伐となります。大勢でもりあげましょう!
みなさんのご参加お待ちしております。
★集合 阪急夙川駅南口 午前8時集合 (解散は同場所 午後7時頃予定)
現地集合可(ばんしゅう戸倉スキー場駐車場 午前11時集合)
★申し込み 活動日の3日前までに、下記までお申し込みください。
★持物 昼食・飲み物・作業に適した格好(長袖・長ズボン等)・靴
(長靴・登山靴等)・滑り止め付き軍手・手ぬぐいまたはタオル・雨具・筆記用具
★※未加入者の方は、別途ボランティア保険料(年間500円)がかかります。
※天候等の事情により活動日程や内容が予告なく変更になる場合があります。
ご質問などございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。
先日の不思議な葉巻の正体がわかりました。オトシブミという昆虫のゆりかごと呼ばれるものでした。下に写真再掲。
この葉巻は、オトシブミのメスが、口と足を使って巧みに葉を巻いて作ったものです。この中に、メスが卵を一つ産み付けており、親虫は同時に葉に菌糸を植え付けて栽培、卵からかえった幼虫はその菌糸を食べて大きくなり、やがてここから出て来て地面にもぐりサナギになります。「おとしぶみ」はその中で幼虫が成長し成虫になるまでの食料兼シェルターだったのです.
オトシブミという名前は、昔、巻物状の手紙を書いて地面に落とし、好きな人に拾わせた「落とし文」に、このゆりかごが似ているところからつけられました。
オトシブミの成虫は数ミリの大きさ。首がとても長いです。
日本には、沖縄を除く全域に生存し、22種いるそうです。ゾウムシに近い仲間で、別に発生しても害はありません。
5月5日の神戸新聞第一面トップ記事 を見て、ぎょっとしました。
2010年の夏は異常な暑さでした。そのせいもあってか、兵庫県北部や中部では、夏にナラ枯れが一気に広がりました。
当時、私たちは何カ所かの山々を夏に調査に回りましたが、山を真っ赤に染めるようにして枯れていく種々の実のなる木を見て、これで野生動物たちがますます山で生きられなくなったと、絶望的な思いに駆られたものです。
今回の兵庫県森林保全室の発表によると、これら実のなる木の枯死は、着実に南下を続けているということです。
2012年度になると、兵庫県のクマ生息地のほぼ全域が、ナラ枯れ地域になってしまっています。阪神間にも飛び火して広がって来ています。その部分の新聞資料を拡大してみると、以下の通りです。
ナラ枯れがやっかいなのは、県も発表されているように、抜本対策がないことです。
国は、5ミリほどのカシノナガキクイムシを木々を枯らす犯人と決めつけています。兵庫県では、粘着シートを木々の幹に巻きつけたところ、カシノナガキクイムシだけではなく、その他の昆虫、爬虫類、鳥などが掛かり、死ぬケースが続出したそうです。
そこで、薬剤散布をしているそうですが、薬剤というのはどれも結局、毒剤です。他の生物まで殺してしまうばかりか、私たちの水源を汚染する行為です。
当協会の群馬県在住宮下正次顧問らによると、ナラ枯れの原因は、カシノナガキクイムシではないということです。カシノナガキクイムシが全く入っていないのに、ナラ枯れしている木をたくさん発見されています。
宮下氏によると、酸性雨によって木々の根の菌根菌がやられてしまい、木々が弱ったため、カシノナガキクイムシが片づけに入っただけなので、カシノナガキクイムシを殺すのではなく、炭を撒いて土壌の酸性度を弱めることをすべきだと言われています。実際、炭撒きしたところ、ナラ枯れで枯れかけていた木々が、青々とよみがえった写真を何枚も見せていただきました。
今は、「森なくして、虫なし、鳥なし、獣なし」です。山で生きられなくなって人里に出て来た生き物たちを害獣と決めつけて殺すだけの対策しか、今の日本はとっておりません。もっと彼ら野生生物たちの悲鳴に耳を傾けてやる姿勢が必要だと思います。
ちなみに他府県を調べてみると、これまでナラ枯れが入っていなかった宮城県や岩手県にも、枯れがどんどん入り始めているということで、これからますます国土が大変なことになっていきそうです。
経済成長を狙う話題がほとんどの今の日本で、兵庫の山が大変なことになってきていると、このように一番目立つ場所を使ってわたしたちに知らせて下さった神戸新聞社に、深く感謝します。
17年前に、山で驚くほど大きなドングリを拾いました。クヌギのドングリです。庭に植えると、9年ほどでサラダボール山盛り1杯ほどの実を落とすようになりました。
ご存知の方もおられると思いますが、ドングリには1年生ドングリと2年生ドングリがあります。クヌギ、アベマキ、ウラジロガシなど、ブナ科植物の約半分は2年生ドングリです。受粉してからドングリになるまでに2年かかります。そのため、今年ドングリとして成熟する大きな実と、来年にドングリとして成熟する予定の小さな実の2種類が枝に付きます。
今春受粉した1年目の小さなドングリ下と、昨年度受粉した2年目の大きなドングリ上が混在する、正常なクヌギの木(昨年7月、西宮市内の公園で撮影)
しかし3年前、植木屋さんにお願いして、2階の屋根を超えるほど大きくなったクヌギの木の枝を剪定をしてもらってから、花が全くつかなくなってしまいました。去年は、少し花が咲いたので、2年目のドングリが今年実るのを期待していました。
今年はたくさん花がつきました。2年目のドングリを探してみると、ゼロでした。昨年、花は咲いたが実は全く成らなかったのだ!
