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2013-06-01
5月26日 休耕年の田んぼの畔塗り・水引き作業 本部自然農チーム
- 2013-06-01 (土)
- _自然農
お米の収穫量減少を受けて、今年、田んぼを休ませることにしたため、今日が、今年初めての自然農チームの作業日です。
まず、下段の奥の田んぼに水を引き込むことにしました。
冬の間、他の田んぼの水は落としてしまいますが、奥の田んぼだけには水生昆虫たちのために、1年中水があるようにしておくためです。
山からの湧水が、奥の田んぼまで流れ込むように、スコップを使って長い水路を造っていきました。モグラの穴をふさぎながら手で畔塗りをしました。
いよいよ、水路に水を流し込みます。
この後、去年の藁と、もみ殻を全部の田んぼに均等にばらまき、畔の高さや幅を整えました。
少し日差しは暑かったのですが、風がまだ爽やかで心地の良い一日でした。
次回作業日は、6月9日です。
畔を中心に田んぼをさらに整えてから、畔に黒豆の植え付けをします。
夏に一度、黒豆の収穫を兼ねて周囲の草刈りをする予定です。
今年は、米作りを1年休むので、ゆっくり作業ができます。
初めての方でも、無理なくご参加いただけますので、興味のある方は是非自然農チームまでご連絡ください。
原発再稼働と、各地の地下水脈分断がセットのリニアモーターカー
- 2013-06-01 (土)
- くまもりNEWS
以下、熊森顧問でもある橋本淳司先生の週刊「水」ニュース・レポ ート (2013年5月29日)より ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【今週厳選した「水」ニュース】 「リニア新幹線の早期着工を要請 愛知県知事らが太田国交相に」 (産経新聞、2013年5月27日) http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130527/plc13052719030023-n1.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔ニュースを見る目〕 リニア新幹線計画の加速を伝えるニュースです。 リニア計画は国内景気の浮揚、海外へのインフラ輸出など、 プラス面が大きくクローズアップされていますが、 その一方で、地下水など自然環境に与える影響は大きいと考えら れています。 また、原発を再稼働しなければまかなえない多大なエネルギーが 必要とされています。 その割には、こうした問題点がメディアに取り上げられることは 極めて少ないのではないでしょうか。 そこで今回はリニア新幹線と地下水脈について、これまでの記事 をおさらいしてみようと思います。 最初にこのテーマで記事が書かれたのは、いまから20年以上前の ことです。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「リニアへの期待と不安 生活・環境と調和課題」 (朝日新聞 1990年7月2日) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ というタイトルです。関連部分を引用すると、 「時速550キロを目指す磁気浮上式の リニアモーターカー新実験線の建設ルートに決まり、 年内着工の準備が進む山梨県。 将来のリニア中央新幹線(東京-大阪間)をにらんだ実験線と あって、ルート予定地周辺には見学客などをあてこんだ高層ホ テル建設計画も持ち上がり、沿線自治体は、実験線を地域活性 化の起爆剤にしようと躍起だ。 しかし、一方では地価高騰、自然環境の破壊、 強力な磁場による人体への影響などを気遣う声も上がって、 リニアブームは地元に期待と不安の渦を巻き起こしている」 とされています。不安や懸念という点では、 「県民には、未知のリニアに対する不安の声も出始めた。 6月27日、ルートがかかる東八代郡御坂町で開かれた説明会で は、町民からトンネル工事に伴う地下水脈への影響や、磁場、 騒音などを心配する質問が相次いだ」 「リニアについては、明るい面のPRが主で、問題点はあまり 触れられていない。建設決定までの過程でも、住民の声が反 映されていない」 と書かれています。 「明るい面のPRが主で、問題点はあまり触れられていない」 という点では、20年前も現在も同じです。 次の記事が書かれるのは、その5年後です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「客室や乗務員室、初公開 山梨リニア実験線3両編成で」 (朝日新聞1995年9月26日) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 記事中に、 「トンネル工事に伴う地下水脈の枯渇も不安視されており、 今年2月には大月市で生活用水の水源が枯れるという問題が 起こり、実験線のトンネル掘削工事が原因とみられている」 と具体的なトラブルについて触れられています。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ JR東海 リニア調査本格化 南アルートで水平ボーリング (『FujiSankei Business i.』2008.2.15) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ では、 長野・山梨両県にまたがる南アルプスを横断するトンネルの 水平ボーリング調査について書かれています。 