先日、無数の今年の雌花と雄花を確認しました。さて、今年は実るでしょうか。
傍芽した枝に、無数の小さな雌花と無数の垂れ下がった 雄花を確認した今年の庭のクヌギ。2年後にドングリは元通り落ちるようになるのか。
あんなに2年生ドングリとして、毎年毎年順調に確実に実を落としていたクヌギですが、人間が手を入れたことで、サイクルが、がたがたに狂ってしまったようです。
今、人間が、どんどん最奥地にまで入って、開発したり、自然を管理しようとして、野生動稙物に手を入れたりしています。自然界の絶妙のサイクルやバランスを、人間がますます崩しているだけだと思います。庭木はいいとしても、最奥地の自然界からは、1歩も2歩も人間が下がるべきだと、庭のクヌギを見て、ますます確信しました。
話は変わりますが、よく見ると、クヌギの葉が根元の三角形部分だけを残してたくさん虫に食べられていました。残された三角形
部分には、どれも丸められた葉っぱが米俵状についています。これは、何かの虫の家でしょうか。ご存知の方がおられたら、お教え下さい。
答え→オトシブミという昆虫のゆりかごと呼ばれるものでした。この中にオトシブミの親が卵を産み付けており、親虫は葉に菌糸を植え付けて栽培、卵からかえった幼虫がその菌糸を食べて大きくなり、やがてここから出て来て地面にもぐりサナギになります。
うれしいニュースです。今年3月に「クマに森を返そうよ」 という児童書(小学校高学年以上)が出版されました。
昨年、ひょんなことから、売れっ子の児童文学者沢田俊子さんが、最新の日本熊森協会を取材して、本を書いてくださることになりました。出版社は、「はだしのゲン」出版などで有名な汐文社です。
今回の出版は、外部の方が熊森の活動を取材して本を書くという、初めてのケースです。当協会としては、100%ガラス張りで、何を見てもらっても何を聞いてもらってもいいという姿勢で、取材に対応させていただきました。
沢 田さんは、山奥でもどこでもわたしたちに付いてきて、ご自分の目や耳で熊森活動を確かめて歩かれました。私たちが話題に出した人物には、実際に会って直接話 を聴かれました。
当協会を指導して下さっている研究者のご自宅にも同行され、研究用に栽培されている各種ブナ科植物や、研究用に飼育されているブナ科植物 に付くいろいろな虫たちを見せていただき、その後は、いっしょに奥山原生林を歩いて、奥山生態系の現状も学ばれました。
驚いたのは、他の研究者や団体がどう言っているかまでいろいろ調べておられました。
見事なまでの科学的態度です。というか、人間としての誠実さでしょう。
ヒグマについては、ヒグマの会山本牧副会長が平成24年に東海大学札幌校舎のフォーラムで講演された記録「ヒグマはなぜ里に近づいてくるのか」も読まれました。その中に、
1970年~1980年までのヒグマの糞調査の結果、98%が植物質、残り2%は、アリ・ザリガニで、ほとんどベジタリアンだった。しかし、近年、人間が山でエゾシカを撃って放置するようになってから、シカの死体を食べるヒグマが出てきた
という記述があります。沢田さんは、人間が、クマの食性まで無茶苦茶に壊していっている現状に、胸を痛めておられました。
私たちは、沢田さんの取材ぶりを見ていて、沢田さんの本がどうして子どもたちに受けるのかが、わかってきたような気がしました。
徹底して現場を取材され、ご自分の目や耳で確認して、疑問点は徹底的に尋ね、中立の立場で子ども目線で書いていかれます。
その後ろには、少女のような好奇心と、どこにでも飛び出していく行動力、良く調べたことでないと書かないという、大人としての責任感があります。
<一般読者からの感想>
一気に拝読!泣きました。「これは子供だけでなく、大人も読む必要のある本だ!」と叫びそうになりました。
<熊森から>
まだの方は、是非、お買い求めください。最新の日本の森や野生動物の現状がわかる本です。
【兵庫県が公表した拡散予測のいずれかのケースで、甲状腺被曝線量が安定ヨウ素剤服用の基準値を超える自治体】
尼崎、西宮、芦屋、伊丹、宝塚、川西、神戸、明石、三田、三木、加東、小野、篠山、丹波、朝来、養父、豊岡、加古川、西脇の各市、猪名川、稲美、多可、神河、香美、播磨の各町
<熊森から>
疑問①人間は、安定ヨウ素剤服用で助かるかもしれませんが、他の生物たちはどうなるのでしょうか。
疑問②安定ヨウ素剤服用で一時助かったとしても、琵琶湖の水が飲めなくなったり、ふるさとの大地が、永久に居住不可になってしまったりするのです。琵琶湖の水に頼って生きてきた1400万人は、その後、どこにいけばいいのでしょうか。
それでなくても我が国の国土は狭いのです。福島原発事故で広大な大地が、人が住めない所となってしまったのに、これ以上、また、そんな大地を新たに作ってしまうことになれば、もう取り返しがつきません。
子や孫、他生物に、愛情や責任が持てない大人たちだったと言われても仕方がありません。
熊森提案 自然保護団体として、兵庫県にお願いしたいです。ヨウ素剤を配るより、福井原発を止めることを、至急考えていただきたいです。私たちがこの国で生きていくには、放射能に汚染されていない自然が、絶対に必要不可欠なのです。こういうことは、はっきり言っておかないとわからないと思うので、はっきり言っておきます。