「水平ボーリング調査は、山梨県早川町と長野県大鹿村から、 それぞれ直径10センチの穴を3キロずつ掘り、 地質や地下水脈の状態などを調べる」 とされています。その後の調査結果についての記事はありま せん。 ですが、すでに山梨県内で住民に話を聞くと、 「地下水脈が各地で分断され、 川の水が干上がったり井戸枯れが起きたりしている」 というのです。 2011年になると、地元紙『信濃毎日新聞』が、 リニアモーターカーについて精力的に書き始めました。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [特集]リニア県内中間駅案公表 沿線に文化財点在 地下水脈 保全も必要(『信濃毎日新聞』2011.8.6) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ この記事は至極真っ当で、 計画推進に当たって、自然環境への影響を十分に調査し、 影響が出るとわかった時点で、変更すべきとしています。 「トンネル掘削に伴う地下水への影響は十分な対策が必要だ。 これまでも新幹線などのトンネル工事で周辺の水源が水枯れす るケースが出ている。 自然環境への影響だけでなく、 飲用水や農業用水など住民生活への影響も出かねない問題だけに、 慎重な検討が求められる。 概略路線内には「市民10万人の水がめ」として飯田市が保全を求 めている風越山の山麓に湧き出る環境省の名水百選「猿庫(さる くら)の泉」や県営松川ダムもある。 JR東海はこれらを避け、南側を通る路線に絞り込むことも可能 としている。 ただ、地下水脈は複雑に入り組んでいる可能性もあるため、 事前にボーリング調査などで周辺の水源の位置や使用状況のデー タを集めて影響の度合いを予測し、 具体的な路線を設定する際には回避するように準備を進めること が必要だ」 さらに同じく「信濃毎日新聞」の記事です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ リニア時代(12)=巨大アセス本格化へ(2) 沿線水資源の影響 完全回避困難…折り合いは (信濃毎日新聞 2011.11.09) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「整備新幹線の建設主体として、 さまざまなトンネル建設の実績を持つ独立行政法人鉄道・運輸 機構でさえ、山梨リニア実験線延伸のトンネル工事で2009年、 付近の「水枯れ問題」を引き起こした。 南アルプスの長大トンネル(延長約20キロ)は、地表から最大 1400メートル下の深い地中を掘削する。 JR東海は「地表面への影響は小さい」とするが、 「大きな地下水脈に当たった場合、トンネルが深いほど影響を 及ぼす範囲が広くなる可能性もある」と複数の専門家は指摘す る。 水源の完全回避は難しく、影響があれば事後対応。 生活や経済活動に欠かせない水の保全がそれでいいのか。 沿線地域とJR東海がどう折り合って対応すべきか、きちんと 議論する必要がある」 いちばん直近のものは2012年6月の「朝日新聞」です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 市有地9カ所で調査許可申請 リニアの環境影響評価で 川崎市 にJR東海(朝日新聞2012.6.9) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「リニア中央新幹線をめぐり、 JR東海は、川崎市に対し、市有地9カ所で地質などを調べる 許可を申請した。 環境影響評価の一環で、植生を調べたり、ボーリングをして 地質や地下水脈などを調べたりする」 「一方、「リニア新幹線を考える東京・川崎連絡会・川崎」は 騒音や振動、磁場の影響、電力消費が多いことなどを理由に 、建設に反対している」 このテーマでまとめられた記事は、わずかこれだけしかありま せん。ざまざまな課題を抱えながら、報道は皆無に近いと言え るでしょう。 JR東海が名古屋に向けて進める工事は、 「ほとんどトンネル内だから、環境に負荷がない」 と言われていますが、地下水脈を分断することはないかなど、 リニア計画を検証し、賢明な選択をする必要があるでしょう。 <熊森から> さすが、橋本先生は、どんどん調査を開始されています。山梨 県立大学伊藤洋学長は、中央新幹線リニアモーターカーを動か すには、原発3基~5基を動かす必要があるという。 現在、山梨県のリニア実験線の主な電力供給源は、東京電力 柏崎刈羽原発(新潟県)であり、現在、走行実験は休止中。 リニア建設に反対するJR東海労働組合小林書記長は、JR東海 は、リニアのために原発を再稼働させようとしていると言っ ているそうだ。 熊森は涙ぐましい努力をしてこの20年間、日本の森や動物を、 守ろうとがんばってきました。 リニアは、ほとんどトンネル内を走るので、 環境負荷はないと勘違いしている人がたくさん おられます。 しかし、トンネル造りは、水脈を各地で分断させるため、広範 な森を劣化させ、大量の動物が生きていけなくなると、熊森は 予測します。 山に1本の苗木を育てるために、どんなにみんなでお金を出し 合ってこれまで世話して苦労してきたことか。そんな活動を してきた熊森だからこそ、天文学的な数の木々や生物を消滅 させるリニア建設には、黙っておれません。 森や動物をこれ以上痛めつけないように、リニア建設をやめ ていただきたい。 ここまで国土を自然破壊してきた今となっては、お金よりも 命や国土の自然環境保全の方が大切です。 どうしても造らねばならないのなら、トンネルではなく、 せめて水脈を切らなくてもよい平地を走らせてください。 水を失った文明は滅びるからです。 未来と他生物への責任のための熊森の主張です。